あぽまに@らんだむ

日記とか感想とか二次創作とか。

皆で君を護るから(FF3イングズ中心)

2020年03月15日 | スクエニ関連

 

 

 

 

DSの名前の付いた4人のイングズ愛されのSSです。宜しければ下へスクロールしてご覧下さい。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<皆で君を護るから>


水のクリスタルから力を授かり、4人は新たにジョブチェンジ出来るようになった。
ファルガバードで魔剣士用の武器を沢山、手に入れた4人は誰が魔剣士になるか話し合った。
既にナイトになっていたルーネスはそのまま熟練度を上げた方がいいし、
白魔導師で熟練度を上げ続け、かなり回復力が大きいアルクゥも導師になる為、
そのままがいいだろうと言う事になる。

「私がなるよ。黒魔導師から風水師になってるしさ」

レフィアが努めて明るい声で言い出す。
レフィアはイングズと同じく戦士系を極めんとするルーネスや回復で皆を助けようとするアルクゥとは違い、
黒魔法やシーフ・竜騎士など色々なジョブにチャレンジしていた。
その為、熟練度も皆平均的でやや黒魔法が優れている位だった。
ルーネスもアルクゥも彼女が希望するなら、と同意しようとした、その時だった。

「いや、魔剣士は私がなろう。レフィアは風水師で熟練度が上がっているだろう?
暗黒の洞窟の敵は風水なら分裂しない場合もあるらしいから、そのままでいた方がいい」

「え…でも…」

納得出来ないようなレフィアの肩をぽんと叩き、イングズはぎこちなく微笑む。

「阿修羅と虎徹は私が預かろう。さぁ、明日も早い。もう寝よう」

2本の暗黒剣を受け取ったイングズは、早々とインビンシブルのベッドのある寝室に戻って行ってしまった。
アルクゥもレフィアもいつも3人の意見を尊重してくれるイングズが、
半ば強引な方法で暗黒剣を手にした経緯に何か不安そうだったが、大人しく部屋を後にした。
ルーネスもレフィア達と同じく納得出来ないような、もやもやした気持ちで、
暫くイングズが消えたドアをじっと見詰めていたのだった。


暗黒の洞窟に入るとすぐに傷付いた魔剣士から菊一文字と言う更に禍々しいオーラを放つ魔剣を託された。
それほどにこの洞窟は難関で、敵も倒し難いということなのだろう。
4人は益々警戒を深め、慎重に奥に進んでいった。
昨日、下見に来た際、ルーネスの通常攻撃では敵が分裂するだけで戦闘が長引き、
他のモンスターを呼び寄せてしまう事が分かった。
その為、ナイトのジョブから一時的に風水師にジョブチェンジするする事になった。
まだ熟練度が低い為、レフィアとの連携が重要になる。
アルクゥはそんな3人を背後からのサポートに徹した。

「敵よ!私の風水で蹴散らしてやる!ルーネス援護して!」

炎の洞窟以来、度々風水師の熟練度を上げていたレフィアの「地形」は相当なダメージを有す。
洞窟内では地震や竜巻など複数ダメージの地形技が多い。
しかし、それは風水の為せる技。必ずしも大きなダメージが来るものでもないのだ。

「あっ!しまった…。小さな打撃しかいかない…」

ルーネスの地形もまだダメージが小さい為、モンスターはまだ殆んど無傷で全部生き残っている。
相当な反撃が来るだろうとアルクゥはケアルラの詠唱を始めた。
しかし、3人の前に立ち塞がるように立つ黒い影があった。

「イングズ!危ない!下がって!」

次の地形を放つ前に構えていたレフィアが驚いて構えを解く。
ルーネスも驚きに硬直している。
赤く時には黒くさえ見えるオーラを放ちながら、イングズが両手に暗黒剣を構え深く身を沈めているのだ。
それは禍々しいながらも何故か美しかった。
身体に密着させるかのように幾重にも鉄板を合わせ精製された暗黒の鎧が、
イングズの綺麗な身体を封じ込めるかのように覆っていた。
鉄仮面から僅かに覗く処から薄いブルーの瞳が敵を捉えて静かに光り輝いていた。

「私が敵を薙ぎ払う。その隙に止めを刺してくれ!」

実際に魔剣士の技を見るのは3人とも初めてだった。
自分がジョブチェンジすれば、自然とそのジョブのスキルや技は身に付いてしまうが、
まだ誰もなっていない魔剣士のスキルは皆、知らなかったのだ。
大きな風だった。
黒い風が一瞬大きくイングズの身体から放たれ、黒い旋風になって、
黒い刃は敵を一瞬で切り刻んだ。
肉が斬れる鈍い音がモンスターの集団から次々と巻き起こり、
余りもの威力に気の優しいアルクゥは目を背けた。

「今よ!ルーネス!呼吸を合わせて!」

我に返ったレフィアが皆を鼓舞する。
しかし、ルーネスは見た。
身体中から鮮血を吹き、一瞬膝を折り、崩れそうな身体を暗黒剣で支えるイングズの姿を。

「イングズ!」

泣きそうになりながら、ルーネスは悟った。
暗黒剣のその力とは、魔剣士の生命力を使い暗黒の力で敵に大ダメージを放つ技だったのだ。
イングズはその力を前以て知っていたからこそ、自分から魔剣士になると言ったのだ。
半ば強引な方法と思われても、他の3人に傷付いて欲しくなかったのだろう。
ルーネスの目に熱いものが込み上げて来る。
早く駆け付けてポーションを使ってやりたい。
しかしレフィアが叫んだ。
レフィア自身も既に気付いていた。

「ルーネス!何やってんの!?イングズが作ったチャンスを無駄にする気!?一気に叩くわよ!」

目をごしごしと擦ってルーネスは大きく両手を挙げ、レフィアと地形を繰り出す為に構える。
目の端で必死にイングズまで駆け寄るアルクゥが見えた気がした。

 

「黙っていて悪かった。最初から話していれば、お前達、絶対反対していただろう?」

アルクゥのケアルラで全回復したイングズは微苦笑しながら、片腕を回し回復を確かめていた。
「当たり前よ。おかしいと思った。さぁ、暗黒剣を貸して。私が代わるわ」
「俺だって、戦士系を極めてるんだから、いつでもなれるぞ!」
「僕は、出来れば誰にもなって欲しくないよ。誰かがなるなら僕がなる」

3人が騒がしく討論している。
イングズは目を細め微笑んだ。
小さく首を傾げるとライトプラチナの髪がさらさらと揺れた。

「魔剣士は私がこのまま続けよう。だが、私が暗黒を使う度にこの騒ぎじゃな…」

然程困ってはいないかのように、イングズが嬉しそうに微笑むので、3人とも黙ってしまった。
この面倒見のいい、兄的存在のイングズが3人とも大好きなのだ。
それはイングズが3人を弟や妹のように可愛がっている以上に強い気持ちであるのにイングズは気付いていない。
そして、この銀髪のまだ少年が抜け切れていないルーネスがそれ以上の感情を持っているなど、イングズは思いも寄らないだろう。

「この洞窟が終われば、俺はまたすぐにナイトに戻る」

呻くように切り出したルーネスにイングズは何故かどきりとして顔を向けた。
理由は分からないが、ルーネスの低くて思い詰めたような話し方に鼓動が高鳴る。

「ナイトになれば、もし何かあっても俺がイングズを護れる。それまで暗黒は使わないで欲しい」
「ルーネ…ス…?」
「頼む」

イングズは声を失った。
いつから、この少年はこんなに意志の強い目をするようになったのだろう。
紫の大きな目を光らせて一人前の男のように、今自分を制しようとしているのだ。
しかし、イングズは素直にその強いルーネスの意志に委ねたいと思った。

「分かった」

囁くように答えると、すぐにルーネスはいつもの幼い少年の表情に戻り、飛び付いて来た。
レフィアもアルクゥも安堵し、2人の傍に寄って来る。
イングズは抱き着いてくる3人と居れば、何処までも行ける、どんな敵とでも闘える気がして胸が熱くなったのだった。

<了>

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FC時代だと私は少年4人の設定でやってました。
DS版のはそれはそれでありだなと別のストーリーとしてプレイしましたが、
イングズは大好きなキャラでした。

 

 

 

 

 

 

 


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