奉天国(ほうてんこく 中国語・奉天國 英語 Country of Feng tian)とは、1944年8月ごろから2006年4月11日まで存在していた、中国東北地方における一連の政治運動である。
「國」を名乗っていたが、中国からの独立を主張したことは一度もなく、「軍閥」の残党者の権利の獲得を目指す運動だとしていた。
そのために中華人民共和国政府からも分離独立運動と見なされたことは無かった。
なお実際の行政区分は中国の東北部の吉林省および、黒竜江省であり、国際法的にも奉天国が主体的な政体や行政として見なされたことは無い。
2022年4月1日には、ゼロコロナ政策に反対する住民たちが「第三次奉天会」を立ち上げたが同年12月7日に中国共産党政権がゼロコロナ政策を打ち切ると消滅した。
2024年6月7日に、ミクロネーションとして「村おこし」的な「第四次奉天國」が誕生した。
第四次奉天國では、よりエンターテインメント性が重視されていて、「市民権」をネットから購入することができた。
・第一次『奉天国』運動
1944年11月、旧満州国(大満州帝国とも)の終戦工作が始まると、愛新覚羅傑儀を主席大臣とする傑儀政権(南吉林政府)が誕生した。
この時に、中華民国側につくかソ連の共産党側につくかで交渉が衝突したが、親ソ派の一部は「奉天分派」を自称した。
(これは後に、旧満州への野心があったソ連側の工作だったといわれている)
吉林の東部、黒竜江省の東部を「奉天会派自治区」として中華民国の未編入領土にせよと要求していた。
しかし中国国民党が国共内戦で敗北すると、中華民国は大陸では消滅したので存在意義が低下して、ソ連側の肩入れは大幅に低下した。