前回、「ユダの福音書」についてあれこれと考察
していたときに、ふと思ったのが「ヒトラーの予言」
とされる内容と妙にシンクロするというか、同調する解釈が
可能だということ以上に、気味が悪いほど「そのもの」
であると感じさせる記述が多いことに気づかされたのです。
ここで採り上げる 「ヒトラーの予言」 とは、米ソの
冷戦が終結する前の1988年(昭和63年)10月に出版された
『1999年以後』のなかで啓示される興味深い予言の
数々を指していいます。
『1999年以後』(祥伝社)五島勉 著は、
「大胆な仮説に富んだ力作である。アドルフ・ヒトラー
という実に奇怪な人物 を、単なる殺戮鬼、狂った
独裁者として分析するのではなく、未来を遥かに透視
する卓越 した予知能力者として捉え直している。
『ノストラダムスの大予言』以来、歴史の秘め
た謎に挑んできた五島氏は、独自な 『五島史観』 を
形成しようとしている。 それを愉 しむも、戦慄するも、
読者の自由である。 我々の未来に待つものを、執拗に
探求しようとする氏の情熱が、今、この一冊の中に展開
される物語を、じっくりと読んでもらいたい。 我々独自の
『史観』を語るのは、その後だ」 (1988年)
この本について
作家の菊池秀行氏は、そう述べていますが …
ヒトラーが語った予言的な言説にふれる前に、五島氏に
対して三島由紀夫が語ったというヒトラーについての見解
から、まず見てみましょう。
「ところでヒトラーね。 彼がやったことは世界中の人が
知ってる。 だけど、彼がほんとは何者だったのか誰も
知っちゃいない。 ナチの独裁者、第二次世界大戦の
最大戦犯、アウシュヴィッツの屠殺者、悪魔 ……… 。
これがいままでのヒトラー観だけど、ほんとはそれどころ
じゃない。 彼のほんとの恐ろしさは別のところにある」
「それは彼が、ある途方もない秘密を知っていたってこと
だ。 人類が結局どうなるかっていう秘密だ。彼には未来
を見通す目を持っていて、それを通じて、その途方もない
未来の秘密に到達しちゃった」
「… だから五島君。 もしきみが10年後でも20年後でも、
ヒトラーのことをやる機会があったら、そこんところをよく
掘り下げてみることだ。もしきみにいくらかでも追求能力
があれば、とんでもないことが見つかるぜ。 ほんとの
人類の未来が見つかる。 やつの見通していた世界の
未来、地球と宇宙の未来、愛や死や生命の未来、生活
や産業の未来、日本と日本の周辺の未来 ………。
なにしろ 『我が闘争』 の中にさえ、やつは未来の
日本や東アジアのことを、ずばり見通して書いてるくらい
だから。 まだ30代かそこらで、やつは、それほど鋭い
洞察力を持ってたってことになるよな」
※ 約1時間のインタビューの間に、三島由紀夫は、これ
以外にも五島氏に強烈なインパクトを与えた“ヒント”を2つ
授けたという。
1つは太古の日本民族と古代インドを結ぶ妖しい関係で
、また、そこから発展してくる人類の超古代文明全体への、
目くるめくような壮大なヒントだったという。
そしてもう1つが、「人間の死後と転生」について
の画期的なものだったという。
だからというわけではないでしょうが、
1号さんが解く 「三島由紀夫割腹事件」 の
真相(顚末)以外にも、そんな 裏事情(転生への誘惑)
が隠されていたのかも …
『過信と焦りの三島由紀夫』(参照)
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/298.html
… んなこたぁないでしょが、とにもかくにも、
1939年の1月に語ったとされるヒトラーの予言の中でも
「究極予言」と呼ばれる内容から紹介しましょう。
SS(ナチス親衛隊)の中でも、さらに超エリート集団に
属する「ニューベルンゲン復讐騎士団」のメンバーにのみ
語られた「最高機密の予言」なのだそうですが、
ここでヒトラーはナチスの敗北を予言しています。
先に敗れることを予告したらモチベーションに影響して
士気が萎えちゃう気がしますけど、とりあえずどうぞ
「… “2つの極”はますます進む。1989年以後、人間は
ごく少数の新しいタイプの支配者たちと、非常に多数の、
新しいタイプの被支配者とに、ますます分かれていく。
一方は、全てを操り、従える者。他方は、知らずしらずの
うちに、全てを操られ、従わされる者たち。
しかも進むのはそれだけじゃない。 人間がそうなるに
したがって、地球にも宇宙にも大変動が起こるのだ。
1989年以後、人類は宇宙からかつてないカタストロフィー
(大破局)が近づくのだ。
若いころ私は、『我が闘争』に、いずれ人間が大自然
から復讐されると書いた。それが1989年以後の状態だ。
人間が思い上がって 宇宙の自然を犯すため、宇宙が
人類に復習の災厄を下すのだ。 そしてそれが人類を、
想像を絶する究極の状態にみちびいていく。
私が生まれてから150年後、21世紀に来る究極に …。
私自身もそれを霊感ではっきりと見てさえ、信じられない
ような究極に …」
「…(20世紀末は)たとえ表面はデモクラシーや社会主義
の世であろうとも、実質はナチズムが支配していよう。
デモクラシーの国も社会主義の国も、われわれナチスの
兵器を競って使い、殺し合い、社会は私の望むとおりに、
強く支配する者と支配される多数者に分かれていよう。
それは天変地異の期間でもある。
人類は大自然から手ひどく復讐される。
気候も2つに分かれ、激しい熱と激しい冷気
、火と水、大洪水と大旱魃(かんばつ)が代わる
代わる地球を襲うだろう」
「だからその中から『超人(ユーベンメンシュ)』が
現われる。 もはや普通の人間ではそういう危機を制御
できない。 それに対応するため人類は超人たちを生み
、超人が世界や気候を、人間や戦争を治めることになる。
つまり転変地異の下に生きる多数者。 それを支配する
少数者。その影で実質的に世界を操る超人グループ。
これが、私の予知する21世紀の世界である」
「しかし諸君、さらに重大なのは、私がいま、これを話して
いる100年後のことだ。 それを告げるためにこそ、私は
今日を選んで諸君を招いたのだ。
今日から100年後といえば、すなわち2039年1月25日だ。
諸君にはわからないだろうが、そのとき人類には、真の
究極の状況が起こっている。
そのとき人類は― 少なくとも、いま言っているような意味
での人類は、2039年1月、地球からいなくなっているのだ」
「それは諸君、何かの異変か大戦か災害のため
に、2039年、人類が残らず滅びるという意味ではない。
たしかに、それまでに多くの大難が続けて起こる。
1989年から1999年まで、世界は続けざまの天変地異と
戦乱の中にあるだろう。 そのため一部の恵まれた国を
除き、多くの国が飢える。いくつかの国は崩れて燃える。
毒気で息絶える街もある。
2000年以後は、それが一層ひどくなる。
2014年には、ヨーロッパの3分の1とアメリカの3分の1が
荒廃してしまう。アフリカと中東も完全に荒廃する。
結局、いまの文明は砂漠しか残さない。
しかし人類はそれでも滅びない、わがドイツの一部と米ソ
の中心部、日本や中国は深い傷を負いながらも生き残る。
ただ諸君、それでも人類はいなくなるのだ。
いまの意味での人類は、そのときもういない。なぜなら、
人類は2039年1月、人類以外のものに“進化”するか、
そうでなければ“退化”してしまっているからだ」
「それをもっとはっきり言えば、人類の一部はそのとき、
人類から、より高度なものに進化して、神に近い生物に
なっている。 人類から神のほうへ進化するのだから、
それは『神人(ゴッドメンシュ)』と呼んで構わない」
残りの大部分は、これも進化なのか、退化というべきか
わからないが、一種の機械になっている。
ただ操られて働いたり楽しんだりするだけの、完全に
受動的な、機械的な反応しか示さない『ロボット人間』
になっているのだ。 それまでの気候異変と環境異変、
政治と娯楽と食物、それから起こる突然変異が、そのよう
なロボットのような人間を大量に生み出す。
神人のほうも同様で、同じ原因から生まれてくる。
ただ突然変異が大脳にプラスに働いて、進化の方向が
ロボット人間とは別方向になるだけだ。 その前段階の
『超人(ユーベンメンシュ)』 たちも、より進化して
神人になる場合がある。
いずれにせよ、彼らはいまの人間の数次元上の知能と
力を持つ。 彼らは団結して地球を支配する。 それまで
のあらゆる危機や問題は、彼ら神人たちの知能と力で
急速に解決されていく」
「ロボット人間たちのほうは、それに従って生きるだけだ。
これはある意味では気楽な身分だ。戦争も気候も経済も、
神人たちによって制御されてしまうので、ロボット人間たち
は神人たちの認める限度で、多くのものを与えられる。
食物も住居も、職業も娯楽も恋愛も教育も、時には思想
さえも与えられる。
ただロボット人間たちは、与えられ、操られていることを
意識できないようになる。自分たちの意識では、何もかも
自分で選択して勝手に生きているのだと思う。
しかし、じつは神人たちがすべてを見通して、管理工場の
『家畜』のように彼らを育て飼うことになるのだ。
こうして人類は、完全に2つに分かれる。天と地のように、
2つに分かれた進化の方向を、それぞれ進みはじめる。
一方は限りなく神に近いものへ、他方は限りなく機械的
生物に近いものへ。 これが 2039年の人類だ。
その先もずっと人類はこの状態を続ける。
そして恐らく2089年から2999年にかけて、完全な神々と
完全な機械的生物だけの世界が出来上がる。
地上には機械的生物の群れが住み、神々がそれを宇宙
から支配するようになるのだ」
「ナチスは敗れる。
第二次世界大戦で敗れる」
「しかしそれは、単に私の作戦が間に合わなかったと
いうだけだ。
我々が敗れようと敗れまいと新しい人類の歩みは進む。
超人へ。 脳と肉体の進化へ。 自己と世界を完全に
コントロールできる新しい種族。…… それが現われる。
ハーケンクロイツの日に現われる。
そのときナチスは甦(よみがえ)る。
全てに勝ち、すべては変わる。
その日こそ、人類はもう一度、
我々の前にひざまずくのだ」
以上は、『1999年以後』(祥伝社)からの一部抜粋
ですが、まだまだ、ほんのさわりです。
より詳しく知りたい方は、
「ヒトラーの予言(完全バージョン)」
を参照してください。
http://inri.client.jp/hexagon/floorB1F_hss/b1fha400.html
さて、
これのどこが『ユダの福音書』 と共鳴し、シンクロ
するのかというと …
2006年に解読を終えた『ユダの福音書』は、正統派
が忌み嫌うグノーシス的な異端の書です。
ユダの福音 というくらいですから、裏切り者のユダが
聖人とされ、12使徒も正統派のキリスト教会もイエスの名を
語り、人々を騙し惑わして、世界を破滅に導く偽りの支配者
であって、審判の日にはみんな地獄の業火に焼かれる
としているわけです
当然ながら正統派教会に受け入れられる余地のないもの
で異端の書とされるのも無理からぬ内容なのです
しかし、ポイントはもっと別のところにあるのです。
人間は、聖なる世代(または種族)と人間の世代(種族)と
に分かれていて、前者は不滅の魂を持ち、後者は肉体が
滅んだときに、魂も死ぬとしていることです。
前回の『裏切り者ユダの福音書』のなかで、
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/378.html(参照)
イエスがユダに裏切りを持ちかけ、
「他の者(12使徒および他の弟子)たちから離れなさい。
そうすれば、お前に神の王国の神秘を語って聞かせよう」
… と耳もとで囁き、さらには、
「すべての弟子を超えた存在になるだろう」
と、まるでイヴを誘惑した時の蛇(サタン)のような狡猾さ
を見せるイエスの姿がオーバーラップをされるのです
ユダはイエスに訊ねます。
「聖なる世代(種族)は、どんな実りをもたらすのですか」
イエスは言った。
「あらゆる人間の世代(種族)の魂は死ぬ。しかし 聖なる
世代(種族)の人たちは地上の時を終えても、肉体が死ぬ
のであって、魂は死なずに、天へと引き上げられる」
人間の世代(種族)の魂の死を、家畜化されて機械的な
反応しか示さなくなった『ロボット人間』に置き換えて
みると、天へと引き上げられる聖なる世代(種族)は、宇宙
からコントロールする『神人』だということになり、まさに
『ユダの福音書』 と「ヒトラーの予知」 した
未来とが、そっくりな状況を呈するかたちになるのです
ヒトラーの言う『超人』とは、突然変異による新生人類
(超能力者 ホモ・エクセレンス)を指すのでしょうか
そして
『神人』とは、本当の意味での神の子なのでしょうか
グノーシス的に言えば、
この物質世界は我々を肉体に閉じ込めておく邪悪な世界
で、救済とは物質世界から解き放たれて「天の家」に
還ることなのだそうですが …
『超人』と言えば、もうひとり「神は死んだ」とした
ニーチェが思い浮かびますが、
ヒトラーにしろ、ユダにしろ、ニーチェにしろ、どこか悪魔的
な人間にはなぜか我々を退屈させない魅力があります。
果たして、彼らは …
天国に行ったのか、地獄に堕ちたのか
いつまでも興味の尽きない人たちです
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