イスラームのモラル 8 正直さ
またまた長いこと時間があいてしまいました、いつもすみません・・・
暑い日が続いていますが、みなさんお元気ですか? 今回は、「正直であること」です。アラビア語では「スィッディーク」といいます。預言者さまはもちろん、一番正直な方でしたが、スィッディークというのは預言者さまをずっと支えてきたサハーバのアブー・バクルの別称でもあります。アブー・バクルさまも、とても正直で誠実な人だったんですね。
8.正直であること
― * - * - * - * - * - * - * - * - *
第八章 Honesty 正直であること、誠実であること
先生 : 次のテーマは、「正直さ」です。私たちの一番のお手本は、預言者ムハンマドさまです。「まっすぐな道」スィラートゥルムスタキームを進むためには、すべてにおいて正直でなければなりません。アッラーは、私たちが長さや重さをはかったりするときも正確でなければならないとおっしゃっています。それから、私たちは他の人のものをとったりしてはいけません。
イマードが自分の家の前に立って、通り過ぎる車や人々をながめています。
すると、一人の男の人がお財布を落としたまま、気がつかずに歩いていってしまいました。イマードは、すぐにそれをひろって、男の人を呼び止めました。
イマード : おじさん、おじさん、お財布をおとしましたよ!
男の人 : マーシャーアッラー! きみはとっても正直な子だね。
イマード : ありがとうございます。
男の人 : このお財布にはたくさんお金が入っているんだ。きみにお礼をしなくちゃね。
イマード : いいえ、そんなこといいです。やらなくちゃならないことをしただけです。正直でないと、アッラーがごらんになっていますから。
男の人 : きみのご両親は、きみみたいな正直な息子をもって喜ぶべきだね。
イマードは家に帰りました。
イマード : おとうさん、ぼく、さっきいいことをしたよ。
おとうさん: 何をしたのかい?
イマード : 男の人がお財布をおとしたので、拾ってあげたんだ。その人、ぼくがとっても正直な子で、おとうさんとお母さんは喜ぶだろうって。
おとうさん: マーシャーアッラー、おまえが誇らしいよ。預言者ムハンマドさまは、ほんとうに正直な方だったんだよ。みんな、大事なものは預言者さまにあずけていたんだそうだ。預言者さまは、あずかったものを大事にして、あずけた人が返してもらいに来たら、すぐにちゃんと返していたんだよ。
イマード : みんな、預言者さまをとっても信頼していたんだね。
おとうさん: ほんとにそうだよ、敵でさえ預言者さまを信用していたんだよ。
彼らは預言者様が信頼できる、正直な人だと知っていたんだ。
イマード : すごい!
おとうさん: だから預言者さまのニックネームは「アル・アミーン」っていうんだよ。
イマード : アル・アミーンってどういう意味?
おとうさん: 「正直な人」という意味だよ。
イマード : ぼく、預言者さまの時代に生きていたらよかったのになあ。もっと預言者さまのことを知って、もっと好きになったのに。
おとうさん: おまえがそう言ってくれてうれしいよ。アッラーと預言者さまのことを一番愛するようにならなければね。
言ってみよう:
Hは正直さ(Honesty)のH。
誰もが正直な人を信頼し、素晴らしい性質だと考えます。
覚えておこう:
預言者さまはおっしゃいました。「正直さは正しさに、正しさは天国に続いて
います。嘘は悪に、悪は地獄に続いています。」(サヒーフ・ムスリム)
。