アイランドシティ中央公園には何本か
ヒトツバタゴ=ナンジャモンジャの木があります。
この奥の方の真っ白いのがそれです。
いずれもまだまだ若い木です。
というのも、この樹自体が最近になって街路樹として急速に普及しているからです。
ここで、蘊蓄をいくつか披露させて頂きます。
① なぜ、「なんじゃもんじゃ」なのか?
木全体を真っ白く覆う姿に驚いた殿様が「あれはなんじゃ?」と尋ねたところ、答えに窮した家来が「う~、もんじゃ!」と答えたからだとかとか。
このときの家来が水戸黄門として有名な徳川光圀で、殿様が時の将軍だったとの逸話もあります。
なお、対馬の鰐浦では「うみてらし」とも呼ばれているそうです。一帯を埋め尽くす真っ白い花からそう呼ばれたのでしょう。
② どこに生えている?
植物の伝播は種子を近くに飛ばしたり、風や虫・鳥に運ばせたりと、徐々に生息地を広げていくものがほとんど。今でこそさかんに植樹されているのでヒトツバタゴはおなじみになってきましたが、日本での自生地は対馬・岐阜・愛知の三か所に限られています。そのため、それそれの地域では天然記念物に指定されているほどです。
このような分布を隔離分布と言います。ハマボウもその一つかと思いますが、これは種子が海流によって漂着することで分布したという原因が明らかです。ヒトツバタゴの自生地は海のない岐阜県や日本海側の対馬、太平洋側の愛知ですから漂着による伝播はあてはまりません。鳥が運んだとしてもこのような局地的分布になることの理由が判然としません。
③ ヒトツバタゴはオス? メス?
雌雄異株の木はイチョウやアオキが有名です。雌雄同株という珍しい博多の櫛田神社のイチョウを除き、このタイプの樹木はオスかメスかのどちらかです。「タゴ」の名前がつくことになった近縁種の「トネリコ(別名タゴ)」も雌雄異株です。
※なお、トネリコが複葉なのに対してヒトツバタゴは単葉なので「ヒトツバ」の名がつきました。
ところが、このヒトツバタゴには雌花だけつけるものはありません。雄花だけつけるものと雌花・雄花の両方をつける両生株の2種となっています。
とまあ、考えれば考えるほど不思議な植物だとしか思えません。
で、普段は福岡県芦屋町の「岡湊神社」や北九州市戸畑区の夜宮公園前の「はんじゃもんじゃ通り」、北九州市八幡西区の「吉祥寺」裏、折尾駅前まで出会いに行くのですが、なにせコロナ騒ぎなのと車がないので今年はアイランドシティの中央公園で我慢しています。あ、そうそう、香椎駅前からの通りにも発見して驚きました。
参考までに「岡湊神社」の様子もご紹介。ここは境内一面30本ほどが埋め尽くしているので壮観ですよ!
これは5月のカレンダーでも紹介しましたね。
このように遠目で見てもすごいのですが…
アップでご覧いただいても面白いのではないでしょうか?
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