≪第105回全国高校野球選手権大会≫
【決勝】
慶応(神奈川) 仙台育英(宮城)
いよいよ頂点が決まります。
今年105回夏の甲子園の決勝戦。
かたや昨年全国制覇、連覇を狙う最強軍団・仙台育英、
こなた107年ぶりの全国制覇を狙う若き血・慶応。
選抜での直接対決では、
仙台育英が延長タイブレーク、2-1で接戦をものにしています。
思えばコロナ前、
2019年の決勝も履正社vs星稜の顔合わせで、
春の選抜1回戦の再戦。
この時は選抜で完封負けを喫した履正社が、
見事星稜の大エース奥川を攻略して、
全国制覇を成し遂げています。
とても興味深いこの対決、
果たしてどのような展開になるのでしょうか。
仙台育英は150キロトリオを擁する投手陣が、
どんどんその真価を発揮してきました。
初戦こそ強打の浦和学院に18安打と打ち込まれましたが、
ひるむことなく続く聖光学院、履正社、花巻東、神村学園と、
次から次からやってくる強豪を相手に、
湯田・高橋の2本を中心に無駄な点を与えず試合を作ってきました。
特に履正社戦の高橋、花巻東・神村戦の湯田と、
試合を経るごとに安定した投球を見せ、
盤石な投手陣となっています。
一方の打線も、
並みいる好投手を相手に、
硬軟織り交ぜた多彩な攻めで得点を取ってきて好調を維持しています。
特に橋本、山田の1・2番と9番の住石が高確率で出塁し、
足を絡めて揺さぶりをかけ相手を翻弄。
そこに中軸から当たっている下位打線が長打を絡めて返すという、
理想的な攻撃ができています。
心配されるのは度々破綻の芽を見せる守備ですが、
ここは多少目をつぶってもいいでしょう。
実際好プレーも随所に出ていますから、
「守備が悪いチーム」かといえばそうとも言えず、
接戦の後半にはしっかり守れるところも見せています。
連覇の重圧がかかる決勝ですが、
彼らの経験値はそれを跳ね返すだけのものを持っていると思われます。
一方の慶応。
この快進撃は、
神奈川県大会の準決勝から始まっていました。
準決勝では東海大相模をコールで一蹴、
そして決勝では3連覇を狙った横浜を、
最終回の劇的な逆転3ランによって葬り去りました。
この勢いを持って入ってきた甲子園、
「慶応日本一」の旗印の下、
グラウンド・スタンド一体となったものスゴイウェーブを起こして、
ここまで甲子園を席巻しています。
選手たちはまるでこの大甲子園が自分の庭であるかのように、
伸び伸びと本来のプレーを発揮して快進撃を続けていますね。
大きなヤマだった3回戦の優勝候補・広陵との一戦で、
後半追い詰められながらしのぎ切ってタイブレークで勝利。
これでもう、怖いものはなくなったみたいですね。
準々決勝の沖縄尚学戦、準決勝の土浦日大戦は、
何か選手がより一層どっしりと構えて、
「負けるわけがない」と試合に臨んでいる姿が垣間見えました。
こうなると「エンジョイベースボール」「シンキングベースボール」の真価が発揮されます。
そして心強いのはスタンドの大声援。
慶応あげての数と声で圧倒する応援はすさまじいものがあります。
神宮の六大学でも聞いたことがないような、
ハイボルテージの若き血の大合唱は、
甲子園の応援の歴史に新たな1ページを書き込んでいるようです。
今日もすごいんだろうなあ。。。
戦力的には、
準決勝で見事な完封勝ちを飾った2年生エース・小宅が一回りも二回りも成長。
鈴木、松井にも安定感があるだけに、
投手陣では質・量ともに仙台育英に引けは取らないでしょう。
打線は当たっているトップ丸田に、
2番八木が準決勝で復調。
1・2番の出塁が決勝ではカギとなるだけに、
心強い布陣となっています。
心配は今一つ当たりの出ていない3・4番ですが、
県大会決勝で逆転3ランを放った渡辺千には期待してもいいのではないでしょうか。
また、延末、渡辺憩、福井、大村と続く下位打線は見事なつながりを見せているため、
どこからでも攻撃の起点を作ることができる打線です。
決勝のカギはやはり先制点でしょう。
同型のチームと見えるだけに、
やはり先取点が大きくものをいう展開になるのではないかと思われます。
ハイスコアリングゲームは考えづらく、
やはり選抜の時のような1点をめぐる攻防か、
とっても3点勝負ぐらいになるのではないでしょうか。
ワタシはこの対決、
なんだか06年の決勝が被って見えます。
夏3連覇を狙った駒大苫小牧に対し、
100年優勝を待ちわびた早実が、
引き分け再試合を制したあの決勝です。
あのときも早稲田の底力を見た気がしたものですが、
今回も連覇を狙う北の雄・仙台育英に対し、
慶応の底力がどこまで発揮されるか。
本当に楽しみな決勝戦です。
この大会、ワタシは連日、
ワクワク、ドキドキしっぱなしなんですが、
この試合もなんだか、
全くどっちが勝つかわからないので、
ドキドキが止まりません。
心が全部持っていかれた今年の夏の甲子園。
フィナーレにはどんなドラマが待っているのか。
開幕はすぐです。
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