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最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■RC外断熱工法検討~魔法瓶断熱のススメ-1~第59話

2007-05-20 19:43:59 | ■建築家の自邸・構想~建築、竣工まで
このコーナーではakatukiが自宅建設の為に日々奮闘する様子を記事にしております。
自宅建設と同時進行で書き綴っている為、初めて記事を読まれる方は第一話からご覧ください。
すこしづつ更新していきますので、お引き立ての程宜しくお願いいたします。

◆建築家の自邸・目次はこちらから

一般的に家の断熱には外断熱と内断熱がある。
何が違うかというと、躯体の外側に断熱材を張り巡らせ切れ目のない断熱を実践するのが”外断熱”。
それに比べ、”内断熱”は躯体の間や、内側に断熱材を入れる工法。
その為、断熱欠損がおきたり、気密性を確保しづらく施工者の腕に左右されるのが内断熱である。

断熱の事だけを考えると、やはり外断熱の方が断然優れている。
しかしながら、躯体の外に断熱材を張り巡らし、その先に仕上げをするのは、工事的に難しかったり、工法が限られている為高くついてしまうのです。

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また、構造の種別によっても性質が異なります。
木造の場合は、躯体である”木”の熱伝導率(熱を伝える性質)が低い為、断熱欠損があってもそれほど問題はありません。
むしろ柱の間(100mmぐらい)に断熱材をぎっしり詰める事が出来るので、外断熱と同程度の断熱性を確保する事は可能です。
問題は、一般的に用いられるグラスウールという断熱材が湿気を吸湿する為、内側の気密性が充分でないと、壁の中で”結露”する事態が危惧される事です。
※コンセントボックスなどの穴から湿気が壁の中に入り込む。

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鉄骨造の場合は、躯体の熱伝導率が極めて高く、断熱欠損が顕著です。
その為、バルコニーや持ち出しの梁部分でヒートブリッジと呼ばれる熱僑がおき、壁内結露する恐れが高いのです。
※主に吹き付けの断熱材で鉄を丸ごと断熱するケースが多い。

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RC(鉄筋コンクリート)造の場合は、躯体の熱容量(熱を蓄える力)が多く、外気温に追従しやすい性質があります。

その為、冬場にコンクリートの壁を触るとヒンヤリとする印象を持たれる方が多いと思います。
それは、夜の冷たい外気温をコンクリートに蓄えているから。
夏は、逆にコンクリートの建物って暑いですよね・・・

そういうRC造の性質では、内断熱をしても、断熱材と躯体との間に湿気が入り込むと、たちまち結露します。
コンクリート自身の気密性がとても高いため、湿気が逃げていかないからです。

そのようなRC造にベストマッチなのが、外断熱工法。

躯体を外から包むと、ソレはまるで魔法瓶の様な効果を生み出します。
熱容量の高いコンクリートの躯体が、建物の内気温に左右されるようになります。
一度蓄えられた熱を断熱材で包んで保温する。
そんな理想の断熱となる訳です。

コレにより、深夜電力を利用した蓄熱や、自然の力を利用したパッシブソーラーなどの効果を高める事が出来るのです。

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で、私の自邸ですが・・・RC造で建築予定なので、当然”外断熱”
建築家としては、お客様に提案する以上、自邸で体感してその性能を熟知する必要があるかなぁと思っているわけです。

しかし、私の暮らし方からすると、本当は外断熱ほどの性能がいらないのかも知れない・・・
それはというと、私はエアコンをほとんど使わない生活をしている為。
夏も暑ければ、窓を開け放して扇風機を回して寝るし、
冬も寒ければ、着込んでふとんをいっぱい掛けて寝る。

外断熱の効果を充分に出そうと思うと、中で貯めた熱を、窓をあまり開けずに計画換気で、熱交換して換気する生活の方があっているからです。

ともあれ、戸建住宅は集合住宅の断熱環境より過酷な状況に曝される事は確か。
吹き抜けのある空間ではさらに条件が厳しくなる事から、外断熱工法で断熱することを考えています。

次回は工法についてレポートいたします。

---オマケ---

最近、大和ハウスのCMでよく”外張り断熱”という言葉を耳にします。
コレは、RC造の蓄熱型の外断熱と区別した言い方。
木造(軽量鉄骨)の外側に断熱材を貼っていますよといったニュアンスで、キチンと内容を伝える正しい表現だと思っています。

※外断熱工法は北海道でRC造を対象に広がった断熱後方の為、木造等に”外断熱工法”と使うのはちょっと違うと思うから。

また、RC造の無断熱物件。
良くデザイナーズマンション等ではよく採用されてますが、住む上ではあまりお勧めできません。
やはり、寒いし熱い。
賃貸で住むならまだ良いのだけど・・・
一軒家で住むには相当の覚悟が必要です・・・


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