津軽藩ねぷた村の筋向かいに、時代を感じさせる建物があります。
軒下には朝顔と涼しげな青い幟がはためき、清涼感を演出しています
ここは、『丸富川染工場』といって、天明・寛政(1781年~)の頃から続いている紺屋(染め物屋)さんなのだそうです
そして、現在では希少な存在となってしまった“天然藍染”にこだわった紺屋さんでもあります。
建物の中に入ると、甕と藍の花木がお出迎えしてくれました
この甕は“藍甕(あいがめ)”と言って、藍染液を入れておくものです。
実はこの藍甕、江戸時代からのものなのだそうですよ
左の写真は、乾燥させた藍の葉です。これを発酵させると茶色の“蒅(すくも)”に変化します
この“蒅”を藍甕に入れて木灰汁(あく)で溶かし、更に発酵させると染液になるそうです
(※蒅に含まれる青色色素はアルカリにしか溶けないため、木灰汁[強アルカリ性]を使用するとのこと。)
右の写真の藍甕の中に泡が見えます。
これは「藍の花」といって、この泡が出てくると染色できるようになるのだそうです
そして、藍甕は染液の温度を一定に保つために本来は床に埋め込むのだそうですが、こちらの藍甕は床に埋まっていません・・・???
というのも、高い位置にある方が体験学習には適しているので、このためにヒーターを装備した特別な土台を作り、中に甕を配置したのだそうです。
さ~て、いよいよ藍染体験の開始です
今回染めたものはハンカチです
「銀河花火(左写真)」という手法と、「わゴム(右写真)」を使った手法で染めてみました
「銀河花火」は、まず水で湿らせてから好きなだけネジネジしていきます。
「わゴム」は、好きな個所に好きなだけわゴムで縛っていきます。
「銀河花火」は、ネジネジが終わったら専用の染籠に入れてから木灰汁に浸し、水気を切ります。
「わゴム」は、そのまま浸してから水気を切ります。
木灰汁に浸すことによって染まりやすくなるのだそうですよ
ちなみに木灰汁とは、木を燃やしてできる灰に熱湯を加え上澄みだけをとったものだそうです。
そして、いよいよ染める作業に入るのですが、この作業が意外とキツい・・・
染色の好みによって回数は変わってくるのですが、私たちは2分間浸したら空気に触れさせ、という作業を3回繰り返しました
(※空気に触れさせることで酸化し、青く発色するのだとか。)
中腰での2分間は結構しんどく、写真のUJは腰砕け寸前でした
じゃ~ん染め上がりました~
ちなみに、左写真は藍甕から出した直後のもので、緑がかった青色をしています。
それを、冷たい井戸水で洗うと、右写真のように目の冴えるような藍色に変わるんです 不思議ですよね~
最後に脱水機にかけ、乾かすと完成です (※左が「銀河花火」で、右が「わゴム」)
ハンカチを乾燥させている間、藍の葉のお茶を出してくれました
ほのかにあまい、美味しいお茶でした ごちそうさまでした!
§丸富川染工場§
■住所 青森県弘前市亀甲町63
■TEL/FAX 0172-35-6552
■営業時間 9:00~17:00 (但し11~3月は、9:00~16:00)
■定休日 毎週木曜日
■建物見学料 一般¥200 / こども(小中高生)¥100
■体験学習料 ハンカチの籠染¥1,100~ほか(※詳しくは、下記HPを参照ください)
■最寄駅 JR弘前駅(奥羽本線)
(駅から車で約7分、徒歩約30分 ※駅からは、ためのぶ号 [津軽藩ねぷた村下車]が便利です)
■HP http://www004.upp.so-net.ne.jp/aizome/
by ヴァ♪