私の研究室ではさまざまな生物の腸内細菌を調べている。
深海魚の腸内細菌も気になるところで、今回は深海魚の中でも人気のあるギンザメ(*1)の腸内細菌を調べてみた。
【*1:HP参照:https://www.zukan-bouz.com/syu/ギンザメ】
詳細については下記の論文でご覧いただけます。
題目等;16S rRNA gene amplicon sequencing of the gut microbiota of Chimaera phantasma (silver chimaera) captured off Koshimoda in Suruga Bay, Japan.
Microbiology Resource Announcements,e01149-22 2023
HP:https://journals.asm.org/doi/10.1128/mra.01149-22
2022年4月から5月にかけて駿河湾小下田沖で採取されたギンザメの腸内細菌叢を次世代シークエンサー(*2)で網羅的に解析しました。
【*2:HP参照:https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/73/column4.html#:~:text=DNAを構成する塩基,世代シークエンサーと呼びます%E3%80%82】
全体として123種の腸内細菌が存在することがわかりました。
また、Pseudomonadota(論文には旧名称Proteobacteriaとして記載)に属する細菌が主要な種として存在しました。
その中でも特に、Photobacteriumが多く存在していました。
Photobacteriumは発光性があり好塩性(ある程度の塩濃度でも生存可能)の細菌であり、深海魚の腸内細菌としても知られていました。
ギンザメの腸内に存在したPhotobacteriumが、
捕食由来のものなのか?
腸内常在細菌なのか(腸内で育てて自身の発光に役立てているのか?)?
は確かではありません。
今後の研究に乞うご期待。
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