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二枚の聖母子 ボッティチェリ ウフィッッイ美術館 フィレンツェ

2020年1月訪問 イタリアからコロナがなくなるまで書き続けます。

 ★二枚の聖母子 ボッティチェリ ウフィッッイ美術館 フィレンツェ



薔薇園の聖母 1469-1470頃





セラフィムの栄光の聖母子 1470頃




 この二枚の母子像はほぼ同じ時に書かれています。この二枚が誰からの発注で、どこにあったかは定かではありません。

 この二枚を比べてみると、同じ時代に描いたものでもかなり感じが違いますね。

 『薔薇園の聖母』は(この時代の様式でよく描かれる)、しっかりと丸型の開廊が描かれ、その外な薔薇園に奥行きを感じます。

 聖母は、伏し目がちではありますがイエスのほうを見ています、この絵を見たときにまずは聖母の顔に視線が行きます、そして聖母の視線に導かれて、イエスを自然に見ることになります。

 衣服も赤い衣装に、青色のマントと頭には薄い被り物とういうこの頃の様式にのっとっています。また、聖母が手にしているのはイチジクです。

 一方、『セラフィムの栄光の聖母子』のほうは背景はあまりありません、後ろの書かれている天使が『セラフィィム』という最高ランクの天使だそうです。

 そして、こちらの方は、イエスがこちらを見ています、聖母は伏し目でイエスのほうの顔を向け、イエスはこちらを大きな目で見ています。

 背景がべたで、床にも遠近法を使うためのタイルなどは書かれておらず、奥行きはあまり感じられません。

 また、この二枚に描かれているマリアは顔がかなり違いますね、これは発注者の注文に合わせたものなのでしょうか。

 色々と見比べて、想像して、考えていくと、ふと思いはこの時代に飛びます。そんな時とても幸せな感じになります。

 

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