・「ミッキーマウスの憂鬱」松岡圭祐
ディズニーランドのバイトに採用されたちょっと痛い若者の目線から、ディズニーランドの裏側を描いた作品。夢の国の裏側には強烈にどろどろした現実社会の縮図が展開されている。正社員とアルバイトの身分の格差、表舞台で活躍するキャストと裏方のスタッフの違い、ゲストをもてなすための徹底したマニュアル。ディズニーランドに夢を持っている人は読まない方が良いかもしれない。そんなどろどろの舞台裏に、自分の思い込みで空気を読まずにずかずか切り込んでいく主人公の姿を、自分は最初はイライラしながら読んでいた。だが、その主人公の活躍で問題が片付いていくにつれて、自分の気持ちをストレートに出していく姿にだんだん共感し、最後にはスカッとした。