スペインは缶詰大国。
特に魚介類の缶詰、種類豊富。
スーパーのコーナーなど、おお!となるほど
棚スペースがとられていたりする。
タコやイカ、タラコなどの魚卵類もあり、ムール貝などの貝類、
サーディンやらの魚類も味付けも豊富、実にバラエティ、
そしてお値段もピンキリの幅、広し。
お土産に…と恐る恐る買った方もいるかしら。
ただ、この「缶もの」ってのは開けてみるまでわからない。
よって、買ってはみたものの、ビミョー過ぎて、
そのまま放置、もしくはちょっと試してあぁ…って感じで
終了、ってのが多いかも。
(ちなみにあんまり安いのはアウトです。パッケージの写真は同じなのに、
安い奴は、わかりやすいレベルのクズモノが出てきます←経験者W)
と、いうことで。
以下、「割とポピュラーで、手ごろな缶詰」をご紹介。
そしてそれの「地元のおっさんの食べ方」も教えちゃいます(爆)
● ムール貝 ( Mejillones / メヒジョネス)
“庶民の味方系オカズ”として、古くから親しまれるムール貝。
他の貝類より比較的安価で、安い時など
どっさり買って蒸してレモンで食べたり、
もちろんパエリャに入れたり。
缶詰界でもほぼ王様の位置にあり、
大抵はピリ辛オイル漬け、トマト風味など
味付されていて、開けてすぐ食べれるのが魅力。
というわけで、このムール貝缶を使った
大衆向けレシピ。
▲ポテチのムール貝ソースかけ
~用意するもの
-ポテトチップス(お好みの味でかまわないが、普通の塩味が好ましい)
-ムール貝の缶詰。(水煮じゃなくて味付きのやつ。てか大抵味付)
~作り方
ポテチを皿に開け、缶詰を開けてその上にどばぁ~とかけまわして終了。
…え?(怒)
とお思いでしょうが。
これがみんな大好き、必ず手を伸ばす一品。
なんならおかわりまでする。
結構な「むかーしからあるレシピ」であって、
作ると、特におっさんなどわらわら寄ってくる。
キャンプ時にもよし。
ソースでしんなりしたポテチで貝を
すくいながらやると、ビールがぐいぐい進む。
ムール貝缶が手に入ったらぜひお試しを!!
●ザル貝 (Berberechos/ベルベレチョス)
アサリのような二枚貝系はこちらでも結構人気。
アサリより安価だけど、ムール貝よりは高い。
小さい身ながら、ぷりぷりしてて、おつゆの
味が濃厚で、ワイン蒸しなど皆大好きの一品。
レストランで頼むと結構お高いんだけど、
そこは缶詰の強みであります。
▼ザル貝のマリネ風
~用意するもの
-ザル貝の缶詰(大抵水煮で売ってます)
-玉ねぎ、オリーブオイル、黒胡椒
~作り方
皿にザル貝缶を開ける。この時おつゆは全部捨てずに、
つゆだくの感じで。
上に玉ねぎのみじん切り、黒胡椒を引いたのをふりかけ、
最後にオリーブオイルをたっぷり目にかけまわす。
~食べ方
つまようじで掬いつつ、パン片の助けを借りて食す。
貝の身がちっちゃいので、たまねぎみじん切りは細かくね。
あくまでシンプル。たまねぎの辛味と貝のうま味、
そしてプチプチ感。
これも速攻なくなります。
●ガーフィッシュもしくはトビウオ科の魚(Agujas/アグハス)
これは…実はあんまりスペイン全国区ではないかも。
ほんとにたまーに魚屋さんでみる細身の魚。
でもスーパーの缶詰部で見つけた時から…
個人的にはまっております。
お値段も高くない。
それまで愛用していたオイルサーディン。
それよりも身がしまっていて、タイトな触感。
クセがなく、さっぱり感が日本人心をくすぐるのかな。
これに関しては「ただそのまま食す」
だけで芸がないんだけど…w
白ワインと合います!
(あ、和風に大根おろしとかと合わせてもいいかな)
●最後に、缶詰界最新ニュース(爆)
新進気鋭のシェフとして、世界のグルマンから注目
されている人物、ダビ・ムニョス(Daviz Muñoz)氏。
マドリッドにある彼のレストラン「DiverXO」は
ミシュラン3つ星を獲得しており、その創作料理、
またタレント性の高い彼自身も常に注目を浴びてるのだけど…
本年2022年。開けて早々に
「できました~俺の新作パエリャ!」とSNSで
自身が発表したのがこれ↓
“酢漬けキャベツのソフリット、エスプレット(唐辛子の一種)、タコの
炭焼き、イカの墨煮缶詰で作りました!”
…日本だと「イカ墨のパエリャみたいなもん?」
で、終わりそうだが、
ここスペインでは「パエリヤ警察」の輩が黙っているはずがなく、
「そりゃ単なる米料理だろ!パエリャじゃなぁあい!」
と、ネット上で多いにつっこまれた由。
(この「パエリャ警察」なるものは、伝統なるパエリャの調理法に
やたらこだわり、ほんの少しの異端も認めず、やたら人の料理に
首をつっこむメンドクサイネット住民であり、いわゆる「寿司警察」
「着物警察」などとおんなじ活動をしていると思われ。)
…そう、彼らのつっこみ所の一つが缶詰。
美味しくて手軽、便利でお手頃、
そんな庶民の味方である缶詰だが、
「座っただけで5万はとられるミシュランのレストラン
オーナーが、自身の創作料理に使う」
と、なんか騙された気分になって憤慨するんだ。
客になったわけでもないのに(爆)
とまあこんな感じで始まった今年のスペイングルメ界。
しつこいコロナの影がどんどん消えていって、
再び賑やかで楽しい、美味しい話満載に
なって欲しい!とここは切に願うのであります。