★中世からの脱却 ルネサンスに橋を架けた画家 ジヨット サンタ・マリア・ノヴェツラ
昨日は大祭壇の奥にある『ジャン・ボローニャ』作のブロンズ像『磔刑のキリスト』をご紹介しました。
今日から、あなたに中世絵画からルネサンス絵画に橋を架けたといわれる『ジヨット・ディ・ボンドーネ』ご紹介します。
まずは、『磔刑のキリスト』よりも前に置かれている十字架型の、『磔刑のキリスト』です。
入り口付近から撮ってみました。
昨日見た、祭壇付近の風景とまた違った風景が見えてきたでしょ。
もう少し近くに寄ってみましょう。
『ジヨット』の絵の特徴は、中世の『ビザンチン様式』の平面的な表現から、より立体的な表現に変えたことです。
中世では、キリスト教の桎梏のために、キリストはもちろん聖書に現れる人たちをリアリティをもって描くことはできませんでした。しかし『ジヨット』はキリストを現実的な姿に描きました。
それまでに描かれた磔刑のキリストは、目をカット見開き、体もまっすぐで、ティピカルなキリストでした。
しかしこの絵を見てください、キリストは、うつむき、目を閉じています、また体も、逆のくの字に曲がっています。
より現実的な表現を追求しようとした彼の試みと、12世紀にもかかわらず、この手法を認めた『フィレンツエ』この条件がそろわなければ、この絵は後世に伝えられなかったと思います。