日本歯科新聞 2015年8月4日付(1890号) 8面
(大見出し)
(ヨコ)高校生向けに歯科技工士紹介本
(タテ)日技が10月に出版
(中見出し)
歯科技工士の魅力伝える
(リード)
日本歯科技工士会は、歯科技工士教育機関の志望者減対策として、高校生を主な想定読者とした歯科技工士紹介書籍を口腔保健協会から10月に出版する。今回の出版事業の担当者である専務理事の夏目克彦氏、常務理事の岩澤毅氏に、背景と概要などについて語ってもらった。
担当者
公益社団法人日本歯科技工士会 専務理事 夏目克彦氏
公益社団法人日本歯科技工士会 常務理事 岩澤 毅氏
(本文)
----この度の高校生向けを想定した歯科技工士紹介本「歯科技工のおもしろさ」出版事業について、背景の説明をお願いします。
夏目 日本歯科技工士会は、歯科技工士の役割、仕事内容等を紹介する活動に継続して取り組んでまいりました。1995年(平成7年)には、中央経済社より「こうすれば歯科技工士になれる」を発行し、本年20年が経過いたしました。その後も、いくつかの出版社の職業紹介書籍の企画に、監修等の形で協力してきました。
特に、歯科技工士教育機関に対する志望者減が言われている現在、進路(職業)選択を考える高校生を主な想定読者とした書籍発行の必要性は高まっていると考えました。
さらに、歯科技工士国家試験の全国統一化を見据え、質の高い学生を獲得するためにも、本事業を歯科技工士法制定と日技創立60周年の本年に取り組む意味は大きいと思います。
そこで、まずは歯科技工士という職業を知ってもらうことと、歯科技工士はどんな仕事をしているのか、歯科技工士を取り巻く環境などを先輩歯科技工士の話を中心にまとめることで、歯科技工士のおもしろさ、大変さなどを含め、知ってもらうための書籍の発行を企画いたしました。
----具体的な内容は、
岩澤 大きく三つの部分からなります。一つ目の「歯科技工士の仕事」では、歯科技工士の姿を初歩から紹介させて頂きました。各項目は、短いながら理解しやすい記述となっています。
二つ目の「先輩歯科技工士からの声」では、それぞれの著者の「歯科技工士物語」が綴られています。著者には、特に職業選択の時期に関する記述にポイントを置いていただきました。現役の歯科技工士だから言える、歯科技工の大変さとやりがいは、やはり説得力があると思います。また、国境を越え、国外で働く歯科技工士の姿も報告されています。
三つ目の「歯科技工士になってから」では、職業人として社会との係わりの中で歯科技工士として成長していく姿と方策が描かれています。さらに、専門職としての社会貢献や、自己成長する姿が紹介されています。
中学生、高校生、高校の進路指導担当教員、高校生の保護者に幅広く読んでいただきたいと思います。そのため、平易な表現を心がけています。執筆は、主に役員が手分けして、取り組んでいます。
夏目 専門職教育を選択すると言うことは、同時に将来の職業を選択することでもありますから、情報不足によるミスマッチなどがあると、学生にとってもその家庭にとっても大きな損失になります。
国も、「若者自立・挑戦プラン」等の将来を担う若者たちに勤労観・職業観を育み、自立できる能力をつけることを目的とするキャリア教育の推進をしてきました。
歯科技工士のナショナルセンターとしての日技の社会的責任からも、歯科技工士の真の姿を伝え、選択の判断の材料を提供したいと思います。
----販売・普及も大変だと思いますが。
岩澤 はい、歯科技工士の志願者減は、業界挙げて取り組むべき問題ですし、その原因を解決していくことが重要ですが、それと並行して、まずは若い世代に歯科技工士の等身大の現在の姿を伝えることも重要なことと思います。
幸いこの度は、一般財団法人口腔保健協会のご協力も頂いて、安価(予定価格1,200円+税)な設定にして頂きました。また、2013年に口腔保健協会より発行された「歯科医療のおもしろさ」の企画趣旨を継ぐものとして取り組みました。
書籍という媒体は、何と言っても人の手から手に届けられる手軽さを持ち、読者と出会える図書館等のインフラが整備されているものです。
まずは、全国の歯科技工士の仲間や歯科関係者の皆さんに手に取り、読んで頂きたいのが第一ですが、さらに本書を、全国の歯科技工士の仲間や歯科関係者とともに、高校生や中学生の身近にある公立図書館や高等学校の進路指導室や図書室などに届け、広く普及する運動を展開したいと思います。
夏目 この普及運動自体も、業界の体質改善に取り組み、若者に受け入れられる業界にする運動の一環としても重視しています。
日技としても全国の主要な公共図書館等に寄贈するのは当然ですが、地域の詳細な情報は持ち合わせておりません。まずは一人ひとりの歯科技工士が、ご自身の出身高校、出身中学、ご自分の近くの地域の図書館、あるいはお近くの公民館の図書コナーに寄贈することをお願いしたいと思います。
----弊紙も「世界で活躍するサムライ歯科技工士」の連載で、歯科技工士さんを応援しています。
夏目 御社には、「世界で活躍するサムライ歯科技工士」の連載と単行本の発行をして頂きました。現在の歯科技工士を考える上で、一つの切り口を提示して頂いたと感謝しております。ご本は、私も岐阜の県立図書館、市立図書館等に計5冊寄贈させて頂きました。岩澤常務も、地元の県立図書館、市立図書館や高校に寄贈していますね。
----それは、ありがとうございます。
夏目 今回の日技編集の書籍「歯科技工のおもしろさ」は、歯科技工士を紹介する、言わばオーソドックスな一冊にしました。この二つの書籍が、立体的に歯科技工士の姿を伝えることを期待しています。
本事業を契機として、日技としても高校生世代に向き合う事業を確立して行きたいと思っています。本紙の読者の皆様にも、高校生の身近なところにこの書籍を普及するために、御助力をお願いしたいと思います。
(大見出し)
(ヨコ)高校生向けに歯科技工士紹介本
(タテ)日技が10月に出版
(中見出し)
歯科技工士の魅力伝える
(リード)
日本歯科技工士会は、歯科技工士教育機関の志望者減対策として、高校生を主な想定読者とした歯科技工士紹介書籍を口腔保健協会から10月に出版する。今回の出版事業の担当者である専務理事の夏目克彦氏、常務理事の岩澤毅氏に、背景と概要などについて語ってもらった。
担当者
公益社団法人日本歯科技工士会 専務理事 夏目克彦氏
公益社団法人日本歯科技工士会 常務理事 岩澤 毅氏
(本文)
----この度の高校生向けを想定した歯科技工士紹介本「歯科技工のおもしろさ」出版事業について、背景の説明をお願いします。
夏目 日本歯科技工士会は、歯科技工士の役割、仕事内容等を紹介する活動に継続して取り組んでまいりました。1995年(平成7年)には、中央経済社より「こうすれば歯科技工士になれる」を発行し、本年20年が経過いたしました。その後も、いくつかの出版社の職業紹介書籍の企画に、監修等の形で協力してきました。
特に、歯科技工士教育機関に対する志望者減が言われている現在、進路(職業)選択を考える高校生を主な想定読者とした書籍発行の必要性は高まっていると考えました。
さらに、歯科技工士国家試験の全国統一化を見据え、質の高い学生を獲得するためにも、本事業を歯科技工士法制定と日技創立60周年の本年に取り組む意味は大きいと思います。
そこで、まずは歯科技工士という職業を知ってもらうことと、歯科技工士はどんな仕事をしているのか、歯科技工士を取り巻く環境などを先輩歯科技工士の話を中心にまとめることで、歯科技工士のおもしろさ、大変さなどを含め、知ってもらうための書籍の発行を企画いたしました。
----具体的な内容は、
岩澤 大きく三つの部分からなります。一つ目の「歯科技工士の仕事」では、歯科技工士の姿を初歩から紹介させて頂きました。各項目は、短いながら理解しやすい記述となっています。
二つ目の「先輩歯科技工士からの声」では、それぞれの著者の「歯科技工士物語」が綴られています。著者には、特に職業選択の時期に関する記述にポイントを置いていただきました。現役の歯科技工士だから言える、歯科技工の大変さとやりがいは、やはり説得力があると思います。また、国境を越え、国外で働く歯科技工士の姿も報告されています。
三つ目の「歯科技工士になってから」では、職業人として社会との係わりの中で歯科技工士として成長していく姿と方策が描かれています。さらに、専門職としての社会貢献や、自己成長する姿が紹介されています。
中学生、高校生、高校の進路指導担当教員、高校生の保護者に幅広く読んでいただきたいと思います。そのため、平易な表現を心がけています。執筆は、主に役員が手分けして、取り組んでいます。
夏目 専門職教育を選択すると言うことは、同時に将来の職業を選択することでもありますから、情報不足によるミスマッチなどがあると、学生にとってもその家庭にとっても大きな損失になります。
国も、「若者自立・挑戦プラン」等の将来を担う若者たちに勤労観・職業観を育み、自立できる能力をつけることを目的とするキャリア教育の推進をしてきました。
歯科技工士のナショナルセンターとしての日技の社会的責任からも、歯科技工士の真の姿を伝え、選択の判断の材料を提供したいと思います。
----販売・普及も大変だと思いますが。
岩澤 はい、歯科技工士の志願者減は、業界挙げて取り組むべき問題ですし、その原因を解決していくことが重要ですが、それと並行して、まずは若い世代に歯科技工士の等身大の現在の姿を伝えることも重要なことと思います。
幸いこの度は、一般財団法人口腔保健協会のご協力も頂いて、安価(予定価格1,200円+税)な設定にして頂きました。また、2013年に口腔保健協会より発行された「歯科医療のおもしろさ」の企画趣旨を継ぐものとして取り組みました。
書籍という媒体は、何と言っても人の手から手に届けられる手軽さを持ち、読者と出会える図書館等のインフラが整備されているものです。
まずは、全国の歯科技工士の仲間や歯科関係者の皆さんに手に取り、読んで頂きたいのが第一ですが、さらに本書を、全国の歯科技工士の仲間や歯科関係者とともに、高校生や中学生の身近にある公立図書館や高等学校の進路指導室や図書室などに届け、広く普及する運動を展開したいと思います。
夏目 この普及運動自体も、業界の体質改善に取り組み、若者に受け入れられる業界にする運動の一環としても重視しています。
日技としても全国の主要な公共図書館等に寄贈するのは当然ですが、地域の詳細な情報は持ち合わせておりません。まずは一人ひとりの歯科技工士が、ご自身の出身高校、出身中学、ご自分の近くの地域の図書館、あるいはお近くの公民館の図書コナーに寄贈することをお願いしたいと思います。
----弊紙も「世界で活躍するサムライ歯科技工士」の連載で、歯科技工士さんを応援しています。
夏目 御社には、「世界で活躍するサムライ歯科技工士」の連載と単行本の発行をして頂きました。現在の歯科技工士を考える上で、一つの切り口を提示して頂いたと感謝しております。ご本は、私も岐阜の県立図書館、市立図書館等に計5冊寄贈させて頂きました。岩澤常務も、地元の県立図書館、市立図書館や高校に寄贈していますね。
----それは、ありがとうございます。
夏目 今回の日技編集の書籍「歯科技工のおもしろさ」は、歯科技工士を紹介する、言わばオーソドックスな一冊にしました。この二つの書籍が、立体的に歯科技工士の姿を伝えることを期待しています。
本事業を契機として、日技としても高校生世代に向き合う事業を確立して行きたいと思っています。本紙の読者の皆様にも、高校生の身近なところにこの書籍を普及するために、御助力をお願いしたいと思います。