母の実家はもともとある地方の駅前に広い敷地を構えていた地主だったらしい。
小さい時に父親が他人の保証人になり、家が人手に渡ることになったと母から聞いた。戦前のことである。
他人に家を渡すのを惜しんだ父親の弟が 家を買い取り、父親は出て行った。
残された母は母親とそこで居候になったという。
数年後家は空襲で焼かれ、爆弾で出来た池に叔父さんが浮かんでいたと母から聞いた。
そして母だけ、ひと回り離れた母の長姉のところにしばらくお世話になり
その後故郷に戻り 狭い部屋を借りて母親と二人で何年か暮らしていたらしい。
それは母の死後、従兄弟から聞いて知った。
母親と二人で暮らしていた時の事は何も 母は話さなかった。一言も。
母は年の離れた姉達を心の支えにしていたように見えた。
私も姉弟も伯母の家によく行った。
伯母の巻き寿司は美味しかった。私たちにとても良くしてくれた。
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