風評被害のブログ

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何故ベント前にメルトダウンなのか

2020-09-13 02:00:23 | 日記

福島第一原発の事故調査報告では必ずベント前からメルトダウンが始まっていた事になっている。
NHKの再現ドラマに出てくるCGでもそうなっている事からも分かる。

しかし、これは重大な誤りであり、ちょっと知識の有る人なら直ぐに気付く事である。

事故の概要を簡単に記すと、地震で緊急停止した後に津波が来て、非常用バッテリーや発電機が浸水して(地震での損傷も合わさって)外部電源が消失し、タービンを回す蒸気の復水器のポンプが停止。非常用復水器のコントロールも不能になって圧力容器内の水量のコントロールが出来なくなる。

この場合、真っ先に考えるのは、電源の復帰と復水器の修復である。
電源の復帰は外部より発電機を調達すれば良いので、東電本部の対応で調達が可能だったはず。
問題は復水器の修復である。

資料によると復水器の修復には至らず、水位の低下が見られた。
CGではここでメルトダウンが始まっているが、圧力容器は密閉されている(普段から高圧で運用されている)筈なので、「水の臨界現象」の理論からメルトダウンは起きない。

但し、水位が下がって燃料棒が露出すると水素が発生して非常に危険な状態になる。

建屋が爆発するが、原因は使用済み核燃料の保管プールの水位が低下して、使用済み燃料棒が露出したので(水蒸気の放射線分解による)水素が建屋内に充満した為と考えられる。
作業員が建屋内に入った時に放射線量が上昇しているのを確認しているが使用済み核燃料が露出していたからと思われる。

もし圧力容器内の水位が低下し、燃料棒が露出すると水蒸気が放射線で分解されて水素が発生し、圧力容器内に水素が充満する。
燃料棒の温度が高いので、そのままでは圧力容器が爆発する可能性が有る。(チェルノブイリは圧力容器の爆発で燃料棒の破片が広範囲に散らばった。)
これが本当の「最悪の結果」である。

最悪の結果を避ける為に、水位の低下を確認後にベント(圧力容器の開放)を行う決断がなされた。(NHKのCGではこの時、既にメルトダウンしているが実際はしていない。)
ベントすると内圧が掛かっているので(圧力鍋で沸騰している時に蓋を開けるのを想像してほしい)、一気に蒸発する。
この時に燃料棒がメルトダウンがするのは当然である。

問題は何故、ベントする前からメルトダウンしていた事にしなければならなかったのか?である。
理由は、ベント後にメルトダウンした事実が分かってしまうと困るからである。
という事は、ベントの指示が東電で行われたのでは無い可能性が出てくる。

もし、復水器の修復を東電が模索していて、修理が可能であった場合、福島第一原発の廃炉は疎か、地域住民への損害賠償も無かった事になる。
それを押しのけてベントを指示した人物が東電以外の人物であったとしたら非常に大きな責任問題となり得るのである。

つまり、東電は現在、加害者になっているが、ベント後のメルトダウンだと被害者になる可能性が残るのでメルトダウンとベントを切り離したかったのである。

東電は本事故の加害者である事を認めているが、「事故調査の結果がそうなっているから」というだけであり、認めざるを得ないのである。
しかも、国から融資を受けていて実質上の国有企業となっているので疑義が有っても何も言えない。
しかし消費者にとっては実に不愉快である。