◇エイザン × ヒナ オクタマスミレ③
前回オクタマスミレの学名を話題にしましたが、実は最初はあの学名はエドスミレに付けられていたそうです。エドスミレ(エイザン×スミレ)はもっとも古くから記録(1856年)されていた雑種で、Viola × savatieri Makino とされていましたが、改めて確認した(1937年)ところ、エイザン×ヒナであると確認されたようです(1978、橋本)。引用文献:1978、日本のスミレ 橋本保
・同種の場所ごとの個体差について
まずは、ヒナスミレ①~③の写真の葉を見比べてください。
ヒナスミレ
①
②
③
①②地点は常時薄暗い神社の境内で、木漏れ日が当たる場所、③地点は春には明るい場所で、①②地点より少し標高が高いです。植物はその場の環境(光・湿度・気温・土など)のシグナルを受容し、発芽・開花・落葉のタイミングを決定します(フェノロジー)。①②地点の葉は柔らかく、③地点は色が濃くて硬い(クチクラの発達や柵状組織の細胞中のクロロフィルaとbの割合やその密度が高い)です。
ですから、①②地点で観察されるオクタマスミレは同様に③地点より大きく柔らかい葉が見られます。下の④⑤はオクタマスミレの葉です。
オクタマスミレ
④
⑤
このオクタマスミレは①②地点より、少し上った③地点で観察されました。⑥オクタマスミレの葉の裏はヒナスミレ同様に茶色です。ここ③地点のオクタマスミレは硬い葉が観察されます。
前回のオクタマスミレ②で扱った写真②と比べて見てもらえるよう、前回使用した写真を下に入れました。柔らかいオクタマスミレの葉です。同じ(種や雑種)でも暗い場所では葉を大きくして光合成量アップを狙うようです。環境により、葉の形態も異なることがわかると思います。
前回エイザン×ヒナ②で扱った写真②
エイザンスミレは①②地点では確認されていません。③地点のエイザンスミレを見てください。
エイザンスミレ
⑥
⑦
①~⑦ 撮影日:2007.4.15 撮影地:関東地方 撮影者:研究員A
同種でも生育場所ごとに葉の形態が微妙に異なり、また季節による葉の形態の変化もあります。スミレ類の場合は夏期大きくなります。
エイザンスミレとヒゴスミレのどちらも切れ込みのある葉ですが、切れ込みのある雑種を見つけた時はいずれかだと考えます。
花の説明を忘れているわけではないです。葉の説明しかしないわけではないですが・・・、、雑種の中でも、見分けるのが比較的簡単そうと思いきや、オクタマスミレは奥が深いです。研究員Aより
エイザンスミレやヒゴスミレの交雑種の場合基本的に深い切れ込みが入ります。しかし,エイザンスミレの仲間のヒトツバエゾスミレとの交雑種は切れ込みが入らないみたいです。
ただし,学名はエイザンスミレとヒナスミレの交雑でもヒトツバエゾスミレとヒナスミレの交雑でも同じになります。なんかややこしいですね。研究員Bより
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