高校生の時小売店でアルバイトをしていました
高校生は僕だけ
店長さんは優しくパートの主婦さんたちや大学生のアル
バイトさんたちも良くしてくれた
中でも姐さんと呼んでいた女子大生のアルバイトは弟の
ように可愛がってくれて僕も慕っていました
ある日のことです
店に行き荷物を置きに休憩室に入ると姐さんがこの世の
不幸を一人で背負っているぐらいのオーラを発して座っ
っていた
ビビりながらどうしたのか尋ねると姐さん号泣
バイトに来る時に地下鉄で痴漢の被害にあったらしい
姐さんと呼ばれる人が号泣するのですから相当酷いこと
をされたのでしょう
当時僕は草野球を楽しむ仲間内の集まりに参加していま
した
学校の野球部にはついていけない落ちこぼれの集まり
でも野球が好きで野球を楽しみたいから集まった
同学年限定でしたが結構な人数です
下手でもバカにしないし手も足も出ない球を投げなない
優しい仲間たち
彼らに「バイト先の女子大生が~」と言えばマクドのセ
ットなど見返りがなくても協力してくれるでしょう
男子高校生ですからね
でもそうなると姐さんに再び辛い思いをさせることにな
なので却下
店長さんを交えた話し合いで僕が送迎することに
当時の推しが大手家電メーカーのイメージキャラクター
に起用された
当社指定商品五千円以上購入で非売品のポスタープレゼ
ントというキャンペーンが始まる
時給450円の時代
通学の交通費、昼食代、衣服代が自分持ちの高校生に五
千円はキツイ
真夜中自販機の前で300円の漫画のエロ本にするか6
00円の写真のエロ本にするか真剣に悩むほどでしたか
ら
何と貯まり五千円を握りしめお店に行きポスターをゲッ
ト
その直後に新たなポスターが発表される
膝から崩れ落ちましたが何とかゲット
ゲットしたポスターでしていることといえば~
ポスターがふやけないよう自分の唇が渇いているのを確
認してから推しの唇にチュー
それに比べたら姐さんの送迎は人の役にたっているから
交通費は惜しくない
しばらくしたら店長さんの栄転が決まる
一緒に来ないかと誘ってもらいましたが姐さんがいるの
で行けないとは言えない
言い難そうにしてたら察してくれて助かりました
新たにやって来た店長さんが最悪
王様気質で責任をパートやアルバイトに押し付ける
シフトの入っていない日曜日に今から来てくれと朝イチ
に電話をしてくる
嫌な奴
ウチの親も「勝手な人やな」と怒っていた
そんな日々に終わりを告げる日が来た
姐さんから大学の卒業と地元に帰ることが告げられる
前の店長さんなら送別会を開いてくれたでしょうが今の
店長さんには望むべくもない
姐さんと2人だけの送別会
高校生を居酒屋に連れて行くわけにはいかないと姐さん
のワンルームマンションへ
関西では胸を張って言える大学の生徒だけのことはある
なとおもう真面目さが感じられる部屋
京都以外の人のために書いておきますと京大ではありま
せん
飲んだことぐらいあるでしょうとお猪口を渡される
粕汁や粕漬けの匂いすら受け付けない体質でおとそすら
飲んだことがない
オッサンになった今も克服出来ていません
姐さんが勧めてくれるもんを断るわけにはいかないと飲
みました
アルコール自体飲みなれていないこともありスグに泥酔
状態
姐さんがいなくなると寂しいだの僕もバイトをヤメるだ
のと泣き言を言い泣き始める
姐さんの「好きな子ぐらいいるでしょう」に「そんなん
いたら姐さんの送迎してへん」と返答し号泣
「しょうがない子ね」と姐さんは僕を抱きしめた
そして泣きじゃくる僕の顔を両手で持ち上げチュー
それからは姐さんのなすがまま
高校生を酔っ払ったまま返すわけにはいかないと姐さん
の部屋に泊めてもらうことに
こういう時は男で良かったと思う
家に「友だちのことに泊まる」て電話するだけで済むの
ですから
そして姐さんが地元に帰ってから僕はバイトをヤメた
バックヤードの事務所ではなく衆人環視の店内で店長さ
んにヤメることを告げる
理由を訊かれた時ドストレートな言葉で言いました
そのせいで店長さんとの仲は険悪になりましたが~
生活のために言いたいことも言わず我慢して働いてい
たパートの主婦さんからは褒めてもらえました
スグにはヤメられません
春休みは荷物の搬入や品出し要員として朝イチから昼
までの固定シフト
同じシフトのパートの主婦さんから「店長の件のご褒
美にウチでお昼ご飯食べていかない」と声を掛けられ
る
「ご家族の迷惑なりますから~」と断りましたが
家族は出払っていて一人で食べても味気ないからとの
こと
断る理由を失くした僕は甘えることに
そして主婦さんのお昼ご飯を食べた後に僕が食べられ
ることに…
それがパートの主婦さんの間に広がり色々な人からお
昼ご飯を誘われるようになる
パートの主婦さんというても30代40代の女を捨て
ていない人たちなので僕も楽しい
夢のような日々でした
昨日と全く同じです
バイト先の小売店も姐さんも実在します
ただ姐さんが読んでも自分のこととは思わないぐらい
脚色しています
バイトをヤメた経緯は事実ですが姐さんは帰った後で
すし僕のキャラにないことなので分からないはず
それもこれも僕個人が特定されないようにするため
分かるとしたらパートの主婦さん
書かれている幾つかの事実をつなげれば「そういえば似
たようなことあったな~」てなるかも
ネタになる人い~ひんかと考えていて姐さんを思い出し
たこと
メチャクチャ話を膨らましたこと
自分で自分を褒めたいです