日本の皇室は庶民から嫁ぐ場合はいくらでもありましたが、父方による一系で皇位を受け継ぐかたちによって、皇族と庶民の違いが明確化してきたという歴史的経緯があります。
これまで父方の一系で皇統をつないできた日本が、いきなり女系を認めてきた西洋王室ですら未知の世界に突入しようとしている皇位継承方法を導入しようとしているのですから、本当にこれからどうなるかわからないのが現実です。
現在の日本人全員は、万世一系で受け継がれた皇室しか経験したことがありませんから、その経験を前提に論じているという事実を忘れてはなりません。
未来のことはどうなっているかわからない、だから人間の頭だけでつくる世の中は不安定となるのであって、時代をまたがって続いてきた伝統をベースにものごとを考えていく必要があるのです。
経験もできない未来のことを、頭の中で設計するかのごとく大丈夫だと言い切ることは、非常に危ういのではないかと書いていました。
女性宮家、女系天皇論は現代人による目先のことだけしか見ていない近視眼的な浅知恵となります。
この本にも書いていましたが現代の日本人は今、問われていると思います。目先の感情論に流された近代合理主義的な判断をしてしまうか、歴史・伝統をふまえた判断をすることができるか、まさに現代人の真価が試されているのです。
現代人のあさはかな理性よりも絶対にぶれず、時間に耐え抜いてきた2000年以上の歴史・伝統から、これからの方法を発見していくべきではないでしょうかと書いていました。
日本の良いところ、伝統や文化などが壊されてきているなと感じることが多いですし、政治の動きも怪しいところが多いので、注視していきたいと思います。