動物糞便学研究室

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ヒモミノガとキノコヒモミノガ

2023-07-19 02:27:43 | 紹介
ヒモミノガとキノコヒモミノガ、学名未同定種である。
国際的な名前がまだない種である。

キノコヒモミノガ(下の写真)に最初に出会ったのは2021年の初春であったろうか。
シハイタケ属のキノコにぶら下がっている蓑を見た。



蓑はキノコでできていて細長い。
どうもキノコと木の表面に生えている苔を食べているようであった。

キノコと苔を食べることで体を維持し、羽化して成虫になる。
このエネルギーをものすごく必要とする過程をキノコと苔で過ごすのである。

エネルギーを作り出せる体を維持するには。
腸内細菌が重要なのかと。うんちを調べる私は考えてしまったのであった。

で、いざ腸内細菌を調べようと思ったところ学名未同定。
名前が無いのだから国際的な学術雑誌に名前が載せられないし、投稿もできない(と思っていた。)。

まず、ミトコンドリはDNAを調べて既存のミノムシとの差異を評価した(論文執筆中)。

と、ここまでで4年間を費やした。
研究費は獲得できず自分のお金で全ての研究を進めた。

そして今、やっとウンチの研究を始めた。

下はウンチの写真、No. 27, 28がキノコヒモミノガ幼虫のうんち。食べたキノコがそのまま出ている。タワシのように。菌糸も見える。
No. 29はヒモミノガのウンチ。キノコは食べていないようであった。

この差異を調べた研究論文を蛾類学会発行する雑誌に投稿し、掲載されている(Morphological characteristics of larval case and larval mandible of Gen. et sp. (Psychidae) in Japan. THE JAPAN HETEROCERISTSʼ JOURNAL,303:114-120 2022)。

興味のある方は是非ご連絡を!



必ずキノコと苔をエネルギーにできる仕組みを解き明かしたいと夢見ながら。







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