歴代天皇及び皇族は母方を通じてその地位を継承したことはなく、一貫して男系により継承されてきました。
父から子へと血筋が受け継がれることを父子一系といいます。
女性天皇の場合は父から皇位を受け継いだとしても、ご自身は父にはなれないのでそこで血筋はおしまいです。
したがって、皇位継承における男系・女系論本質は「二千年続けてきたことを守るか、やめるか」というだけのことなので、性別とはまったく関係のない話となります。
過去に女性天皇が存在したから、現代でも女性天皇を認めるべきだという主張は歴史的経緯を無視した安直な考えであると言わざるを得ません。
制度上女性にも門戸が開かれているものに対して、女性であるからという理由だけで差別されるようなことはあってはなりません。
しかし、天皇はそういう存在ではないのです。
男系継承と男女平等はまったく関係がありません。
昨今論じられている男系の反対は女系ではなく、男系でも女系でもないことです。
つまり「男系」の反対は「非男系」なのです。
もっと丁寧に言えば、これまで続けてきたことを同じように守り続けるか、やめてしまうか、という二者択一なのです。
男女の区別はまったく関係がありません。
男系継承を続けるということは男子だけが血統を継ぐことができるので、天皇は必然的に男子が中心になるのです。
伝統としては女性天皇を排除しておらず、天皇に男女の区別はありません。
千数百年前に女性天皇がすでに存在していたことからもわかるように、日本の歴史は古くから女性が活躍していたのです。
皇族には男女同権が保障されていますが、その中でも天皇は歴史と伝統を背景にした特殊な位であると考えれば、理解できるでしょうと書いていました。