平成19年5月30に「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」が制定されました。
というか、されていたようです。
前々からアメリカ式の保険ありきの制度ができるという話は聞いていたのですが、もう法律化されているというのは始めて知りました。
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もう、ご存知の方もいるかと思いますが、
建設業者や宅地建物取引業者(建売・分譲業者)が新築住宅引渡し時に保険会社の保障を受けるか、供託金(一定期間預けるお金)をしないとならないという法律です。
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私の働いている設計事務所でも、JIOという日本住宅保障検査機構という団体の保障を受けて建設を依頼するケースがありました。
ただし、この保障を受ける為には、当然ながら厳しい制約があり、木製サッシの部分は保障されません。
部屋の上にバルコニーがあっては駄目、木造で陸屋根(水平な屋根の事)があっても不可。
などの制約がありました。
我々建築家の設計する建物は、ハウスメーカーなどの建築物と違ってイレギュラーなケースがほとんどで、そういった制約の中から外れた納まりをする事がしばしばあるのです。
その為、この保障を受ける事が出来ない物件が出てしまいます。
第三者が監理するという事で、住宅の質が向上することは良い事なのですが、保障する側から見た、
過剰なリスク回避による制約はいかがなものかと思います。
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しかし、この法律が出来る事によって、それらの制約は全ての建物に押し付けられるのです。
自由な発想が出来なくなる他、新しい技術や考え方に対し、正当な評価を与えられない傾向になるのではないでしょうか。
大手建材メーカーや商社のものは、きちんとした性能評価を受けて販売できますが、現場で手作りでつくるようなサッシや樋などに対し、どこまで柔軟に対応していただけるかが不透明なところがあります。
きっと保険会社は、簡単にはイレギュラーを認めないでしょうね。
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さて、問題はこれからです。
この保障会社の保障を受ける代わりに供託金を預けるという選択肢があります。
この代替策が提示されている以上、全く保障なしという選択肢がない事になります。
そして、その供託金の額が2000万円(10年間預ける必要がある)という莫大な金額になります。
こんなお金は、今の政策不況で体力を失った建設会社にはとても払える額ではありません。
そして、これは条文にもう明記されている金額なのです!!
もちろんコレは一戸当たりの金額だと思うのですが、さらに恐ろしい事は、
平成21年の秋(10/1)以降に”引渡しの物件”から始まるということ。
もし、大規模な計画でもうスタートしているとしたら、いざ引渡し時点で供託金を億単位で調達しなければいけなくなるのです!!
あ~~恐ろしい。
もちろん大手はそれに対し対策を考えているでしょうが、我々が付き合っている小さな工務店は、その詳細までは知りません。
私も、もう条文に供託金の額が2000万円と明記されていた事を知りませんでした。
きっと、そういう工務店がほとんどで、直前になってあわてる姿が容易に想像できるわけです。
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結局のところ、コレはお役人が自分たちの責任回避の為に作り上げた法律で、その仕組みの中で保険会社が儲けるという構図なのです。
そして、その負担は我々消費者にのしかかり、新築離れが進み、また不景気を拡大させる事になるかと思います。
完成される住宅も、無味乾燥・画一的な住宅が評価を得て、建築家の活躍する場はますます狭くなりそうな予感がします。
暗い事ばかり考えてしまってもしょうがないのですが、今の日本の方向性が企業や大きな団体の事ばかりを考えて国民一人一人に向いていない表れだと思います。
どうにか、活路を見出さないと日本に押しつぶされそうです・・・
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とりあえず、まだJIO等の保障会社と付き合いのない工務店がいたら、早めに取り組むように伝えようとしています。
法律の施行の直前になって準備したのでは遅すぎるからです。
みなさんも、早めの対応をした方が良いと思いますよ。
JIOの担当者さんの話ですと、建材メーカーが取引先が潰れない様に、法律の詳細を通知してまわっているという話です・・・
本当は、政府の役割のはずなんですけどね~
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■国土交通省による「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」の条文・概要はこちらから
※平成19年12月27日政令第394号により、20年の4月1日には施行。
その法律が効力を示す期日が21年の10月1日にすることが決まったようです・・・
というか、されていたようです。
前々からアメリカ式の保険ありきの制度ができるという話は聞いていたのですが、もう法律化されているというのは始めて知りました。
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もう、ご存知の方もいるかと思いますが、
建設業者や宅地建物取引業者(建売・分譲業者)が新築住宅引渡し時に保険会社の保障を受けるか、供託金(一定期間預けるお金)をしないとならないという法律です。
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私の働いている設計事務所でも、JIOという日本住宅保障検査機構という団体の保障を受けて建設を依頼するケースがありました。
ただし、この保障を受ける為には、当然ながら厳しい制約があり、木製サッシの部分は保障されません。
部屋の上にバルコニーがあっては駄目、木造で陸屋根(水平な屋根の事)があっても不可。
などの制約がありました。
我々建築家の設計する建物は、ハウスメーカーなどの建築物と違ってイレギュラーなケースがほとんどで、そういった制約の中から外れた納まりをする事がしばしばあるのです。
その為、この保障を受ける事が出来ない物件が出てしまいます。
第三者が監理するという事で、住宅の質が向上することは良い事なのですが、保障する側から見た、
過剰なリスク回避による制約はいかがなものかと思います。
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しかし、この法律が出来る事によって、それらの制約は全ての建物に押し付けられるのです。
自由な発想が出来なくなる他、新しい技術や考え方に対し、正当な評価を与えられない傾向になるのではないでしょうか。
大手建材メーカーや商社のものは、きちんとした性能評価を受けて販売できますが、現場で手作りでつくるようなサッシや樋などに対し、どこまで柔軟に対応していただけるかが不透明なところがあります。
きっと保険会社は、簡単にはイレギュラーを認めないでしょうね。
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さて、問題はこれからです。
この保障会社の保障を受ける代わりに供託金を預けるという選択肢があります。
この代替策が提示されている以上、全く保障なしという選択肢がない事になります。
そして、その供託金の額が2000万円(10年間預ける必要がある)という莫大な金額になります。
こんなお金は、今の政策不況で体力を失った建設会社にはとても払える額ではありません。
そして、これは条文にもう明記されている金額なのです!!
もちろんコレは一戸当たりの金額だと思うのですが、さらに恐ろしい事は、
平成21年の秋(10/1)以降に”引渡しの物件”から始まるということ。
もし、大規模な計画でもうスタートしているとしたら、いざ引渡し時点で供託金を億単位で調達しなければいけなくなるのです!!
あ~~恐ろしい。
もちろん大手はそれに対し対策を考えているでしょうが、我々が付き合っている小さな工務店は、その詳細までは知りません。
私も、もう条文に供託金の額が2000万円と明記されていた事を知りませんでした。
きっと、そういう工務店がほとんどで、直前になってあわてる姿が容易に想像できるわけです。
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結局のところ、コレはお役人が自分たちの責任回避の為に作り上げた法律で、その仕組みの中で保険会社が儲けるという構図なのです。
そして、その負担は我々消費者にのしかかり、新築離れが進み、また不景気を拡大させる事になるかと思います。
完成される住宅も、無味乾燥・画一的な住宅が評価を得て、建築家の活躍する場はますます狭くなりそうな予感がします。
暗い事ばかり考えてしまってもしょうがないのですが、今の日本の方向性が企業や大きな団体の事ばかりを考えて国民一人一人に向いていない表れだと思います。
どうにか、活路を見出さないと日本に押しつぶされそうです・・・
---
とりあえず、まだJIO等の保障会社と付き合いのない工務店がいたら、早めに取り組むように伝えようとしています。
法律の施行の直前になって準備したのでは遅すぎるからです。
みなさんも、早めの対応をした方が良いと思いますよ。
JIOの担当者さんの話ですと、建材メーカーが取引先が潰れない様に、法律の詳細を通知してまわっているという話です・・・
本当は、政府の役割のはずなんですけどね~
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■国土交通省による「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」の条文・概要はこちらから
※平成19年12月27日政令第394号により、20年の4月1日には施行。
その法律が効力を示す期日が21年の10月1日にすることが決まったようです・・・
ではすまされんね。
脱・建設業の風がふく、、、
恐ろしいイイイイイ!
あくまで僕の予測なので・・・
的が外れればいいのですが・・・
施行令の出ると思われる4/1日になったら、メディアも騒ぎ出すんじゃないかなぁ。