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歯科技工士・岩澤 毅

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫) (文庫) 米原 万里 (著)

2008年06月30日 | amazon.co.jp・リストマニア
一つのロシア語同時通訳バブルの総決算, 2008/6/30

By 歯職人

 本書は、米原万里の作家としての実質的なデビュー作である。
 絶妙なタイトルは、本編の内容を期待させるが、裏切られること無く堪能できる。
 同時通訳者が日頃如何なるストレスに晒されているのか、依頼者か、通訳の対象としてのスピーカー・原発言者か、聴衆か、はたまた実は他言語の通訳者か。
 本書によって明かされる、言語の背景をも含めた文化の衝突と相克が、生きた人の現場の右往左往と突発的な自体に遭遇した場合の人間のある種漫画的な突破力・瞬発力を含め、「事件は現場で起こっている。しかし、基礎と蓄積と閃きが無ければ事件は解決しない。」と思わせる。
  同時通訳業界のイメージが、読書前と様変わりし「斬った張った」の世界であると認識された。
 しかし、いま新規に本書のような内容が編まれるすれば、通訳業界のクライアントは許すのだろうか?

(フジツナビジョカテイシュクナブスカシンチョウブンコ )
新潮文庫
不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か
ISBN:9784101465210 (4101465215)
326p 15cm(A6)
新潮社 (1998-01-01出版)

・米原 万里【著】
[文庫 判] NDC分類:914.6 販売価:539(税込) (本体価:514)

同時通訳者の頭の中って、一体どうなっているんだろう?異文化の摩擦点である同時通訳の現場は緊張に次ぐ緊張の連続。
思わぬ事態が出来する。
いかにピンチを切り抜け、とっさの機転をきかせるか。
日本のロシア語通訳では史上最強と謳われる著者が、失敗談、珍談・奇談を交えつつ同時通訳の内幕を初公開!「通訳」を徹底的に分析し、言語そのものの本質にも迫る、爆笑の大研究。

プロローグ 通訳=売春婦論の顛末
第1章 通訳翻訳は同じ穴の狢か―通訳と翻訳に共通する三大特徴
第2章 狸と狢以上の違い―通訳と翻訳の間に横たわる巨大な溝
第3章 不実な美女か貞淑な醜女か
第4章 初めに文脈ありき
第5章 コミュニケーションという名の神に仕えて
エピローグ 頂上のない登山

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