図書館で「フグはフグ毒をつくらない」という野口玉雄さんの本が目に留まったので手に取り、見開きの写真に驚いた。
ミドリフグに毒(テトロドトキシン)がある!!
これはどういうことなのか?と早速、会員証をつくって借りてきた。
読んだ結果からいうと、『ミドリフグの小鉄には毒はない』。
『ふぐ毒は食物連鎖による生体濃縮、毒の蓄積である』という定説の通り、毒のある生物(食物)を食べていないとミドリフグも毒を持たない。本に載っていた毒のあるミドリフグは自然界の成魚個体なのだろう。
でもミドリフグは「シロサバフグ」のように「毒をもたない魚」だと思っていたので、「自然界にいるミドリフグは毒を持つ」という事実にはやっぱり驚いた。
その他にこの本は、ふぐ毒(TTX)について知らなかったことがたくさん書いてあって実に面白かった。
・生体濃縮によるのだからふぐ毒はふぐ以外も持っている
・アカハライモリも同様にフグ毒を持つ(小さいころ手で持って遊んでいたよ。)
・養殖によって全く毒のないトラフグを生産することができる
・養殖トラフグのブランド化が既に存在し、トレサがとれていること
・マウスユニットという毒の強さの単位がある(マウス的にどうなのよ的な)
・ふぐ毒のメカニズム
・ふぐ毒の分析方法
・ふぐ毒の使い道などなど
また、「ふぐの死骸」を食べた「巻貝」に毒が連鎖蓄積し、それを採取して食べた人が中毒になったという事例が書いてあって驚いた。なんだか海で自己採取してきた貝などを食べるのが心配になりそう。というほど神経質でもないケド(笑
あと、「サイエンスZERO」で、だいぶ前に見た記憶があるんだけど、フグは「ふぐ毒」を天敵対応の『毒』として体内に蓄積しているだけでなく、この毒によって免疫力を高め、さらに精神安定剤的な効果もあるらしい。
本にも載っていたが、養殖されたフグは無毒で噛み合いをするが、面白いことに毒を与えると噛み合いをしなくなるということだ。また、フグは天敵から身を守るためでなく、ただ「必要な物質」だから摂取しているという見方もあるようだ。
たしかに、身を守るためなら毒を内に持つ必要なないような気もする。食べられてからでは遅いもんね。
小鉄が気性が荒いのは、毒(精神安定剤)がないからだったのか・・・・のか?