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友人に誘われて、初めて薪能を観る機会がありました。
前から行ってみたいなと思いながら、なかなかそのチャンスがなく、またどうしても自分で探していくというほど能・狂言に造詣は深くなく、諦めていました。
たまたま声をかけてくれた友人に、「行きたい!」と即答。やっと薪能を観ることができました。
「古典芸能を学ぶ」などという学校行事でしか能・狂言鑑賞を知らないので、なんだかドキドキ・・・ 私にわかるかしらと心配していたら、なんと夕刻から始まる公演の前に午後から解説会が開かれるとのこと、さっそくそちらも申し込んでもらい、初心者にもわかる薪能となりました。
1時間強の解説を聞くと、大体の演目の大筋がつかめました。これなら大丈夫、あとは薪能の素敵な雰囲気を味わえばいいので、とても気持ちが楽になりました。
参加者は60代から70代の方々が多く、着物を召されたご婦人方も多く、ただただ防寒対策ばかり考えていた私は、もっとおしゃれをしてくればよかったかしらとちょっと反省・・・
薪能が行われたのは、埼玉の森林公園近くの複合施設の中で、いわゆる有名なお寺や神社の境内ではありません。でもその施設ではもう26回も薪能を開催しているとか、熱心なファンがいるのでしょうね。施設の中には結婚式場もあり、なかなか素敵なところです。
5時半開演で、巫女さんが薪に点燈して、いよいよ始まります。まず鼓や笛、地謡方が登場して、最初の演目「小袖曽我」が始まります。有名な曽我兄弟の富士のすそ野での仇討ちにからんだ親子の心根を描いているお能です。
前もっての解説を聞いていたので、言葉はよくわからなくても大体の内容はつかめ、また筋を追うこともなく、踊りや謡を純粋に楽しむことができました。
続いての狂言「萩大名」でも前解説でしっかりと筋を教えてもらっていたので、本当に楽しく声をあげて笑いながら楽しむことができました。
解説なしで拝見したら、きっと何を言っているのかに気をとられ、十分楽しむことができなかったかもしれません。
風のない夜でしたが、さすがに10月末の野外、しんしんと冷えてきて、席に用意してあったひざ掛けと使い捨てカイロを有り難く利用しながらの鑑賞でした。
貴重な体験ができて、本当によかったです。
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