聞こえてくるザッザッザッザッという軍靴の響きを、幻聴か、
幻覚か、そら耳か … はたまた現実のものなのかどうか
… と、その判断が付き兼ね迷っているように感じるのは、
見当違いの錯誤や錯視や錯覚なのでしょうか
パレスチナ情勢が緊迫して以来というもの、欧州各国の
反ユダヤ活動が深刻なレベルにまで達しつつあるのは、
イスラエルのガザ攻撃に反発する意味での自然な流れと
いうか、一般的小市民の反射的な拒否反応なの
かもしれないと思われたのですが …
豈図(あにはか)らんや、拒否や拒絶ではなく、
ユダヤ人を虐殺したナチス・ドイツを支持する意見が公の
場で披露されたり、ユダヤ系市民への暴力も頻発している
となると、安直に当然の成り行きなどとして得心するわけ
にはまいりません
イスラム教徒が主体のこうした動きがネオナチなどの
極右勢力を刺激しかねず、関係各国は警戒を強化している
ようですが、反ユダヤ的な落書きや嫌がらせは増える一方
で、英メディアによると7月に入ってからはユダヤ系市民へ
の暴力が英国だけで約100件発生し、7月26日にロンドンで
行なわれたイスラエルに対する抗議デモでは、一部ですが
「ヒトラーは正しかった」
とユダヤ人の虐殺を正当化するプラカードが堂々と
掲げられていたそうです
欧州最多のユダヤ系住民を抱えるフランスではユダヤ系
商店が放火されるなど、不穏な空気が広がっており、ドイツ
ではイスラム教の宗教指導者がユダヤ人を殺害するべき
だとする過激な発言もありました
フランスメディアによると、こうした空気を嫌いフランスから
イスラエルに移住するユダヤ人の人数が昨年から急増して
いるとのことです。
ユダヤ系団体「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」の
欧州支部幹部は 「これまでに経験したことのない反ユダヤ
の爆発が起きている」 と警鐘を鳴らしていますが …
シオニスト組織である彼らだけに限れば自業自得の
感がしないわけでもないのです。
それと言うのも、
「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」
(SWC)は、「マルコポーロ廃刊事件」や南京虐殺事件
を題材に偽りの「ザ・レイプ・オブ・南京」を書いたアイリス・
チャンをサポートしたり、週刊ポストやテレビ朝日の報道に
対して謝罪させるなど何かと日本に圧力をかけてくる連中
が組織する団体で、創価学会や統一教会とのつながりだけ
でなく親中反日が顕著なシオニスト・グループなのです。
それはさておき、
世界中で右傾化の兆候が見られるのにはグローバル化
する世界への反発と反動がその背景にあると思われます。
5月下旬のEU欧州議会選では、極右、国民戦線(FN)が
フランス最大の勢力となるなど反欧州連合(反EU)の勢力
が台頭し、冷戦終結から四半世紀を経て従来の既成政党
に衝撃を与える選挙結果は、世界像や世界情勢の大きな
変化を印象付けるものとなりました。
俗に、「人」 「物」 「金」 「情報」 が経営上の必須アイテム
といわれますが、20年前には考えられなかったほど瞬時に
それらは国境を越え、国に縛られないグローバル企業群や
国際金融資本が時として国家をも超越するほどのパワーを
発揮して世界秩序に介入し加担して世界経済を震撼させる
わけです。
ロシア系住民が多い南部クリミヤの編入・併合を強行した
ロシアのプーチン大統領を欧米各国は非難し、制裁を課す
ことで一致していますが、単なる価値観の相違以上にこの
問題は深刻なのです。
これからの世界の対立軸は2号の言うようにナショナル
(国単位)でまとまるか、グローバル(地球規模的)な視点で
運営・運用されるかの凌ぎ合いで、一方では冷戦で敗れた
もののエネルギー開発で復活したロシアを中心とする国家
主義的なイデオロギーを標榜する一群と、他方では米国を
中心とする広域的なグローバル経済を旗印に席巻しようと
する拝金的な進歩的覇権主義との対立であって、形こそは
違えども、同盟国と連合国に分かれて戦った第一次大戦と
枢軸国と連合国に分かれて争った第二次世界大戦を彷彿
させる状況にあるのです。
これにはサミュエル・P・ハンチントンの言う
「文明の衝突」的要素もそのなかに含まれます。
区分された文明圏はエリアごとに7~8のザックリとした
グループに分けられますが、唯一、日本一国のみが孤立
した文明として オンリーワン とされていることには、
どこか誇らしささえ感じますが …
実際には鼻つまみ者(変わり者)として、つま弾きされて
いるようなものなのです

とは言っても、
1945年以降の米国中心の世界秩序は多角的制度設計で
フランチャイズ的に他の国々にもその支配力の共有を認め
ることで、自由主義的秩序を発展させてきました。
真っ先にそれに飲み込まれた国が何を隠そう日本である
ことはいうまでもありませんが、フランチャイジー(加盟国)
に対するフランチャイザー(米国本部)の呪縛は容易には
解けません
個人的にはそれを解こうとしてなにかと思案を重ねている
のが、安倍首相であるような気がしてならないわけですが、
中国やインド、その他の新興国がこの秩序に取り込まれて
いくことはないだろうし、相対的に衰えを見せ始めた米経済
にそれを押し進めるパワーがあるとも思えません

グローバリズムは国境や障壁をなくして、世界がひとつの
価値観で秩序づけられるような幻想を抱かせますが、国家
や人間としてのアイデンティティーを失った単なる消費者や
追随者を大量に生み出すだけの間違った世の中に変えて
しまう危険性を孕んでいます。
端的に言ってしまえば、
一握りの支配者と大勢の奴隷たちという構図です
先の極右とされるFN(フランス国民戦線)の政策は、
国民経済を守るための政府による介入及び文化や伝統を
守るための移民規制など … 単純に「右」か、「左」か、
では分けられないような施策を訴えています。
対極にあるのは拝金主義に冒され、自己のルールを押し
付けてくる米国的なグローバリズムです。
そしてそれを裏で操っているのは、ユダヤ国際金融資本
であることは周知の事実です。
だからこそ、
「ヒトラーは正しかった」 などという妄言が
生まれてくるわけですが …
そうしたナショナリズムが漸次拡大してくる背後には言い
知れぬ危機意識が深層心理のうちに醸成されているわけ
で、大まかに言えば、かつてのナチス・ドイツの台頭
やファシズムにも同じ原理が働いていたわけです。
こうした国家主義的なナショナリズムが日本や東アジアや
世界各地で顕在化して、100年前や70年前の世界の情勢と
相似的に推移するのは、まさしく「歴史は繰り返す」
という不気味な「戦争の影」を予感させて、心は激しく
動揺するわけですが、酷似することが必ずしも戦争に
つながるとは限りません。
悪いことばかりではないと思われるのは、
中国やインドなどの台頭で多極化する世界の経済圏内で
「ナショナル勢力」が増えれば増えるほど
グローバル化の歯止めとなるわけで、各国が独自性のある
国益追求政策を採用すれば、それが「力の均衡」
を生むバランサーとなるはずなのです。
それと、もうひとつの福音は別の意味での
「パワーバランス」の転換です。
欧米諸国が代表する西側からロシア・アジア地域を中心
とする東側へのパワーの移行と世界的な情報革命による
「情報パワー」の拡散です。
ところで、
「ヒトラーは正しかった」のか
ということですが …
ヒトラーが正しかったのは、本当の敵がどこにいるか
を知っていたことです。
知ってはいたのですが真の敵に対峙することは
できなかった。
真の敵とは己の心の中の悪魔 だった

それをそっくりそのまま
イスラエルのネタニヤフ首相に
贈ってやりたいと思います