公的国民皆医療保険を拒否するアメリカ/オバマの一年, 2010/4/18
By 歯職人
堤未果氏による底辺層のアメリカ、中間層の没落するアメリカ国民のルポである。
クリントン政権下でも試みられた公的医療保険創設が、オバマ政権でも実質的に失敗に終わろうとしている。このアメリカ社会の現実の動向を、決して声の大きくない人々の言葉を集め記録する試みである。
公教育を受けることによる生涯にわたる教育ローンの借金地獄、崩れ落ちる虚構が露となった年金、医療改革を拒む者たち、民営刑務所がつくりだす安価な囚われの労働者の群れ、本書に描かれるアメリカの姿は余りに衝撃的である。
オバマという希望の記号を選挙によって大統領の座に付ける「アメリカ民主主義」は、また別の姿を持っていることを本書は示す。
日本における市場原理主義の亜流は、「事業仕分け」との名で、「公務労働の市場化」と「官が生み出すワーキングプア」の流れを作り出そうとしている。
その時々の人気取りに励む政治と表層の「官叩き」に呼応する民意が生み出すものは、更なる貧困を生み出すスパイラルではないだろうか。
一読をお勧めしたい。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4004312256/ref=cm_cr_mts_prod_img
ルポヒンコンタイコクアメリカ 2 イワナミシンショ
岩波新書
ルポ 貧困大国アメリカ〈2〉
堤 未果【著】
岩波書店 (2010/01/20 出版)
215p / 18cm
ISBN: 9784004312253
NDC分類: 368.2
価格: ¥756 (税込)
詳細
経済危機後のアメリカでは、社会の貧困化が加速している。
職がみつからず、学資ローンに追い立てられる若者たち。
老後の生活設計が崩れた高齢者たち。
教育や年金、医療、そして刑務所までもが商品化され、巨大マーケットに飲みこまれている。
オバマ登場で状況は変わったのか。
人々の肉声を通して、アメリカの今を活写するルポの第二弾。
第1章 公教育が借金地獄に変わる(爆発した教師と学生たち;猛スピードで大学費用が膨れ上がる ほか)
第2章 崩壊する社会保障が高齢者と若者を襲う(父親と息子が同時に転落する;企業年金の拡大 ほか)
第3章 医療改革vs.医産複合体(魔法の医療王国;オバマ・ケアへの期待 ほか)
第4章 刑務所という名の巨大労働市場(借金づけの囚人たち;グローバル市場の一つとして花開く刑務所ビジネス ほか)
学資ローンに追い立てられる若者たち。生活設計が立たずに絶望する高齢者たち。社会の底割れが加速する状況は、オバマの登場で変わるのか。人びとの肉声を通して、アメリカの今をリアルに活写するルポ、待望の第二弾。
著者紹介
堤未果[ツツミミカ]
東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号修得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇。以後、ジャーナリストとして各種メディアで発言、執筆・講演活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
By 歯職人
堤未果氏による底辺層のアメリカ、中間層の没落するアメリカ国民のルポである。
クリントン政権下でも試みられた公的医療保険創設が、オバマ政権でも実質的に失敗に終わろうとしている。このアメリカ社会の現実の動向を、決して声の大きくない人々の言葉を集め記録する試みである。
公教育を受けることによる生涯にわたる教育ローンの借金地獄、崩れ落ちる虚構が露となった年金、医療改革を拒む者たち、民営刑務所がつくりだす安価な囚われの労働者の群れ、本書に描かれるアメリカの姿は余りに衝撃的である。
オバマという希望の記号を選挙によって大統領の座に付ける「アメリカ民主主義」は、また別の姿を持っていることを本書は示す。
日本における市場原理主義の亜流は、「事業仕分け」との名で、「公務労働の市場化」と「官が生み出すワーキングプア」の流れを作り出そうとしている。
その時々の人気取りに励む政治と表層の「官叩き」に呼応する民意が生み出すものは、更なる貧困を生み出すスパイラルではないだろうか。
一読をお勧めしたい。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4004312256/ref=cm_cr_mts_prod_img
ルポヒンコンタイコクアメリカ 2 イワナミシンショ
岩波新書
ルポ 貧困大国アメリカ〈2〉
堤 未果【著】
岩波書店 (2010/01/20 出版)
215p / 18cm
ISBN: 9784004312253
NDC分類: 368.2
価格: ¥756 (税込)
詳細
経済危機後のアメリカでは、社会の貧困化が加速している。
職がみつからず、学資ローンに追い立てられる若者たち。
老後の生活設計が崩れた高齢者たち。
教育や年金、医療、そして刑務所までもが商品化され、巨大マーケットに飲みこまれている。
オバマ登場で状況は変わったのか。
人々の肉声を通して、アメリカの今を活写するルポの第二弾。
第1章 公教育が借金地獄に変わる(爆発した教師と学生たち;猛スピードで大学費用が膨れ上がる ほか)
第2章 崩壊する社会保障が高齢者と若者を襲う(父親と息子が同時に転落する;企業年金の拡大 ほか)
第3章 医療改革vs.医産複合体(魔法の医療王国;オバマ・ケアへの期待 ほか)
第4章 刑務所という名の巨大労働市場(借金づけの囚人たち;グローバル市場の一つとして花開く刑務所ビジネス ほか)
学資ローンに追い立てられる若者たち。生活設計が立たずに絶望する高齢者たち。社会の底割れが加速する状況は、オバマの登場で変わるのか。人びとの肉声を通して、アメリカの今をリアルに活写するルポ、待望の第二弾。
著者紹介
堤未果[ツツミミカ]
東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号修得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇。以後、ジャーナリストとして各種メディアで発言、執筆・講演活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)