あぽまに@らんだむ

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泣かせてみたい(FF4セシカイ)

2020年03月01日 | スクエニ関連

 

 

 

 

これはFF4の腐SSでセシカイです。セシルが少し病んでます。

大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。駄目な方は廻れ右‼‼です。

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<泣かせてみたい>


ぽんと渡されたデカントアイテムにカインはきょとんとした顔で相手を見上げる。
最終決戦に向けて地上で準備を終えたセシル達一行は、離陸する前の魔導船の中にいる。
入手出来るデカントアイテム全てを回収し、それぞれ適応能力を見てアビリティを付ける事になったのだ。必要だったアビリティは全て習得してある。
残ったデカントアイテムは四天王関連など後回しにしても良いものばかりだった。
カインにアイテムを渡した相手セシルは【大事なもの】のアイテム袋から、それぞれ相応しいデカントアイテムを渡して行く。
カインも他に幾つか受け取っていたが、最後に渡されたデカントアイテムに眉を寄せた。

「………嘘泣き…?」

【嘘泣き】のデカントアイテムはパロムの残したデカントアビリティだ。
敵前で行えば「敵の防御力・魔法防御力を半分にする」効果がある。
中ボス戦などには重要なアビリティだ。
しかしカインは今年で21歳にもなる立派な男なのだ。
竜騎士として団長まで勤めていたプライドがある。
幾らセシルの指示とは言え納得し難い。

「おい、セシル。俺にこれは無いんじゃないか…?ビジュアル的にリディアが最適だし可愛いだろう」

デカントアイテムを配り終え、使うように指示していたセシルにカインが話し掛ける。
しかし振り返ったセシルは満面の笑顔で、そんなカインを無惨に切って捨てる。

「カインが使った方が可愛いよ」

クールな竜騎士は其処で一気に真っ白になる。
問答無用か。
しかしカインも一介の戦士だ。
初恋の人、ローザの目の前で嘘泣きなど恥かしくて出来るものかと食い下がる。

「こんなデカい男が嘘泣きして何処が可愛いんだ!勘弁してくれ!」

「生憎、ローザは【連続魔】と【魔法全体化】、リディアは【早口】と【リフレク貫通】、エッジは【後列斬り】に【トレジャーハント】、僕は【引き付ける】と【我慢】と手一杯なんだ。君は装着するだけでいい【レベルハント】とかを身に付けて欲しいんだ。ほら、すぐ君、ジャンプしちゃうから技使えないし」

畳み掛けるように言い負かされてカインは既に涙目だ。
確かにMPもなく、素早さもなく、戦闘はジャンプしてしまうカインに戦闘中重要なアビリティは任せられない。
かと言ってセシルは【HP+50%】を入手した途端、カインに速攻で付けてしまう位、大事にしているのだがカインは気付いていない。

「嘘泣き…って…どうすればいいんだ…。泣き方なんて忘れたぞ」

半泣きになっている状態で言うカインに説得力は無い。
セシルはふぅと溜息を吐くと魔導船の奥にカインを誘い込む。
其処は影になっていて、皆がいる中心部からは見えない。
セシルに壁際に押し遣られ、カインは訳が分からず、不安そうにセシルを見詰めた。セシルは微笑むと、そっとカインのドラゴンヘルムを外し、クリスタルのように澄んだカインの瞳を見詰め返す。そして囁いた。

「じゃあ、今晩可愛く泣く練習、させてあげるね」

カインのアイスブルーの瞳は大きく見開く。
そして音が出る程に顔を真っ赤にして怒鳴った。

「頼んでないっ!ぜったい【嘘泣き】なんて覚えないからな!」

ドラゴンの籠手ごとゴチンとゲンコツを食らわし、カインがのっしのっしとローザ達のいる方向へ戻って行ってしまう。
頭から湯気が出る程怒って、充分に可愛らしい。
セシルは口許を押さえ小さく笑った。
結局はカインに泣き付かれれば、セシルがイヤと言えない事に、カインは気付いていない。
好きになった方が負けなんだからとセシルは囁き、カインの後を追った。

 

<了>

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続きもありますので、ご要望があれば掲載しますね~。

 

 

 

 


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