アスベスト・・・安全・・・・NO2 アスベストの危険性つきましては、独立後まもなく知る所となりました。それは、外壁材や屋根材(カラーベスト)の一部の商品に含まれていたのです。全国展開する大手ハウスメーカーの中には、建材を製造する親会社や系列の製造業者を持っていますので屋根材は主にカラーベストを用いていました。又、メーカーの家造りに追随する地元のビルダーや工務店も同様でした。当社は先にも記載しましたが、この件を知った後はカラーベストを使用せず、全棟瓦葺きで対応しました。もっとも私が独立した頃は、幸いに大半の建材にアスベストは含まれていませんでした。
アスベストは1970年ごろより約1000トン輸入され、なんとその9割が建築建材に利用されていたそうです。それ故に、1970年~1990年前後の建物に最も多く、それ以降2004年頃までに建築した建物は少なくなっています。順次、代替品に取り替えられ2008年度には全面禁止となりますが遅いです。
こんな例があります。ある方が物置小屋をカラーベストで葺きました。数年後、屋根にこけが付きました。このスレートはこけが付きやすいのです。幼い姉妹が物置小屋の屋根に登ってこけを取って遊んでいたようです。その後において姉妹は成人後、中皮種で亡くなったそうです。アスベストが原因かどうかはわかりかねますが、建築主がカラーベストにアスベストが含まれその危険性を知っていれば、可愛いお子様を屋根に登らして遊ばす事はしなかったでしょうし、屋根材として使わなかったでしょう。お住いになっているには問題は有りませんが、屋根材は劣化していますから破損しやすくなっています。解体や補修時には近隣に飛散しないようにする事です。
今、健康志向で室内をノンクロス化と考えるユーザーの方が増えて参りました。クロスの代わりに珪藻土の塗り壁施工をする方も多いのではないでしょうか。当社も珪藻土で何棟か仕上げました。あるホームページで珪藻土の組織がアスベストに似ているからドイツでは禁止になったと言う情報が有ります。何か珪藻土に問題が有って健康被害が有るとか、また科学的な面からも立証されていません。ドイツの対応が早くて、日本の対応が遅すぎるのかは私には解りませんが、安全が確認出来るまで当社では使わない事に決めました。塗り壁ですから、飛散する恐れがないから問題は起きないだろうと思いますが、珪藻土の持つ吸湿性をなくして塗り固めるので有れば、その優位性はなくなるので、今は火山灰が原料のシラス壁を提案しています。健康住宅造りも難しい事に「自然素材だから大丈夫」と言うわけにはいかないようです。 まじめな社長のまじめな家造り実践会 米田正憲