経済学を武器に看護問題を分析, 2008/5/24
By 歯職人
著者角田由佳氏による、経済学を分析の道具として、看護師を巡る諸問題が長年未解決な理由(わけ)を解き明かし、解決の方向を提示することを目指した意欲作です。
角田氏は、慶応大学商学部で経済学を学び 縁があり看護の世界の人々と交流を深める。看護の世界の人々が抱える様々な問題の所在が、ご自身が学ばれた経済学を分析の武器とすると、単なる看護の世界の人々思い込みではなく、故ある構造の問題であるとの感触を得る。その後角田氏は、看護の世界の人々に寄り添いながら、学識を活かし、看護の世界の人々との度重なる共同研究やデータ分析を行い本書の骨格を作り上げる。
本書によって看護師の独白に終わりがちな、「看護師の賃金はなぜ上がらないのか?なぜいつも臨床では看護師が足りないのか?」に回答が与えられる。
そして、著者のデータ分析により、「看護師の労働市場の二重構造」論が提出される。
看護の内的世界とその周辺でのみ取り組まれていた問題を、社会に提出可能な説得力のある根拠ある分析とデータと理論として絞り込んだ論考が本書収録の諸論文です。
看護と同様にあるいはそれ以上に個別の事情を抱える他の医療関係職種の人々に対しても、示唆に富む学ぶべき一冊となっている。
単に境遇を嘆くだけでなく、また燃え尽きること無く、明日への確かな手がかりを掴み取るために、お勧めする一冊です。
看護師の働き方を経済学から読み解く―看護のポリティカル・エコノミー
ISBN:9784260005111 (4260005111)
180p 21cm(A5)
医学書院 (2007-08-15出版)
・角田 由佳【著】
[A5 判] NDC分類:492.9 販売価:3,360(税込) (本体価:3,200)
看護師の賃金はなぜ上がらないのか?なぜいつも臨床では看護師が足りないのか?―あなたはそのほんとうの理由を知っていますか?経済学の視点から、看護職の働く場を分析することで浮かび上がった構造。
看護サービスの特殊性、看護師の技能を問わない診療報酬制度がもたらすひずみ、看護師の労働市場の二重構造(そして、第2階層から第1階層への移動が困難な現実)etc―それらをあざやかに描き出す!そして、診療報酬改定からみえてくる今後の方向性とは…。
第1章 経済学からみた看護サービス
第2章 社会経済環境の変化と看護師雇用の現状
第3章 診療報酬制度のしくみがもたらす影響1 看護師が他職種の業務を担うメカニズム
第4章 診療報酬制度のしくみがもたらす影響2 看護師の技能評価を妨げるメカニズム
第5章 看護師の労働供給―無視できない結婚と出産・育児
第6章 看護師の労働需要と市場構造―労働市場における搾取と労働力不足
第7章 人的資本論から検証する労働条件格差
第8章 市場の階層性が生み出す賃金格差
第9章 職務価値からみた賃金格差
第10章 看護師の雇用政策とインパクト
第11章 よりよい看護を実現するために
角田由佳[ツノダユカ]
1991年慶應義塾大学商学部卒業。1997年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学。(財)医療科学研究所、国立社会保障・人口問題研究所勤務を経て、現在、韓国の漢陽大学国際学大学院招聘講師、コスモシステム開発株式会社取締役。看護系大学・大学院や日本看護協会認定看護管理者研修等の講師を務める。専攻は、医療経済学、労働経済学、社会保障論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
By 歯職人
著者角田由佳氏による、経済学を分析の道具として、看護師を巡る諸問題が長年未解決な理由(わけ)を解き明かし、解決の方向を提示することを目指した意欲作です。
角田氏は、慶応大学商学部で経済学を学び 縁があり看護の世界の人々と交流を深める。看護の世界の人々が抱える様々な問題の所在が、ご自身が学ばれた経済学を分析の武器とすると、単なる看護の世界の人々思い込みではなく、故ある構造の問題であるとの感触を得る。その後角田氏は、看護の世界の人々に寄り添いながら、学識を活かし、看護の世界の人々との度重なる共同研究やデータ分析を行い本書の骨格を作り上げる。
本書によって看護師の独白に終わりがちな、「看護師の賃金はなぜ上がらないのか?なぜいつも臨床では看護師が足りないのか?」に回答が与えられる。
そして、著者のデータ分析により、「看護師の労働市場の二重構造」論が提出される。
看護の内的世界とその周辺でのみ取り組まれていた問題を、社会に提出可能な説得力のある根拠ある分析とデータと理論として絞り込んだ論考が本書収録の諸論文です。
看護と同様にあるいはそれ以上に個別の事情を抱える他の医療関係職種の人々に対しても、示唆に富む学ぶべき一冊となっている。
単に境遇を嘆くだけでなく、また燃え尽きること無く、明日への確かな手がかりを掴み取るために、お勧めする一冊です。
看護師の働き方を経済学から読み解く―看護のポリティカル・エコノミー
ISBN:9784260005111 (4260005111)
180p 21cm(A5)
医学書院 (2007-08-15出版)
・角田 由佳【著】
[A5 判] NDC分類:492.9 販売価:3,360(税込) (本体価:3,200)
看護師の賃金はなぜ上がらないのか?なぜいつも臨床では看護師が足りないのか?―あなたはそのほんとうの理由を知っていますか?経済学の視点から、看護職の働く場を分析することで浮かび上がった構造。
看護サービスの特殊性、看護師の技能を問わない診療報酬制度がもたらすひずみ、看護師の労働市場の二重構造(そして、第2階層から第1階層への移動が困難な現実)etc―それらをあざやかに描き出す!そして、診療報酬改定からみえてくる今後の方向性とは…。
第1章 経済学からみた看護サービス
第2章 社会経済環境の変化と看護師雇用の現状
第3章 診療報酬制度のしくみがもたらす影響1 看護師が他職種の業務を担うメカニズム
第4章 診療報酬制度のしくみがもたらす影響2 看護師の技能評価を妨げるメカニズム
第5章 看護師の労働供給―無視できない結婚と出産・育児
第6章 看護師の労働需要と市場構造―労働市場における搾取と労働力不足
第7章 人的資本論から検証する労働条件格差
第8章 市場の階層性が生み出す賃金格差
第9章 職務価値からみた賃金格差
第10章 看護師の雇用政策とインパクト
第11章 よりよい看護を実現するために
角田由佳[ツノダユカ]
1991年慶應義塾大学商学部卒業。1997年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学。(財)医療科学研究所、国立社会保障・人口問題研究所勤務を経て、現在、韓国の漢陽大学国際学大学院招聘講師、コスモシステム開発株式会社取締役。看護系大学・大学院や日本看護協会認定看護管理者研修等の講師を務める。専攻は、医療経済学、労働経済学、社会保障論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)