★画家でお尋ね者 カラヴァッジヨ ウフィッッイ美術 フィレンツェ
画家の中にもいろいろな人がいますが、この『ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジヨ』ほど数奇な人生をたどった人はいないでしょう。何しろ、画家で、乱暴者で、殺人者でお尋ね者、挙句の果て逃亡ている途中で病死したのですから。

ウフィッッイ美術館 90室 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジヨ 1571-1610
『バッカス』1596 頃
『カラヴァッジヨ』が生まれたのは『ルネサンス』の末期、すでに『マニエリズム』もマンネリ期に入り衰退の一途をたどります。彼はむしろ北方派の画家たちの『自然主義』に大きな影響を受けたといわれています。
本作品は、『デル・モンテ枢機卿』が『フェルナンディト・デ・メデイチ』に送るために書かせたといわれています。
詳細に見ていくと面白いですね、バッカスの爪にいっぱいごみが詰まったいたり、果物が少し傷んでいてそこに虫が食っていたり、葉っぱの枯れた部分が克明に描かれていたり通常であれば修正して描かれるところをありのままに描かれています。
モデルは友達だったといわれていますか、ワインをたっぷりと飲んだのか、顔を赤く染め、アンニュイな雰囲気を漂わせています。
腕のあたりは筋肉が盛り上がり、マッチョな体を思わせますが、顔は相反して女性的な感じに見えます。
私にとってはあまり部屋に飾りたい絵とは言えないのですが。
いずれにしても、『カラヴァッジヨ』の没後は、歴史の中に没してしまうのですが、20世紀になって再評価されました。