目を瞑ったり、アゴに手を当ててみたり、机の上にある雑誌をぱらぱらめくってみたりしても「そこには何もなかった」。
「どうしたの?」
「いや、ブログになにか書こうかなって思ってるんだけど、何も思い浮かばなくてさ」
「じゃあ書かなければいいじゃん」
彼女の言うことは正しかった。
ネタがなければ書かなければいい。
「あんたがブログを更新しなくたってだれも困らないよ」
その通りだ。
「誰も困らない」というのは異様に説得力がある。
ブログにしろ、絵にしろ曲にしろ、小説にしろ、そういうものは、
なくても誰も困らないのかもしれない。
「でも、なくったっていいけど、それを見たり聞いたりすることでなんらかのスパイスになるかもしれないよ」
でた!!
スパイス!
刺激という名のスパイス!
言っていることは分かる。でもなんとなくその喩えが恥ずかしく感じるのはなぜだろう。
ま、いっか。
スパイス了解!
「でもあんたの文章じゃなんの刺激にもならないけどね。
あたしお買い物いってくるからあとよろしく」
そして姉やんは最近買ったバッグを持って出て行った。
音を立てて静かになったドアを眺めて、パソコンの画面に視線を戻す。
アゴに手を当てて目を瞑ったりする。
ああ、テニスでもしたいなぁ。
注:テニスは一人ではできない!
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