不思議な色に染まった朝
日本建築学会は2018年6月29日、「危ないコンクリートブロック塀の見分け方」を同学会のウェブサイトで公開した。
6月18日に発生した大阪府北部の地震を受けて、専門家以外の人でも簡易にコンクリートブロック塀の危険度をチェックできるようにした。チェック箇所は6項目に及び、6項目のいずれかに該当する場合は、急いで専門家に耐震診断してもらうよう勧めている。
なかでも注目に値する項目は2つある。1つは「ブロック塀の厚さが12cm未満のもの」だ。建築基準法施行令では、高さ12m以下のブロック塀の厚さを10cm以上と規定している。法令の基準よりも厳しい条件でチェックすることになる。
実は、同学会が作成した「コンクリートブロック塀設計基準・同解説」(学会基準)では、ブロックの厚さが12cm未満の場合は鉄筋のかぶり厚さが不十分だと指摘している。そして学会基準において、厚さを12cmと定めている。
建基法にない高さの規定も
もう1つの注目項目は、「高さ1m以上の擁壁の上部にあるブロック塀で、擁壁上端面より高さが1.2mを超えるもの(高さ1m未満の擁壁では、擁壁下部の地盤面より高さが2.2mを超えるもの)」だ。
建基法では、擁壁上部のブロック塀の高さに関して特別な規定を設けていない。しかし、擁壁の上に設置したブロック壁が倒壊する事故は、大阪府北部地震以前から繰り返されてきた。そのため、学会基準では擁壁とブロック塀の高さの合計を2.2m以下にするよう定めている。
6つの危険度判定のいずれかに該当し、専門家に診断してもらう場合の方法を示す資料として、同学会では「既存コンクリートブロック塀の耐震設計指針(案)・同解説」を紹介している。
危ないコンクリートブロック塀の見分け方について
2018 年 6 月 29 日 日本建築学会会長 古谷誠章
6 月 18 日に発生した大阪府北部の地震において、被害に遭われた方々に心から哀悼とお 見舞いの意を表します。
このたびの地震ではまたしてもブロック塀倒壊による被害がくり 返され、その危険性が改めて大きな社会問題となっております。
本会では、かねてコンク リートブロック塀の安全な設計・施工のための規準等を刊行しておりますが、6 月 21 日の 理事会において
「広く一般の方々にも理解いただけるよう、簡易に危険度をチェックする ための点検項目を早急に提示すべき」との指摘を受け、
既存の規準等をもとに「危ないコ ンクリートブロック塀の見分け方」としてまとめましたので是非ご活用ください。
ブロック塀が大地震などに際しても決して尊い人命を奪うことなく、財産の保全に役立 ち、安全・安心なまちづくりに寄与することを切に願っています。
●日本建築学会:危ないコンクリートブロック塀の見分け方 http://www.aij.or.jp/jpn/symposium/2018/CB180629.pdf
●国土交通省:建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000731.html
●コンクリートブロックに関する情報 <一般向け> ・パンフレット:日本建築学会材料施工委員会組積工事運営委員会ブロック塀システム研 究小委員会『問いかけられる自己責任 あんしんなブロック塀をめざして』 、2002 http://news-sv.aij.or.jp/zairyou/s2/pamphlet.PDF
<専門向け> ・日本建築学会『壁式構造関係設計規準集・同解説(メーソンリー編)』、2006(増刷中) ・日本建築学会『壁式構造配筋指針・同解説』、2013 ・日本建築学会『既存コンクリートブロック塀の耐震診断指針(案)・同解説』、2014 ・日本建築学会『建築工事標準仕様書・同解説 JASS7 メーソンリー工事』、2009
●コンクリートブロック塀の点検項目検討 WG 竹内 徹(副会長、東京工業大学教授) 大崎 純(副会長、京都大学教授) 稲井栄一(山口大学教授) 川上勝弥(小山工業高等専門学校教授) 菊池健児(大分大学教授) 塩原 等(東京大学教授) 時田伸二(UR 都市機構) 早川光敬(元・東京工芸大学教授)
ネットから引用。
私心
先日の大阪で起きたブロック塀倒壊で亡くなられました学童に合掌。
それにしても危険と指摘されながら点検を行った職員が素人であった事には驚きです。
幼子、そしてご両親の心情を察すれば怒りさえ覚えます。
しかもこの事故後、各地でブロック塀の点検を行えば危険な箇所が出るわ出るわです。
石川県でもブロック塀の撤去工事が報じらていました。
何か事故が起きなければ行動しない役所とはそんなもの・・・・・でかたずけたくないですね。
と言う事でお子さんを持たれているご家庭では特に通学路の状態を把握しておきましょう。