指定暴力団山口組、分裂のおそれ 警察、抗争への警戒強める(FNN NEWSの記事より)
コンビニでしか売ってない小さくて分厚い感じの雑誌みたいのがあります。
たいていその中に『実録!○○組抗争!』みたいなヤクザ特集みたいのがあります。
ヤクザになりたい人はめったにいないでしょうけど、その世界に憧れる人は結構いるようです。
しかし、それは一体なぜなのでしょうか?
やはり日常の世界にない独自の価値観があるからでしょう。
組に入って認められれば、盃を交わして親子や兄弟となり、家族同然の関係になります。
そこでは組織への忠誠が求められ、言動が礼節にかなっていてブレがない(=筋を通す)ことが絶対です。
それにヘマをすれば責任をとって指を詰めなければいけませんし、道理に反すれば相手を殺すこともあります。
何が言いたいかというと、ヤクザの世界は危険で野蛮ですが、分かりやすくフェアなのです。
これに比べて、我々のいる世界はなんと甘っちょろく理不尽なのでしょうか。
相手に手を出されない限り、どんなにヒドイことをされても我慢するしかありません。
逆に言えば、どんなにヒドイことをされても、手を出したらその時点でこちらの負けです。
頼りの警察も事が起こらない限り何もしてくれません。
裁判に持ち込んだところで、膨大なお金と時間がかかります。
なんとか賠償金を勝ち取っても実際に払われる確率は4割で、それも弁護料で大半が消えてしまいます。
残念ですが、我々の社会では、どんなに相手が悪くても被害にあった時点でもう負けなのです。
法に定められた以上の復讐を望むなら、それこそヤクザにでも頼むしかありません。
このように、日頃の理不尽さのはけ口としてヤクザの世界に理想を求めてる部分というのはあると思います。
あとは、闇社会のスリルや、組織同士の血を血で洗う争いが戦国時代のようで面白いというのももちろんあるでしょう。
もっとも、そんな殊勝なヤクザ屋さんは、多分フィクションの中にしかいないと思います。
過去記事『修羅の街の風景』『悪党とネット民』などでご紹介したとおり、そのろくでもなさは身近に感じてますので。