連日の猛暑、遮光していないのに太陽光線を目いっぱい浴びているイリオモテスミレが元気です。ななぜでしょうか?
エゾノタチツボスミレが一段落ついたら、このイリオモテスミレについて報告したい・・・
久しぶりに、このブログ追加します。数年前にまとめてあった文章を見直し報告します。
<知る人ぞ知る 横走するエゾノタチツボスミレ>
タチツボスミレとの雑種(スワタチツボスミレ)も開花期には立ち上がっていることが文献で確認できた。雑種だから地表を這うように生育しているわけではなく、エゾノタチツボスミレかスワタチツボスミレのいずれにしても疑問は解決されない。エゾノタチツボスミレは奥が深い。
地表を横走する利点やあるいはそうしなければならない要素を考えてみる。
・湿度保持に有効な手段の結果。
・元来エゾノタチツボスミレは地表を横走する性質がある。
・アイヌタチツボスミレ、アポイタチツボスミレ、シマジリスミレのいずれも地上茎は横方向に伸ばし開花結実している。
・外国種3種(ビオラ・ルペストリス、ビオラ・リビニアナ、ビオラ・シエヘアナ)はひとつの株に数株植えた時は隣り合う茎同志がもたれ合い、上方で開花結実して生育した。鉢に1株ずつ植え替えたら、地上茎を四方八方に伸ばす(横走する)ように生育した。
見方を変えてみると世界のエゾノタチツボスミレの仲間の中では地上茎が立ち上がり開花するエゾノタチツボスミレはイレギュラー的な存在なのかもしれない。比較的湿度のある地に生育するエゾノタチツボスミレは日陰という受光獲得においてのマイナス面を補う為、光が得られるように立ち上がる形態変化を獲得した個体が存在したことでより適応度が上がり、地上茎が立ち上がる個体が代々存続してきたのかもしれない。たまたま採取地は、立ち上がることなく地表を横走して同種や他種の植物との競合の結果、適応度を上げることができた生育地であるのかもしれない。
エゾノタチツボスミレは立ち上がらず地表を横走し生長するという稀ではあるが新しい一面もある。各地での観察記録の報告が少ないだけなのかもしれない。知る人ぞ知る地表を横走するエゾノタチツボスミレなのかもしれない。
他の生息地でのエゾノタチツボスミレも同様な個体が生息するのかわからない。
ある種類についての疑問を解決するべく、その仲間のスミレ類に目を向けて考えることが重要。エゾノタチツボスミレの花の色が2色(白色と淡青紫色)見られることがアイヌタチツボスミレ、V.reichenbachianaは稀に白色が観察され、V.sieheanaは白色から淡青紫色への変化があり、共通の祖先のについての興味が深まった。世界のエゾノタチツボスミレの仲間について今後も調べたい。
近年、足腰が弱くなり縦走して観察することが無理になってきた。残念!
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