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公理(5) 「い(i)」は「者、物、事、立場…」の説明(5)

2024-06-05 23:32:01 | 日本語文法
ロシア語のキリル文字セットの出し方がわからないので
カタカナで書くと

ロシア語 人称代名詞
単数
一人称 ヤー 私
二人称 トゥイ きみ
三人称 オーン 彼、それ
三人称 アナー 彼女、それ
三人称 アノー それ

複数
一人称 ムゥイ 私たち
二人称 ヴゥイ きみたち、あなた方、あなた
三人称 アニー 彼ら、彼女ら、それら

8つの人称のうち4つに「イ」が入っている。
半分だから多いと言うべきだろう。

「アーオ」の五母音が平均に分布したとすると「1.6母音/人称」のはずで
それから有意に集中している。

ア/4人称、イ/4人称、ウ/3人称、エ/0人称、オ/2人称となり、「ア、イ」が多い。
ドイツ語(英語も)や日本語と同じにロシア語も「イ」が多い。
國學院神名データベースだと、「い(i)、え(e)」が多かったね。

>スターリンwiki
>一般に広く知られている「スターリン」という姓は「鋼鉄の(人)」を
>意味する筆名であり、本名はヨシフ・ヴィッサリオノヴィチ・ジュガシヴィリ
>ロシア語: Ио́сиф Виссарио́нович Джугашви́ли、
>=ラテン文字表記の例:Iosif Vissarionovich Stalin

>^ Сталин(スターリン)という名称は、
>ロシア語で「鋼鉄、鋼」を意味する名詞сталь(スターリ)に、
>「~の」を意味する接尾辞-ин(イン)が付いて形成された語である。
>したがって、この名称を文字通りに訳せば「鋼鉄の」となる。

ここを読むと「~の=接尾辞-ин(イン)」との事で、
「レーニン、スターリン、プーチンのイ」は、「~の(人)」の意味か。
なんか間違っていたね。
ロシア語をかじっていたら、もっと早く気付いたと思う。




なぜ「い=強調」なのか?原因はぎなた読みの可能性(3)

2024-06-03 22:15:29 | 日本語文法
>https://nihonsinwa.com/page/1281.html
>意富岐美袁 斯麻爾波夫良婆 布那阿麻理 伊賀幣理許牟叙
>大君を島に放はぶらば船余りい帰り来むぞ
>歌の訳大君を島に放せば(「船余る」は帰るの枕詞・詳細は不明)帰ってくるから、

=大君を島に放はぶらば船余り事、帰り来むぞ

これでも良い気がするけどね。
そしてちょっと気になった。

>意富岐美袁 斯麻爾波夫良婆 布那阿麻理(船余り) 伊賀幣理許牟叙(い帰り来むぞ)

まさかこの漢字の区切り空白で「布那阿麻理(船余り) 伊賀幣理許牟叙(い帰り来むぞ)」
によって「船余り い帰り来むぞ」になったんじゃないだろうな。

古事記とのことだが、古事記だって残ってるのは写本だろ。
原本じゃ無いはずだよ。そもそも原本に空白があったのか。

魏志倭人伝を見ると漢字が隙間なくびっしり書き込まれている。
たぶん紙が高価で大事に使う必要があったから、
空白や句読点を入れるのは、もったいなかった。だから文字をびっしり書き込んだ。

空白や句読点を文章、文の中で文字の正式メンバーで書き込めるのは
紙が大量に供給されて誰でも入手できるようになってからだ。

>https://manyoshu-japan.com/13041/
>巻 第4巻
>歌番号 537番歌
>作者 高田女王
>題詞 高田女王贈今城王歌六首
>原文 事清 甚毛莫言 一日太尓 君伊之哭者 痛寸<敢>物
>訓読 言清くいたもな言ひそ一日だに君いしなくはあへかたきかも
>かな こときよく いともないひそ ひとひだに きみいしなくは あへかたきかも
>英語(ローマ字) KOTOKIYOKU ITOMONAIHISO HITOHIDANI KIMIISHINAKUHA AHEKATAKIKAMO
>訳 聖人君主のようなそんなにお堅いことをおっしゃらないで。あなたなしには一日とて耐えられませんわ。
>左注
>校異 取 敢 [古義][新考][菊沢季生]
>用語 相聞、作者:高田女王、今城王、恋情、贈答

>万葉集一 日本古典文学大系四 注p258

>言清く ― われわれの間は潔白であるというような言葉。
>〇いたも ― ひどく。 〇一日だに ー 一日だけでも。
>〇君いし無くは ー あなたがいなければ。イは間投助詞。
>平安時代には法相宗関係の仏典の訓読に主格を表わす助詞として用いる。
>朝鮮語の主格助詞にもiがある。同源の語と認められる。シは強めの助詞。
>〇痛きかもー耐えられないことだ。痛、名義抄にタカタシの訓がある。
>寸は訓仮名キ。原文、取は敢の誤りと認める。
>敢は音カム。カの仮名と認めうる(菊沢季生氏説)。
>[大意〕 何の関係もないなどと、 あまりきれいなことを
>どうぞおっしゃらないでください。
>一日でもあなたなしには到底耐えられないことです。

この歌も空白が入っているけど、原本は入っていないと思う。

>〇君いし無くは ー あなたがいなければ。イは間投助詞。
>平安時代には法相宗関係の仏典の訓読に主格を表わす助詞として用いる。
>朝鮮語の主格助詞にもiがある。同源の語と認められる。シは強めの助詞。

ここの説明もわからない。「朝鮮語の主格助詞にも~」の部分は本当とは思えない。


#接頭語「い=強調」 #「い=者物立場状況…=名詞」 #ぎなた読み
#言清くいたもな言ひそ一日だに君いしなくはあへかたきかも
#大君を島に放はぶらば船余りい帰り来むぞ
#吾妻秀史 #美智子の文法



方言に残る「は=あり、が=持つ」(4)、「~はる(京都大阪)」

2024-05-31 21:24:05 | 日本語文法
例えば「あり→ari→h+ari→hari→ha→は」の変遷がある。
「は、あり」は現在ちゃんと残ってる。
中間段階の「hari=はり」がどこかに残っていてもよいはずだ。

「未)はらず 用)はり 終)はり(はる) 体)はる時 已)はれば 命)はれ
こんな活用形だと想像する。「はり」の意味はもちろん「あり」だ。
そして偶然にも大阪弁・京都弁では…

>言う→言わはる(京都)、言いはる(大阪)
>買う→買わはる(京都)、買いはる(大阪)
>書く→書かはる(京都)、書きはる(大阪)
>気に入っている→気にいったはる(京都)、気に入ってはる(大阪)
>「食べる」→(大阪)「食べは(!)った」→(京都)「食べ(!)はった」

完璧じゃないが「はる」がある。意味は「あり」だろ。「はる」は娘言素だ。
京都弁は「はる」の前の音が「a」との事。

https:://kyotolove.kyoto/I0000179
>大阪弁の「~はる」は、立派な尊敬語であり相手への敬意を示す
>最も一般的な言い方とされます。

>いっぽう京都弁の「~はる」は、いちおう敬語の範囲ではありますが、
>「赤ちゃんが~しはる」など本来敬語を使わない身内にも使われ、
>その敬意度は低いとされます。

なぜ「~はる」が尊敬・丁寧なのか、それが書かれていない。

言ったはる=言った+はる=言った+ある・あり

「言った」で文は完結している。それに補助動詞「はる」がつく。
「書いた、言った」は過去形だ。
現在でなく過去だ。今じゃなくで過去だから距離感かな。

それに「はる=ある」だから、よけい距離感がある。
だから尊敬丁寧になるのではないか。

直接的に「誰それさんが、言った」とは言わずに、
文末に「ある・あり」を置く事で、そういう状況がありますとのこと。

つまり「(誰それさんが)言った、という状況があります」という意味だ。
このやり方・仕組み・構造が尊敬丁寧になるのだろう。

繰り返しだが
「あり→ari→h+ari→hari→ha→は」の横訛り変遷がある。

この変遷のほかに
「あり→ari→h+ari→hari→haru→はる」の横訛り変遷だと思う。
「u」で終わってるから動詞だね。






方言に残る「は=あり、が=持つ」(2)、「ゆうべ星が見えたがやきぃ」

2024-05-29 20:50:30 | 日本語文法
>https://www.nda.co.jp/memo/tosaben.html
>標準語:ゆうべ星が見えたんだよ。(ゆうべ 星が見えたのだよ。)
>土佐弁:ゆうべ星が見えたがやきぃ。
>幡多弁:ゆうべ星が見えたがよぉ。(高知県西部地方)

>https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1245900117
>「~き」は「~だから」という意味で、
>「~があるき」=「~があるから」、
>「~に行くき」=「~に行くから」です。

>土佐弁:ゆうべ 星 が 見えた が や きぃ

「が=持つ」、「や」は「は」と同じ「あり」の娘言素、意味は「あり」だ。

「きぃ」は「~だから」とのことだが、
「き」は日本語で過去の助動詞き、サ行変格活用動詞す、
アイヌ語「ki=する、事を為す」と似てる。

過去の助動詞 せ(未然形) 〇 き(終止形) し(連体形) しか(已然形) 〇 

「ゆうべ 星 が  見えた が  や  きぃ」
=ゆうべ+星+持つ+見えた+持つ+あり+した(する)

「ゆうべ、星が見えた(状況)を持ち、(それが)存在=ありを持った」+した(する)
ヒドい日本語だけど、直訳だとこうだな。

>幡多弁:ゆうべ 星 が 見えた が よぉ

「ゆうべ 星 が  見えた が  よぉ」
=ゆうべ+星+持つ+見えた+持つ+あり

「ゆうべ、星が見えた(状況を)持ち、それが(存在ありを)持った」

「よ」は、母音が「a→o」になっているが、「あり」の娘言素で意味は「あり」だ。
たぶん「あり→や→よ ari→y+ari→ya→yo」という横訛りであろう。



方言に残る「は=あり、が=持つ」(3)、「マスクせんでええがか」

2024-05-29 20:50:30 | 日本語文法
土佐弁
https://note.com/mnhds/n/n25ed1aae9a75
>「行くが?(行きますか?)」
>「寝るが?(寝ますか?)」
>「そうなが?(そうなの?)」
>「やるが?(やりますか?)」

 行くが?
=行く+が+φ(空集合、空文、空白、何も無い)
=行くはφを持っている
=行くは何も無いを持つ
=なので行くかどうかわからない→疑問文

 寝るが?
=寝る+持つ+φ
=寝るはφを持っている
=寝るは何も無いを持つ
=なので寝るかどうかわからない→疑問文

「そうなが? やるが?」も同様だ、と思う。
ところがそうでない方言もある↓

>石川県議会本会議場で8日午後に開かれた12月定例会の一般質問で、
>谷本知事が冒頭から約1時間にわたってマスクを着用せず、
>県議から「マスクせんでええがか」とヤジを飛ばされる場面があった。

「マスクせんでええがか」 = マスクしなくてもいいのですか!?
=マスクせんでええ+が+か
=マスクせんでええ+持つ+か(疑問詞、先行部分疑問詞)

この日本語訳は、「マスクしないで良い」は「か(疑問詞)」を持つ。
つまり「マスクしないで良い」という行動が疑問詞を持っている。
だから「マスクしないで良いのか!?」との疑問文・反語になる。

土佐弁・幡多弁、石川弁の「が」は
「君が代、我が家、我が国」と同様に「が=持つ」の意味を持つ。

日本は狭い島国と言われるが、土佐の高知と石川県は結構離れている。
しかしそこで話される言葉・方言の「が」の使用方法に共通性がある。

このことは土佐の高知と石川県、和漢朗詠集世界が似たような言語圏にあった証拠だ。
そして面白いことに似たように横訛りしている。
これをどう考えれば良いのか?

まあ、公理(2)「が=持つ」を、全国的に説明した一歩だと思う。