水槽のガラス蓋の隙間からエサを入れると、
隔離中のスベスベが入っているドライペットの容器に
うまいことスルリと数個落ちます。
自分の分を食べ終えた小鉄が
クルクルまわりながらその餌を狙っておりました。
動画をTouTubeにあげました。
以前はupするのに時間がかかりすぎていましたが、
どうやら改善されたようで「あっ」という間に完了。
短い動画ですが実際はこのドリル回転を何度も繰り返します。
暫く経つと流石に取れないと悟るようです(笑
ひぇー。遅くなっちまっただ。
「明日かくたぶん。」と書いておきながら
ダイブ間が開いてしまいました。
ブログにコケが生えてしまって
画面が見にくくなっていることと思います。
「アノヤロー、いい加減そろそろ書いたんじゃないか?」と
ちょこちょこのぞきに来てくれていた方ごめんなさい。
とりあえず、いまのところミドリフグの小鉄、元気にしております。
若干、痩せて細くなっておりますが。
ほそながー。
さて、前前回キロクしました通り、ミドリフグの小鉄は、
6月になってすぐのあたりから左のお腹を上にして、
ぽかんとひっくり返って浮いておりました。
今までも、ナナメや横になって泳いでおりましたが
今回は違っていました。
水中に潜ってもお風呂に沈めた風船のように
ぽよーんと浮かんで水面にでてきてしまう。
ほげー。
どうしたもんかな、浮いてしまうぜよ。
また時折、苦しそうにばしゃばしゃ暴れ、
片方の舵が壊れた船のおもちゃのように
水面をクルクルくるくる回っておりました。
ぐるぐる・・・。
この状態が約一ヶ月続きました。
エサもほとんどとれず、痛々しくなんともかわいそうでした。
この症状についていろいろと調べてわかったことは
・転覆病とか浮袋障害といわれている
・現在明確な治療方法はない
・消化不良の場合、水温を上げて餌を控え脱糞を促す
・薬品は役に立たない
・水面に出ている部分が腐る
・生まれつき浮き袋の機能に問題があるものはどうにもしようもない
という非常に厳しいものでした。
しかもそれはほとんど金魚のはなし。
とりあえずは絶食することが基本らしいので
1週間試してみましたがまったくもって症状はかわらず。
その間、水面に出ている部分がやられてはイカンと
ガードをつくってみて対応しておりました。
乾燥防止。お肌ケア。
このまま指をくわえて様子をみるのもアレだったんで
金魚が転覆したときにするという「ココア浴」というものを試してみました。
世界のココア「vanhouten」を買って来てまずは飲んでみる。
うん、これは砂糖を自分で入れるやつなんだね、苦し。
で、まずはプラのタライでチャレンジ。
テケトーに溶かして小鉄をイン。
どーなの?どーなの?と
みているとゲボゲボーっと痰のようなものを
吐き出しましたかそれ以上のことはなく
1時間で終了。
苦いわ、これは。砂糖入れるんじゃないのゲボボ・・・。
写真撮る余裕あり。やさしく抱っこ。
抱っこ慣れしてない彼はこのあと大暴走して
辺りはいつものように大惨事になり余裕などなくなりましたケド。
こんな地道な方法を毎日するわけにはいかないので
水槽に直接ココアを少しずつ毎日入れるという方法で
2週間ほど様子を見ました。
もちろんココアは水を汚すので換水しつつ。
でも一向に回復する気配はありませんでした。
この方法は消化を助けて便秘を解消する術。
小鉄のケースはただの食べすぎではなさそうでした。
そうこうしているうちに小鉄が痩せていきましたので
やばい、このままでは非常にやばい。と危機感を持ちまして
いよいよ針でぷすっと刺して空気を抜くしかないと決心。
早速、会社から小さなプラスチック製の注射器をもらってきました。
よーし、これでガスガス抜いちゃるけんね。
とはいえ若干不安。
先駆者がいないかとケンサクしてみると
・元に戻るかどうかは難しく成功率は高くはない。
・刺しどころを間違えるとアウト
・ガス抜きは失敗すればたちどころに死ぬ
・空気は抜いてはいけない
との脅しともいえるような記述。
これはなかなかタイヘンだなと
「イザ!やったるでぇ!」という気持ちが少し衰えてしまいました。
また、河豚の浮き袋は、2種類あることがわかりました。
河豚独特のぷくーっと膨らませる胃の一部である「膨張嚢」と
ガスを溜めたり抜いたりして浮力調節を行う気体の詰まった
袋状の「鰾(ひょう)」という器官。
こちら膨張嚢。
あの膨れる袋は胃の一部だったんですな。
ドウリデ食欲は底知れずなわけだ。
食べ放題で服の下に隠したナイロン袋に
食べ物をつめこんでいるようなもんか、いやそれは違うか。
ほんでこちらが一般的に浮き袋と呼ばれる「鰾」。
この図と小鉄を見比べる限りでは、膨張嚢ではなく
鰾、もしくは胃に溜まった空気調節が
うまくいっていないのかもしれないな。と。
ただ、この「鰾」という器官はヒトの肺と同様の機能をもつらしく
血中のガス交換を行う器官でもあり
ただ単純に空気が入っているだけのものでもないらしいのです。
割れたらオワリ。。。。
決心が揺らぎます。
また一方、トラフグの養殖している方のHPで
この状況はフグによく起こり、
空気をエラの下から抜いているということを知りました。
ただこれは膨張嚢でのはなし。
さてこの一発勝負、
オペを失敗したら終わりというシビアな条件に
なかなか実行に移せずに更に日は過ぎていきました。
これではイカンぞ、イカンぞ。といよいよ追い詰めれれまして
ひらめいたのが専門家に聞いてみようということ。
フグといったら「海響館」だろうということで
「助けて教えてメール」をだしましたところ
なんとすぐに返事が返ってきました。
その内容をそのまま掲載します。
勝手に掲載して良かったかな。。
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フグの仲間ではお腹が膨らんでしまう症状はしばしば起こるようです。
治療についての適切なアドバイスは私たちでもきちんとしたものを持っておりません。
お考えのように、膨らんでいる部位より注射器で抜くのを試してみられてはどうでしょうか。
気体が溜まっているのが腹腔内であれば有効な手段です
(腹腔内か消化管内かを調べるにはレントゲンが必要となるためあきらめるしかありません)。
胸びれの後方から体表を通し、臓器を傷つけないようイメージしながら針を動かします。
眼にはみえないところの対処のため難しいとは思いますがそのまま経過を見るよりはよいかと思います。
市立しものせき水族館
土井啓行
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土井さんのこの回答メールは非常にありがたかったです。
やはりフグはこういう症状が起こるんですな。
そして、空気抜きは有効な手段だとお墨付きをいただきましたので
よーやくオペにふみきったわけであります。
オペ3へつづく。