

「人に会う」と「人と会う」の違い、少しややこしいですね。
例文を交えて分かりやすく説明します。
1. 助詞「に」を使う場合:「人に会う」
- 意味:
- 特定の人物に会う、という意味です。
- 会う相手が明確な場合に使い、会う行為の目的がその人との面会にあることを示します。
- ニュアンス:
- 相手に焦点を当て、その人に会うことを目的としているニュアンスです。
- 会う行為が一方的な場合や、目的が明確な場合に使うことが多いです。
- 例文:
- 「明日、先生に会います。」(先生に会うことが目的)
- 「駅で友達に会いました。」(偶然、友達に会った)
- 「来週、彼氏に会う予定です。」(彼氏に会うことが目的)
2. 助詞「と」を使う場合:「人と会う」
- 意味:
- 誰かと一緒に会う、という意味です。
- 会う行為を共にする相手がいることを示し、一緒に何かをするニュアンスを含みます。
- ニュアンス:
- 相手と一緒に何かをする、または共同で行動するというニュアンスです。
- 会う行為が相互的な場合や、一緒に何かをする場合に使うことが多いです。
- 例文:
- 「友達と一緒に先生に会います。」(友達と一緒に先生に会う)
- 「昨日、友達と映画を見に行きました。」(友達と一緒に映画を見た)
- 「来週、彼氏とデートする予定です。」(彼氏と一緒にデートをする)
3. 違いのまとめ
- 「人に会う」:特定の人物に会うことに焦点を当て、会う行為の目的がその人との面会にあることを示します。
- 「人と会う」:誰かと一緒に会うことに焦点を当て、会う行為を共にする相手がいることを示します。
4. 補足
- 「人と会う」の「人」は、具体的な個人を指す場合もあれば、不特定多数の人々を指す場合もあります。
- 例:「いろいろな人と会って、話を聞きたいです。」
- 日常会話では、「人に会う」と「人と会う」は、厳密に区別されないこともあります。
5. 練習問題
次の文の( )に「に」または「と」を入れてください。
- 明日、会社の先輩( )会います。
- 昨日、友達( )買い物に行きました。
- 来週、家族( )旅行する予定です。
- 駅で偶然、昔の先生( )会いました。
- 将来は、色々な国の人( )友達になりたいです。
答え
- に
- と
- と
- に
- と
これらの例文と練習問題を通して、「人に会う」と「人と会う」の違いを理解し、正しく使い分けられるように練習してください。
「~んですか」は、相手に質問したり、何かを確認したりする時に使う表現です。少しカジュアルな言い方なので、親しい人や友達との会話でよく使われます。
1. 理由や原因を尋ねる場合
- どうして遅れたんですか。
- どうして昨日、学校を休んだんですか。
- どうしてそんなに疲れているんですか。
- どうしてこのレストランを選んだんですか。
- どうして日本語を勉強しているんですか。
2. 状況や状態を尋ねる場合
- 具合が悪いんですか。
- 何かあったんですか。
- 道に迷ったんですか。
- 寒いんですか。
- 喉が渇いたんですか。
3. 確認や念押しをする場合
- 明日、テストがあるんですか。
- 宿題はもう終わったんですか。
- これはあなたの傘なんですか。
- 本当にそれをやったんですか。
- 明日、日本に帰るんですか。
4. 軽い驚きや感動を表す場合
- え、結婚するんですか。おめでとうございます!
- 自分で作ったんですか。すごいですね!
- もう日本語で話せるんですか。上手ですね!
- この絵、あなたが描いたんですか。素晴らしいですね!
- もう日本に来て1年になるんですか。早いですね!
5. 丁寧な依頼や提案をする場合
- 「すみません、ちょっと聞きたいことがあるんですが…。」「もしよかったら、一緒にご飯でもどうですか。」
- 「もし時間があれば、手伝ってほしいんですが…。」「ちょっとお願いがあるんですが、いいですか。」「もしよかったら、これを試食してみませんか。」
「~んですか」を使う時の注意点
- 「~んですか」は、丁寧な表現ではありますが、少しカジュアルな言い方です。目上の人やあまり親しくない人には、「~のですか」を使った方がより丁寧です。
- 「~んですか」は、相手に理由や状況を尋ねる時に使うことが多いので、相手が答えにくいことや個人的なことを尋ねる時は、注意が必要です。
練習問題
答え
- んですか
- なんですか
- ですか
- ですね
- か
「~やりますか」と「~やるんですか」の違いについて、分かりやすく説明します。
1. 「~やりますか」
- 意味: 相手の意志や予定を尋ねる時に使います。
- ニュアンス: 相手がこれから何かをするかどうかを、直接的に尋ねる感じです。
- 例文:
- 「明日、サッカーやりますか?」 (明日、サッカーをする予定がありますか?)
- 「一緒にゲームやりますか?」 (一緒にゲームをしませんか?)
- 「宿題を今からやりますか?」(今から宿題をしますか?)
2. 「~やるんですか」
- 意味: 相手の行動や状況について、理由や背景を含めて尋ねる時に使います。
- ニュアンス: 相手が何かをする理由や、その状況について、少し疑問や興味を持って尋ねる感じです。
- 例文:
- 「明日、サッカーやるんですか?」 (明日、サッカーをする理由があるんですか?)
- 「一人でゲームやるんですか?」 (一人でゲームをする理由があるんですか?)
- 「今から宿題やるんですか?」(今から宿題をする必要があるんですか?)
違いのまとめ
- 「~やりますか」は、相手の行動予定をシンプルに尋ねる。
- 「~やるんですか」は、相手の行動の理由や背景を含めて尋ねる。
もう少し詳しく
- 「~やるんですか」は、相手の行動に対して、少し驚きや疑問、または興味を持っている時に使われることが多いです。
- 例えば、友達が普段しないことをする場合や、何か特別な理由がある場合などに、「~やるんですか」を使うと、より自然な会話になります。
外国語でのニュアンス
- 英語では、「~やりますか」は "Will you do...?"、「~やるんですか」は "Are you going to do...?" または "Why are you doing...?" に近いニュアンスです。
- 他の言語でも、同様に、相手の意志を尋ねる表現と、理由や背景を尋ねる表現を使い分けることで、ニュアンスの違いを伝えることができます。
これらの違いを理解して、より自然な日本語会話を楽しんでください。
- 「~やるんですか」:
- 例:「明日、サッカーやるんですか?」→「明日、サッカーをする理由があるんですか?」
- 説明:なぜサッカーをするのか、その理由や背景に興味がある時に使います。
- 「~やりますか」:
- 例:「明日、サッカーやりますか?」→「明日、サッカーをする予定がありますか?」
- 説明:サッカーをする予定があるかどうか、相手の意志をシンプルに尋ねます。
2. 状況や状態を尋ねる場合
- 「~やるんですか」:
- 例:「一人でゲームやるんですか?」→「一人でゲームをする状況なんですか?」
- 説明:なぜ一人でゲームをするのか、その状況に疑問や興味がある時に使います。
- 「~やりますか」:
- この使い方は少し不自然です。「一人でゲームをしますか」の方が自然です。
- 説明:一人でゲームをするかどうか、相手の意志をシンプルに尋ねます。
3. 確認や念押しをする場合
- 「~やるんですか」:
- 例:「宿題、今からやるんですか?」→「宿題を今からやる必要があるんですか?」
- 説明:今から宿題をする必要があるのか、その状況を確認する時に使います。
- 「~やりますか」:
- 例:「宿題、今からやりますか?」→「宿題を今からする予定ですか?」
- 説明:今から宿題をする予定があるかどうか、相手の意志を確認します。
4. 軽い驚きや感動を表す場合
- 「~やるんですか」:
- 例:「もう日本語で話せるんですか?」→「もう日本語で話せるようになったんですか?すごい!」
- 説明:相手が日本語を話せるようになったことに、驚きや感動を表します。
- 「~やりますか」:
- この使い方は不自然です。
- 説明:驚きや感動を表す場合は、「~やるんですか」を使うのが自然です。
5. 丁寧な依頼や提案をする場合
- 「~やるんですか」:
- この使い方は不自然です。
- 説明:依頼や提案をする場合は、「~ませんか」や「~ましょうか」を使うのが自然です。
- 「~やりますか」:
- 例:「一緒にゲームやりますか?」→「一緒にゲームをしませんか?」
- 説明:相手をゲームに誘う時に使います。
ポイント
- 「~やるんですか」は、相手の行動の理由や背景に焦点を当てます。
- 「~やりますか」は、相手の意志や予定をシンプルに尋ねます。
これらの違いを理解して、状況に合わせて使い分けてみてください。
「~んです」は、日本語の会話でよく使われる表現で、様々な意味と使い方があります。ここでは、主な7つの意味と使い方を、例文を交えて説明します。
1. 理由・原因の説明
- 意味: ある事柄の理由や原因を説明するときに使います。
- 例文:
- 「遅れてすみません。電車が遅れたんです。」
- 「このケーキ、美味しいんです。母が作りました。」
2. 状況・状態の説明
- 意味: ある状況や状態を説明するときに使います。
- 例文:
- 「彼は今、入院しているんです。」
- 「この部屋、寒いんです。」
3. 相手への質問・確認
- 意味: 相手に質問したり、確認したりするときに使います。
- 例文:
- 「どうしたんですか?何かあったんですか?」
- 「それは本当なんですか?」
4. 軽い驚き・感動
- 意味: 何かを聞いたり見たりして、軽い驚きや感動を表すときに使います。
- 例文:
- 「え、結婚するんですか?おめでとうございます!」
- 「この絵、すごいんですね。誰が描いたんですか?」
5. 丁寧な依頼・提案
- 意味: 相手に丁寧な依頼や提案をするときに使います。
- 例文:
- 「すみません、ちょっと聞きたいことがあるんですが…」
- 「一緒にご飯でもいかがですか?」
6. 念押し・強調
- 意味: あることを念押ししたり、強調したりするときに使います。
- 例文:
- 「絶対に秘密ですよ。誰にも言わないでくださいね。」
- 「これが最後のチャンスなんです。頑張ってください!」
7. 話し手の気持ち・感情
- 意味: 話し手の気持ちや感情を表すときに使います。
- 例文:
- 「悲しいんです。彼と別れてしまいました。」
- 「嬉しいんです。ずっと会いたかった人に会えました。」
JLPT N4レベル 4択問題
問題1:
「どうして昨日、学校を休んだんですか?」
- 風邪を引いたんです。
- 風邪を引きました。
- 風邪を引きます。
- 風邪を引くんです。
問題2:
「この本、面白いですか?」
- はい、面白いんです。
- はい、面白いです。
- はい、面白かったです。
- はい、面白いでしょう。
問題3:
「何かあったんですか?元気がないですね。」
- ちょっと疲れたんです。
- ちょっと疲れました。
- ちょっと疲れます。
- ちょっと疲れるんです。
問題4:
「このケーキ、美味しいですね。」
- ありがとうございます。私が作ったんです。
- ありがとうございます。私が作りました。
- ありがとうございます。私が作ります。
- ありがとうございます。私が作るんです。
問題5:
「すみません、この漢字の読み方を教えてください。」
- いいですよ。この漢字は「読む」ます。
- いいですよ。この漢字は「読みます」です。
- いいですよ。この漢字は「読みます」んです。
- いいですよ。この漢字は「読む」んです。
解答:
- 1
- 2
- 1
- 1
- 2
解説:
これらの問題は、すべて「~んです」の基本的な使い方である「理由・原因の説明」を表しています。
「~んです」は、文末に接続することで、話し手の気持ちや意図を伝えることができます。JLPT N4レベルでは、基本的な意味と使い方を理解しておくことが重要です。
問題1:
「どうして昨日、学校を休んだんですか?」
- 風邪を引いたんです。
- 風邪を引きました。
- 風邪を引くつもりです。
- 風邪を引くかもしれません。
問題2:
「この本、面白いですか?」
- はい、とても面白いんです。
- はい、面白いです。
- はい、読みました。
- はい、少し難しいです。
問題3:
「何かあったんですか?元気がないですね。」
- ちょっと疲れたんです。
- ちょっと疲れました。
- 何もありません。
- 少し考え事をしています。
問題4:
「このケーキ、美味しいですね。」
- ありがとうございます。私が作ったんです。
- ありがとうございます。私が作りました。
- どういたしまして。
- 気に入っていただけて嬉しいです。
問題5:
「すみません、この漢字の読み方を教えてください。」
- いいですよ。この漢字は「読む」んです。
- いいですよ。「読みます」よ。
- この漢字は「書く」と読みます。
- この漢字は「意味」が難しいですね。
解答:
- 1
- 2
- 1
- 1
- 2
学校では日本語、家では母語を話す子ども・・大丈夫ですか!
ダブルリミテッドとは、二言語環境に身を置く人が、両方の言語において年齢相応の能力を獲得できていない状態を指します。
ダブルリミテッドの状態
例えば、日本語と英語の二言語環境で育つ10歳の子どもが、日本語も英語も6歳レベルの能力しか持っていない場合、その子はダブルリミテッドの状態にあると言えます。
原因
ダブルリミテッドの原因は様々ですが、主な要因としては以下のようなものが挙げられます。
- 母語の習得不足: 母語の基礎が十分に固まっていない段階で第二言語の学習を始めると、両方の言語が中途半端になることがあります。
- 学習時間の不足: 二つの言語を学ぶための十分な時間が確保できないと、どちらの言語も十分に習得することが難しくなります。
- 学習環境の不足: 二つの言語を学ぶための適切な教材や指導者が不足していると、学習効果が低下することがあります。
問題点
ダブルリミテッドの状態が続くと、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 学習の遅れ: 言語能力が不足すると、学校の授業についていけなくなり、学習が遅れてしまうことがあります。
- 思考力の低下: 言語は思考の道具でもあるため、言語能力が不足すると、思考力や表現力が低下することがあります。
- コミュニケーション能力の低下: 二つの言語を十分に使いこなせないと、周囲の人とのコミュニケーションが円滑に行えなくなり、孤立感を深めてしまうことがあります。
- 自己肯定感の低下: 言語能力が不足すると、自信を失い、自己肯定感が低下してしまうことがあります。
対策
ダブルリミテッドの状態を改善するためには、以下の対策が考えられます。
- 母語の習得を優先する: まずは母語の基礎をしっかりと固めることが重要です。
- 十分な学習時間を確保する: 二つの言語を学ぶための十分な時間を確保し、バランスよく学習を進める必要があります。
- 適切な学習環境を整える: 二つの言語を学ぶための適切な教材や指導者を見つけ、効果的な学習環境を整えることが重要です。
- 心理的なサポート: 子どもの心理的な負担を軽減するため、周囲の理解とサポートが大切です。
ダブルリミテッドの具体的な事例
ダブルリミテッドの状態にある子どもたちの具体的な事例をいくつかご紹介します。
例1:日本語と英語の二言語環境で育つ子ども
5歳の男の子A君は、両親が日本人とアメリカ人の国際結婚で、家庭では日本語と英語が話されています。しかし、A君はどちらの言語も年齢相応の能力を獲得できていません。
- 日本語: 簡単な会話はできるものの、複雑な話になると理解が難しい。ひらがなやカタカナの読み書きも苦手。
- 英語: 簡単な単語やフレーズは理解できるが、文章になると意味が分からない。英語の絵本を読むことも難しい。
A君は、幼稚園では友達とうまくコミュニケーションが取れず、孤立してしまうことがあります。また、学習面でも遅れが見られ、小学校入学に向けて不安を抱えています。
例2:中国語と日本語の二言語環境で育つ子ども
8歳の女の子Bさんは、両親が中国人で、日本で生まれ育ちました。家庭では中国語が話されていますが、Bさんは日本語も話せます。しかし、どちらの言語も年齢相応の能力ではありません。
- 中国語: 日常会話はできるものの、複雑な内容を話すことは難しい。中国語の読み書きも苦手。
- 日本語: 学校の授業は理解できるが、友達との会話で表現に困ることがある。漢字の読み書きも苦手。
Bさんは、学校では中国語を話す機会が少なく、中国語能力が伸び悩んでいます。また、家庭では日本語の学習を十分にサポートしてもらえず、日本語能力も伸び悩んでいます。
例3:スペイン語と日本語の二言語環境で育つ子ども
10歳の男の子C君は、両親がスペイン語圏出身で、日本で育ちました。家庭ではスペイン語が話されていますが、C君は日本語も話せます。しかし、どちらの言語も年齢相応の能力ではありません。
- スペイン語: 家族との日常会話はできるものの、複雑な内容を話すことは難しい。スペイン語の読み書きも苦手。
- 日本語: 学校の授業は理解できるが、教科書の内容を深く理解するのに苦労する。漢字の読み書きも苦手。
C君は、学校では日本語で学習していますが、スペイン語の読み書きができないため、学習内容を十分に理解できていません。また、家庭ではスペイン語でコミュニケーションを取っていますが、スペイン語能力が伸び悩んでいます。
これらの事例からわかること
これらの事例から、ダブルリミテッドの状態にある子どもたちは、言語能力の不足、学習の遅れ、コミュニケーション能力の低下、自己肯定感の低下など、様々な問題を抱えていることがわかります。
ダブルリミテッドにならないために
ダブルリミテッドの状態にならないためには、以下のことが重要です。
- 母語の習得を優先する: まずは母語の基礎をしっかりと固めることが重要です。
- 十分な学習時間を確保する: 二つの言語を学ぶための十分な時間を確保し、バランスよく学習を進める必要があります。
- 適切な学習環境を整える: 二つの言語を学ぶための適切な教材や指導者を見つけ、効果的な学習環境を整えることが重要です。
- 心理的なサポート: 子どもの心理的な負担を軽減するため、周囲の理解とサポートが大切です。
二言語環境に身を置く子どもたちにとって、ダブルリミテッドは深刻な問題です。早期に発見し、適切な対策を講じることで、子どもたちの成長をサポートしていく必要があります。