某ロックバンドの公式サイトに流れ着いてしまったわけ
ですが、そこで思わぬネタを拾うことになろうとは …
「犬も歩けば棒に当たる」の場合の棒 が
ここでは棚からの「ぼたもち」になったのです
「本当に、いままでどうもありがとう。
そしてまた会おう! ララバイ !! 」
これのどこが「棚ぼた」なのかと言うと、
文脈から察するに、さよならコンサート(ライブ)のあとの
ファンへのメッセージ・ブログだったようで …
バイバイ(Bye-Bye)のつもりだったのでしょう
![peace](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/peace.png)
「Good-bye」=さよならでカッコよく締めるはずが、
「そして、また会おう! 子守唄 !! 」
と、ばかりに、ビシっと決めてみたわけです
ララバイ といえば、
「ララバイ ララバイ おやすみよ、
ギザギザハートのこもりうた」
![symbol7](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/symbol7.png)
チェッカーズの『ギザギザハートの子守唄』
がすぐに頭に浮かびますが、それももう30年も昔の話 …
「ララバイ」の“ララ”はいつのまにか接頭語
または強調語と化して、
バイバイ(Bye-Bye)を強調して接頭化する“超”に
匹敵するニュアンスを獲得していたのです
拙稿『暴走万葉仮名ネーム』にも、ご登壇を
いただいた“ララ桜桃(さくらんぼ)”ちゃん、と
同じようなノリだったのでしょうか
![exclamation](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/exclamation.png)
さて、
子守唄 = ララバイ(Lullaby)は英語ですが、
その語源についてはいくつかの説があるようです。
ひとつは、16世紀の中頃、Lull (穏やかな)という言葉と
バイバイ(Bye-Bye)の連続から生まれたとする説 …
もうひとつは、ヘブライ語の 「リリス アバイ(Lilith-abi)」
で、英語で書くと「Lilith be going」 となって、意味
は「リリスよ、去れ」ということになります。
悪魔とされるリリスから子供を守るユダヤ人(母親)たち
が唱えた呪文が「リリス アバイ(Lilith-abi!)」で
、伝統的に新生男児の割礼の時に、リリス(複数でリリン)
から身を守るために首のまわりに“3人の天使”の名前が
書かれた護符を置く習慣があったといいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/a3/aa5d023342284d497d20c8c968fc9d86.jpg)
それを裏付けるかのような遺物が、アルスラン・タシュと
いうシリア北部にある遺跡で見つかっています。
護符のように使われていたとされる皿状の遺物は中央に
描かれた悪魔の周りをアラム語の呪文で囲って悪魔を呪縛
することを象徴していて、その悪魔として描かれているのが
リリスであり、その昔、幼くして子供が死ぬのは彼女の仕業
だとされていたわけです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/e1/c00960b71647738372f09e4451437d7a.jpg)
同じような呪文の皿は、メソポタミアやイラン地方で数多く
発見されており、大抵はインクを使用して中央にリリスを
想定した悪魔が描かれていました。
日本語の「子守唄」の“子守り”には、子どもの
世話をすることが第一義で、あやしたり、寝かしつける際
に歌われるものというイメージですが、案外、本当の意味
としては子どもを悪魔(災難や災禍)から守るためのもの
だったのかもしれません。
とは、言ってみたものの、
歌詞を見る限りでは大抵の場合、“子守り”ではなく、
守り役の守り子の“嘆き歌”という感じですが …
まあ、それはそれとして、
NHKで放送されていた『まんが日本昔ばなし』の
「ぼうや よい子だ ネンネしなぁ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/ee/58929f51f782a2b7163c19e7842042bb.jpg)
でんでん太鼓を持ったわらべが龍に乗って、空を翔る
オープニングも今思えば、実に、意味深です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/6a/0c812e1cebbaaaf2f55bc141e90fbb59.jpg)
なにせ、ドラゴン(龍)は西洋ではサタンなのですから …
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/67/327050b7876b7fb7c58779ef08d0f4b1.jpg)
ところが、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/cd/decfa94f0d3fad3d056b71412800b33a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/90/a08ab194235c1f30c329a48aa6793c05.png)
東洋や日本での龍(ドラゴン)は、この昇り竜のような
縁起のよい翔龍であったり、龍神(水神)として崇拝
される存在で、中国では皇帝の権威であり象徴です
し、神の化身や神獣やアニメ 『ドラゴンボール』
の「神龍(シェンロン)」でもあったりするわけです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/d4/21c84725daedc059d0d3aea9a6afb242.jpg)
何にでも神が宿ることに違和感のない半面で、
西洋人に比較して、不信心極まりないかぎりの
日本人にとっては 「困った時の神だのみ」で、
何かに窮してどうにもこうにもままならない時だけの …
言わば、緊急事態時にのみ、その存在にスポットライトが
当てられ脚光を浴びるのが人格神としての「神」という
ものの宿命というか、存在理由(レゾンデートル)
なのかもしれませんが …
さて、
前回の『堕天使』の稿で、天使長であるルシファーが
堕天した理由のいくつかを列挙してみましたが …
![exclamation](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/exclamation.png)
個人的には、そのいずれをも採用するには問題があり、
得心を得られるものではありませんでした。
それはキリスト教世界での通説であり、常識だから
ですが、敢えて選ぶとしたら、“自尊心”とは不可分の
「ロスト・プライド説」を採りたいと考えます。
かつて、
「光を運ぶ者」、あるいは「暁の子」、「暁の星」と呼ばれ、
「光の運び手」とされた天使が、人間に跪くよう「神」から
命じられたときに、土の塵から造られたアダムやエヴァに
「跪拝(きはい)など出来ない」 と叛意を固めたわけで …
「炎の子である天使たちは、塵の子である人間どもに
膝を屈するべきではない」と叛逆を決意した誇り高き天使
だと思えるからです。
それを言い換えてみれば、自惚れであったり、増長である
と指摘されることになるわけですが、どうもそれらは都合よく
後付けされた屁理屈のような気がしてならないのです。
あとづけの論理と言ってしまえばそれまでですが …
このあとに
「神」への復讐を意図してエヴァに近づく蛇となり、
“神の計画”を台無しにする「神」の敵対者と
してのサタンにされるのが通説ですが、
同時にサタンとされるルシファーは人間に対し、限りない
可能性を見出していて、光であり、炎である智慧を
与えたギリシャ神話のプロメテウスと楽園でエヴァに
禁じられていた善悪を知る木の実を食べるように仕向けた
蛇に化身したサタン(ルシファー or リリス)とは、人類
の進歩への貢献という意味合いにおいて同等である
と考えるわけです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/da/c7d9bc23a07f0272c85e8b5ffc04fd72.jpg)
『火を与えるプロメテウス』 ハインリッヒ・フューガー 作
純真無垢で疑いを知らず善も悪もない、ただ永遠の服従
と従属の“かごの鳥”を大空に放ってくれた存在 …
それが暁の光の天使(悪魔)ルシファーである
と、ダ・ヴィンチには思えたのではないでしょうか
彼の最後の作品とされる『洗礼者聖ヨハネ』の
訴えかけるような悪魔的にも見える目の表情と首を傾げて
天を指差す不思議なポーズの裏にはそうした切ない想いを
酌んで欲しいと期待するレオナルド・ダ・ヴィンチの究極
のラスト・メッセージにも思えるのですが …
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/4e/19694ed83403414fd41be69ab9bed006.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/28/5362113d2b489aa7d0690db03118c4ca.jpg)
「神」は、
何故に、人間と天使との間に主従関係を求めたのか
何故に、イコール・パートナーでは、いけなかったのか
「神」の狭量に納得がいかないのです。
聖書では、悪魔の王にして、地獄の大魔王サタンとされ、
ギリシャ神話ではゼウスの命によって捕らわれの身となり、
獄につながれハゲワシに毎日、はらわたを引きちぎられる
という責め苦を受けるプロメテウス
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/4f/0aed09c49cef41cc48593664525d8d6d.jpg)
『縛られたプロメテウス』 ギュスターヴ・モロー 作
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/44/1da801a2a8a0281547f2b8c554a5b2f8.jpg)
オリンポスの神々の間で、最初に人間を造ったとされて
いるのがプロメテウスですが、
異母兄弟のゼウスの全能の力に反逆して、粘土と水で
人間を造り、ゼウスの稲妻から火を盗んで人間に与えた
とされています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/e7/dbaf6324b0dc76702738cdb20f94b813.png)
ゼウスの雷(いかずち)から火を盗むプロメテウス
![question2](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/question2.png)
地獄の底で半身を氷漬けにされたままに永遠の幽閉を
託(かこ)つ、ダンテの『神曲』地獄篇にあるルシファー
のように、彼もまた、生きながらにして半永久的な拷問
として、毎日ハゲタカ(ハゲワシ)に肝臓をついばまれると
いう責め苦を強いられます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/85/eb0a31913dd11a52804846c2423273ba.jpg)
なぜなら、不死であるプロメテウスの肝臓は夜中に再生
するので恒久的な甚振(いたぶ)りが延々と繰り返されると
いうわけです
![ase](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/ase.png)
半面においては、人間に火を与えたとして自らの内臓を
大鷲に食い破られつづけるというプロメテウスの苦しみは、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/c7/5be368a970a724b18d83cfb2cb2385b4.png)
『内臓を食いちぎられるプロメテウス』
「悪」なるを知り、武器(重火器)や原子力という
「第二のプロメテウスの火」とも言うべき力を
得た人間の永遠につづく苦しみをも連想させる話です。
神話ではヘラクレスがプロメテウスを解放して、ゼウス
との「和解」が成立しますが、キリスト教世界でのサタン
(ルシファー)と「神」との話し合い(歩み寄り)はもちろん、
妥協も調整も交渉も不可能で、「最後の審判」という
クライマックスにひた走るワンウェイ(一方通行)
には、インターチェンジもパーキングエリア(スポット)もなく
、当然 「和解」など考えられるものではありません
ところで、
この世界に悪が蔓延(はびこ)るのは、闇に落とされた
サタンの断末魔の所為だとクリスチャンは言いますが、
果たして本当にそうでしょうか
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/a4/c840ef6f3bf8546b2910059ee217537b.jpg)
人間に対する「叩頭跪拝(こうとうきはい)」にも
等しい屈辱的な命令が狭量なる「神」による天使たち
に仕掛けられた「神の罠」だったとしたら …
敢然として、「神」に立ち向かった光の天使
ルシファーは英雄(ヒーロー)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/4d/6f72f44729e2f0d27b319836db36aa34.jpg)
マリオ・ラピサルディの詩集 『ルチーフェロ』
そうでなければ、天界の3分の1に相当する天使たちが
真に、彼に付き従うものでしょうか
はてさて、
『リリス』という副題を打った割には、横道に逸れる
という悪癖がまたぞろ顔を出してしまい、リリス以外の話
に大幅に紙面を使ってしまいました
![ase2](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/ase2.png)
本当に申し訳もないのですが、
『リリス』につきましては、以下の記事にも詳しいので、
是非、そちらを参考にしてください
『アダムとイヴのへそ』の
![5](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/5.png)
![8](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/8.png)
![5](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/5.png)
![url](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/url.png)
![6](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/6.png)
![url](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/url.png)
![7](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/7.png)
![url](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/url.png)
![8](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/8.png)
![url](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/url.png)
但し、それでは、あまりにも不甲斐ないので、しっかりと
リリス絡みで締めたいと思います。
ダ・ヴィンチ自身による事実上のデビュー作である
『受胎告知』において、聖母マリアに捧ぐべく、大天使
ガブリエルが持参した白百合にタブーとされる“おしべ”
が描かれていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/71/f70a3c865b604c4d4f06ba1fe853f191.jpg)
これは、ダ・ヴィンチが精緻な描写にこだわり、正確さを
期すためのチャレンジであると同時に、いくつかの極めて
危険なメッセージを鑑賞者に送っているわけなのですが、
蓮(ハス)Lotus は、中東においては 「lilu(リル)」
という女陰をあらわす花の呼称で、それは「lily (ユリ)」
だと言われています。
ユリ(lily)は、シュメール・バビロニアの大地母神で
ユダヤ人からはアダムの最初の妻であると言われている
リリス(リリト) ― Lilith の花でもあったのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/c9/64a20c90ffcc6c443a62935287b7e7dd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/d4/b063e86cc29fae2a82983257b705ee1f.jpg)
『Lilith』 ジョン・コリア
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/42/de9a7815965b37d0f40d0cf8c436e303.jpg)
「リリス アバイ(Lilith-abi)だとよ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/69/4127aacb64b6e0277fa0d77c52d65e73.png)
「お前の正体が暴かれるのも時間の問題だな」
それでは、
「また次回に ララバイ !!」
… って、どういうこと ・・・