透明人間たちのひとりごと

遠い記憶のでんぐりがえし

 昨日、靴を洗いましたsymbol3

 田んぼに入ったためにかなり汚れたまま「今度洗おう、今度洗おう」と思いつつもほっておいた黒いスニーカーfootmark2

 バケツに洗剤を入れてゴシゴシase2

 靴を洗うのなんて何年振りだろうyellow3

 中学生までは毎週ウワバキとかスニーカーを洗っていたkirakirakirakira

 今日は、そんなお話yellow21

 それはまだ僕が分数の「ぶ」の字も知らなかった頃yellow16

 幼稚園だったのか、小学校の低学年だったのか、記憶は定かではないsymbol5

 その日は日曜日。

 朝起きて、靴を洗おうとした。

 靴を洗うためにいつも使っているバケツがあった。

 赤いバケツtomato

 その日、そのバケツの中には役目を終えた花火たちが詰め込まれていたitem1item1explosion

 昨晩花火をしたためだ。cat2

 まず、その水を捨てに行き、中のものをゴミ箱にいれなければならないyellow22

 そうして僕は玄関をあけた。


 その当時、僕らは二階建てのアパートに住んでいた。

 理由は分からないけど二階の一番端が「うち」だった。

 半分寝ぼけながらバケツを持って「下」に向かうyellow15symbol6

 階段を2つくらい下りたところで視界が揺らいだpiyopiyo

 訳がわからないままぐるぐる回るufodokuroazarashisymbol3item3

 足とか頭とか背中がドカドカする。

 それも止まると、つぶっていた目を開けたkirakira2kirakira2

「おお、あっというまにしたについたpeace

 ラッキーと思ってバケツの中の水を捨てに行こうとしたyellow5

 からっぽだったyellow10symbol6。しかもバケツの取っ手が壊れてしまっていた。

「あれ? ああ、ぼくこけたんだ。たぶんそんときにみずがこぼれたんだな」

 取っ手を直さないとお母さんに怒られるな、でもわざわざ水を捨てに行かなくていいんだからラッキー♪ とか思っていると、不意に頭が濡れていることに気が付いたase

 あ、もしかしてこぼれた水を頭にかぶっちゃったのかな。

 そう思って、濡れた頭を触ってみた。

「あ、れ?」

 手が赤かった。

 寒気を感じ、額から頬に何かが伝うのを感じた瞬間、それが「血」ということに気が付いたpika

「あ、……いたい」

 さっきまでは「ラッキッキー♪」とか思っていたのに、血をみた瞬間から頭にじわじわ痛みが滲んできたyellow20

「いたい、……いたい」

 パニックになった。

 どうしよう、バケツこわれちゃった。

 とりあえずなおさないと、あれ? ハナビはどこにいったのかな。

 ちゅうしゃじょうにおちたままだったらおこられるからひろわないと。

 でも、足が動かないase2

「いたいよ。 いたいよ」

 最初僕は「おかあさん、おかあさん」と呼んでいた。

 でも、気づかないみたいだった。

 そして僕は大声で泣いたpika

 出せるだけの精一杯の声で泣いた。

 自分の存在をわかってもらおうと必死で泣いた。

 向かいのおうちのおじさんがきて、お母さんを呼んでくれた。


 とりあえず頭にタオルを巻いて僕は車に載せられたtaxisymbol5

 頭はいままで味わったことのない痛みだったのに、頭の中ではまったく陽気なことを考えていた。

 頭から血が出てる。これはもしやカッコイイかもしれないyellow16。悟空と同じだ! やばいなぁ。お母さんはなんか慌ててるけど、たいしたことないぜ、もしかして、この情景はあれかな。子供が夜中熱をだして、親がおんぶして必死で病院のドアを叩いているのと同じ状況なんじゃないかyellow25。やばい、テレビみたいだぁ。明日学校にいったらみんなに言おう。包帯を頭に巻いて、「たいしたことなかったぜyellow24symbol6」っていおう。

 まったくかわいくない子供であるfukidashi

 きっと、とりあえずお母さんが来てくれたから安心していたんだと思うcat

 病院につくと、少しだけ意識が朦朧としていた。

 覚えているのはベッドの上。

 横を向かされた。

 ちょっとチクッとするよ。と、言われて麻酔を打たれた。

 その後は頭を縫合されたのだけど、なんとも不思議な感覚だった。

 痛みはない、でも、糸が通るのが分かる。

「気持ち悪かったらいってね」

「だいじょうぶ」

 よし、明日みんなに言おう。「あたまぬったんだぜ、へんなかんじだった」

 ヒーローだ♪


 何がヒーローなんだろうか。

 結局あたまを縫っただけで終わった。

 その後数日間、僕は頭に包帯を巻いて学校(か、幼稚園)にかよって、自己満足なヒーローになっていたyellow19kirakira2

 みんながどう思ったかは知らない。




 靴を洗い終えて、日向に乾したitem3

 遠い昔のことを思い出していたけど、とりあえず生きていてよかったんだと思うgood

 階段から落ちたくらいで子供は死なないと思うけどyellow7

 しかし、なんだか長い文章になったsymbol6symbol6

 もう、階段からは落ちないぞ!saboten


 
何年振りかのアパート(マンションではないpar
注、新幹線が通るたびに揺れていた。(今は知らない)

コメント一覧

japan-aid
 なんか「強い子」になりそう♪

 想像しただけで痛いですもん(:;)
玲凜
ちゃんとこの場合は病院に行きました(笑)
只、総合病院だったので時間外、救急なのでしかも時間がない!と母が伝えたのだと思われかなり荒技な事になりかねない事態のまま数分後には実家に向う新幹線の中でありました。…怪我位で母方のしきたりに反する事はございません。(^-^)v
japan-aid
>玲凛さん
 
 サバイバルしてますね。
 何で縫ったのかも気になります
 …裁縫用の糸?((゜д゜ll))

 僕だったらちょっと生きていけない世界ですね……。
 玲凛さん。
 とりあえず生きててよかったですね。

 
玲凜
私は小学生(中学年)の時、自分の身長より遥か高い鉄棒で前転をしていて勢いがつき過ぎ片手が離れてそのまま鉄柱に向けて頭から(除夜の鐘を鳴らすが如く)ゴ~ンと行きました。…当然、出血し周りの皆は騒いでいましたが、私は痛みより「ちょっとクラクラ?」と「大丈夫」と頭から血を流しながら言っていた所、母親が血相を変えて向えに来て言いました。
「今、お祖母さんが亡くなったので至急、実家(母の実家は新幹線で6時間位だったような…)に帰らないと行けない!!…こんな時に貴方(私)は何をしているの!」
とかで頭、麻酔なしで縫って包帯グルグル巻き&ネット付きになった記憶があります。
基本、我が家はサバイバルな家庭的であり、唇を運動会前に縫ってかなり不自由を感じたり「あざ」「切り傷」「擦り傷」は当たり前でしたので(病院通院もしていましたし)自己責任として何かあっても判断&行動をすることになっていましたので…泣いたりしたのは「大人」になってからですね。………。

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