透明人間たちのひとりごと

帝道・王道・覇道

 国連総会での野田首相の演説に中国が反発して激しい
反論の応酬が展開されたとのニュースを聞いて、国連での
口撃合戦(口喧嘩)に端(はした)ないと眉をひそめる輩が
いないわけではありませんが、言うべき主張は毅然として
堂々と主張すべきだと思います。

 ただ、相手が中国だけに下手な深入りは禁物です。

 相手の土俵にあがってしまったら日本の負けですから …

 それにしても

 尖閣を 「日本が盗み取った」 とは …

 国連を舞台にしてよくも言ったり、 恐れを知らない中国の
楊外相の物言いに思わず 「片腹痛いわexclamation2
と、ボソッと呟いてしまいました。

 良くも悪くも、それが中国という国家なのですが …

 先のブログ記事 『大人の知恵は玉虫色』 は、
5号 の担当紙面であったのにもかかわらず、その大半に
私、1号 の意見を挿入するように強要しました。

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/273.html(参照)

 正直、パワハラだったと反省しきりなのですが、この時期
(尖閣をめぐる日中対立が激化中)だからこそ率直に言って
おきたいことがあったのです。

 しかし、やはり口述筆記のようなタイプでは、5号
プライドが許さなかったのでしょう nose6anger

 若干の内容が割愛、省略されていたので補足いたします。


 今回の国連総会での一般討論の演説内容を聴くまでもなく
暴徒化した反日デモを中国政府が力で封じ込めたとの印象
を交際社会に与えつつ、一方で尖閣諸島に関しては、尖閣
海域での天気予報の開始や魚釣島(中国名:釣魚島)以外
の島に名前をつけ、尖閣周辺の海図を国連に提出するなど
ありとあらゆる手段を駆使しての総力戦を展開しているのが
中国という尋常ならざる国家の姿なのです。

 これは日本政府による尖閣諸島の国有化に対抗する手段
などではなく、以前より準備されシミュレーションされていた
中長期戦略からブレイクダウンされた戦術の一環です。

 こうした領有権を主張するための国際舞台での素地づくり
の宣伝工作をはじめ、今後、尖閣諸島に行政区を設置する
など、これからさらに日本を窮地に追い込んで領土問題を
俎上に載せ、国際的な議論の拡大を狙うもので日本と雌雄
を決するという断固とした腹づもりがあっての行動なのです。

 それは現中国に限らず脈々と代々に渡って受け継がれた
中華思想(覇道)の血脈、故の仕業でもあるのです。

  覇権国家=中華思想 とは、

 一般的には自分たちの文化が最高で天下の中心に自国
があって、それとは異なる周辺の国家や異文化を侮蔑する
考え方で、周辺国家は中国に服従してその文明の恩恵に
あずかり、教化されるべきであるとするものです。

 こうした他国を蔑視する思想は、元々は儒教の王道政治に
由来して形成された不遜極まりないものなのです。

 もちろん儒教そのものには何も罪はなく曲解した考え方に
問題があったわけですが …

 儒教では、天子(王)がその徳によって人民をあまねく教化
することを理想とするために、王の暮らす中華の土地は当然
のこととして、辺境・塞外(さいがい)の地であっても徳による
教化が及ぶはずであり、たとえ現在は周辺の諸民族である
夷狄蛮戎(いてきばんじゅう)であっても、いつの日にか
中華の文化に同化すると考えていたわけです。

 ですから中華思想が異文化の存在を認めるのは、他民族
の異なる文化に独自の価値を認めるからではなく、あくまで
中華文化に同化する可能性を見い出す場合に限るのです。

 つまり、自己を天下で唯一の中心だと考えるわけですから
隣接する対等の国の存在を認めることはできないのです。

 結局、外国からの使節にしても、中国(中華)を敬い慕って
「朝貢」 するという姿勢や形式を取らない限り、なかなか
受け入れることができないのです。

 ところが、そんな中国(漢民族を中心とする周辺民族)が
異民族に支配された歴史があるのです。

 直近では、中国人が 「夷狄」 と称して軽蔑視していた
東夷である日本と13世紀の北狄(蒙古)です。

 さらには近代以降の列強による中国領土の利権の分割
なども、それにあたるのかもしれません。

 中国人が野蛮な異文化をもつ民族だと排除し見下していた
「夷狄」 や西洋人たちに支配されるという屈辱感は相当
なものだったでしょう。

 そうした境遇に身を置き、理不尽な命令にも従わなければ
ならなかったことは現代の中国人のDNAに何らかの影響
を与えているのかもしれません。

 しかも、記憶に新しい屈辱を招来したのが「国恥の日」と
される柳条湖事件(1931年9月18日)で、その加害国こそが
辺境・日本であり、その後の日中戦争による被支配の体験
に基づく怨念は著しく凄まじいものだったことがわかります。

 ですから、彼らが日本のことを 「小日本」 と蔑称する
のも余りある思いの果てのことなのです。

 なにせ 臥薪嘗胆 を生んだお国柄ですから、復讐や
報復の念は途方もなく大きく永く維持されるのです。

 さて、

 こうした王(為政者)の徳を前提にした文化的な同化思想
が形成されたのは春秋(BC8~BC5世紀)以降の戦国時代
(BC5~BC3世紀)から秦・漢の時代にかけてのことです。

 秦が史上初めての統一王朝を成し遂げる礎となったのが
始皇帝から遡ること100年前の弱小国時代の秦で活躍した
商鞅(衛鞅)による強力な法治国家づくりにあったのです。

 『史記』 の逸話だと思いますが、秦の考公の求賢令に
応じて商鞅が考公に拝謁した際に、最初は「帝道」について
説いたところ、考公は居眠りをしてしまったのです。

 次の機会には、「王道」について説いたのですが、考公は
退屈そうに聞き流していました。

 最後に、商鞅が「覇道」について説くと、考公は身を乗り
出して聞き入り、「我が意を得たり、これぞ我が道である
と欣喜雀躍(きんきじゃくやく)したそうです。

 
 「帝道」にも「王道」にも興味を示さなかった考公について
商鞅は推薦者の景監にひとこと「惜しいかな」とつぶやいた
そうですが …

 その後、商鞅は考公の意に沿うように「覇道の法」
を編んだのです。

 「覇道の法」 とは、とにかく中央集権化を加速して国力、
経済力、軍事力を高めるためのもので強力なる法治国家
として徹底的に人民を管理したわけです。

 なんだか、共産党の一党独裁が闊歩する現代の中国を
見るようでもありますが …

 ところで、商鞅が秦の考公を評して、「惜しいかな」 と
言ったかどうかはいささか疑問の残るところです。

 史記を編纂した司馬遷からして 「宋襄の仁」 の宋の襄公
を仁義に厚い人物と評価していることからも、その心には、
「帝道」「王道」 こそが価値ある 正道 (政道)
であるとする思いがあったはずです。

 あえて、商鞅や考公を擁護するとすれば、戦国の世にして
徳治の適わぬ時代においては 「覇道」 以外の選択肢
はなかったのです。

 商鞅が、「帝道」「王道」 を説いたのは、考公の
人物と現状認識を確認するためのもので、古(いにしえ)より
の法を改革する確固たる意志と覚悟を見極める手段として
の方便でもあったのです。

 ちなみに、

 現代において王道的国家と言えば、スカンジナビアの諸国
(スウェーデン・ノルウェー・デンマーク)にオランダやイギリス
などが思い浮かびますが、帝道的国家と言うとやはり日本を
おいて他にないでしょう。

 「帝道」 というよりもむしろ 「皇道」 と表現した方が
いいのかもしれませんが …

 正直に言えば 「皇国、神国、日本」 と叫びたい
ところなのですが、その実態は 「アメリカの属国」
に甘んじてるわけで、商鞅や考公の時代の魏や斉に対する
秦と同じようなものなのです。

 つまり敗戦後70年を目前に、日本の法=憲法
改める時期に来ているということなのかもしれません。

 それは平和憲法を棄てるという意味ではなく、最終的には
和の精神と共生思想を貫く民心に醸成される日本のような
精神性の高い文明が広くあまねく世界中に繁栄して欲しい
ということです。

 9月29日は日中両国が国交を正常化してから40周年という
節目となる祝いの日になる筈でしたが、日中両国の対立は
さらにエスカレートして長期化するのは否めません。

 言わばこうして、日中両国にとっての最悪の時節をここに
迎えたのも …

 6年前に戦後レジームからの脱却を掲げて首相となった
安倍晋三元首相が自民党の総裁に帰り咲いたのも …

 何かの (えにし)のなせる業なのかもしれません。

 朝令暮改を繰り返し、中国の強弁に右往左往するだけの
民主党政府を尻目に 右往右往 しつつある状態にある
と揶揄される自民党ですが …

 
 いまは、ただ、

 新生 皇国日本

 の誕生を願うばかりです。

 このように書くと右翼的だと指弾されそうですが …

 生粋のノンポリゆえ誤解のないように

 中国の狂気じみた暴言・虚言・妄言を聞くにつれ
、迷わずにそう思わずにはいられなかったのです nose4ase2  

コメント一覧

餃子ライス
「表の顔と裏の顔」も読みましたけど、アインシュタインの言葉(予言)を載せちゃ、やっぱ皇国史観ベースだと言われますよ!
右向けモトイ
そう思わずにいられなくなるようなナショナリズムが恐いんですよ。
出足が好調なだけに、「右向け右」の安倍首相の行く末が不安です。
来年もノンポリスト?
私もノンポリですが、ノンポリというポリシーはないのだろうか?
選挙で白票を投じる無言の意思表示のような…
きょうは大晦日です。  皆さん、良いお年を!
星四つです
大上段に「皇国日本」を謳っちゃ、誤解されるでしょう。
「天皇陛下バンザイ!」ですから…

ただ、陳腐化して有名無実と化している憲法の改正は必要です。
チャイナロック
今の中国を知るうえで「復讐の春秋―臥薪嘗胆―」も大いに
参考になりますよ。
ココナン
GyaO!で無料配信中の「大秦帝国-QIN EMPIRE-」
というドラマ、なかなか面白いですよ!
同時に配信中の「大漢風 項羽と劉邦」はチンケだけど…
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