
高校の時に、オカリナを買ったことがあった。
オカリナを買ったきっかけは、当初は勘違いまじりのものだった。
その勘違いには、主に2曲が大きく関係している。
そのきっかけとなった2曲のうちの1曲は、サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んでゆく」だった。
あの曲は本来フォルクルーレの伝承曲なのだが、あの曲に効果的に使われてる笛の音がなんとも好きだった。
あの笛は、私はてっきりオカリナだと勘違いしてしまったのだ。
そして、きっかけとなった、もう1曲とは、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」だった。この曲も、イントロ部分で笛っぽい音が出てくる。その笛っぽい音もまた、私はオカリナだと勘違いしてしまっていたのだ。
なんの根拠もなく。
「コンドルは飛んでゆく」「天国への階段」。どちらも、歴史に残るスタンダードであり、名曲中の名曲。
どちらも私は大好きだったので、その2大「お気に入り」に共通に効果的に使われてるのが、オカリナだと思いこんでいたのだった。いやあ、知らないということは、救われない(笑)。
オカリナを買ったのは、それがきっかけだった。
だが、ご存知のように、「コンドル」によく使われる定番の笛といえばケーナやパンフルートであり、「天国」に使われてる笛の音は、メロトロンでフルートの音を出したものだった。
だが当時は私は、ケーナやパンフルートという笛などは知らなかったし、メロトロンもよく知らなかった。
とりあえず、学校の音楽の時間で使ってる「たて笛」の音色ではないとは思った。
笛の種類をよく知らない私は、とりあえず自分が名前を知っていたオカリナだと思った。
なぜ私がオカリナのことは知っていたかというと、更に時間をさかのぼった時代に放送されていた、ある特撮番組に起因する。
その番組とは、実写特撮ドラマ「悪魔くん」。この番組の中で、主人公が頻繁にオカリナを吹くシーンがあった。
その番組には私は熱中してたので、番組内に出てきたオカリナの不思議な音色にも惹かれていた。そういう意味じゃ、オカリナを欲しがる素養は、その時にできたことになる。
要するに、「悪魔くん」でオカリナというものが頭にインプットされ、それが後年「コンドル」や「天国」にも使われてると勘違いし、私は実際にオカリナを買うことにつながった・・というわけだ。
最初に買ったオカリナは、バスオカリナ。低音域が出るオカリナで、サイズはかなりでかかった。陶器のオカリナだった。
そしてサイズ分だけ、小さなソプラノオカリナよりも値段が高かった。
構造や音域をよく知らないままで、「高い」・・ということは高級品だと思ってしまい、どうせ買うなら少しでも高級なオカリナを買いたいと思って、バスオカリナを買ってしまったのだった。
だが、買って吹いてみたら、音域がバスだったため、高音が出ない。とてもじゃないが、コンドルのあの音域は出ない。
ここで、初めて、オカリナにもサイズによって音域が違うことを知る。
すると、コンドルのあの高音を出すには、ソプラノオカリナを買うしかないと思った。
この時点でも、私はまだケーナやパンフルートという笛の存在はしらなかった。なので、ソプラノオカリナさえ買えば、あの音は出ると思った。
ソプラノオカリナは、バスに比べると小型で、値段もやすかったので、買うのにためらいはなかった。
で、ソプラノオカリナも買ってしまった。
で・・吹いてみた。
気持ち、やや近い音色のようにも感じたが、どうも完全にしっくりきたわけでもなく。
その「しっくりこない」感覚は、きっとソプラノオカリナにも高級品と廉価版があり、自分が買ったのは廉価版だからかな・・・とも思った。
でも、違ったのだ。その頃、ようやく、私はケーナやパンフルートという笛の存在を知った。
そして・・自分が大きな勘違いをしていたことに・・気付いた。
「天国への階段」のメロトロンしかり。
その時点で・・・オカリナは私は・・あまり吹かなくなってしまった・・。
とはいえ、全く吹かなくなったというわけでもなく、大学の頃に自作曲を多重録音した時に、オカリナは導入したりした。せっかく買ったんだから、せめて自作曲で何度か使ってみようと思ったからだ。
だが、出番といえば、それだけだった・・。
オカリナ奏者には進もうとはしなかった・・。
今でも、バスオカリナとソプラノオカリナは、家の隅っこにある。だが、買ってから何十年もたっているし、陶器製だったことから、本体には欠けたり、ヒビが入ってる個所もありそうだ。
そして、なにより、埃まみれ。
口に当てて「吹く」楽器であることを考えると、埃まみれのオカリナを口に当てるとも思えず。
吹くなら、新たに買うことになるだろうが、オカリナの音色自体は好きでも、今のところ今の私は追求するほど修練するとも思えない・・。
思えば・・十代の頃に買った時に、オカリナがメインのレコードでも買って、それを聴きながら練習してたら、今頃はライブなどでギター以外にオカリナを吹くケースもあったんだろうな・・とは思っている。
そういや・・・バスオカリナを買って吹いてた時期・・・なぜか陶器のオカリナを吹くと、口がかゆくなったもんだった。
もしや私は・・・・塗装にアレルギーでもあったのだろうか。
私がオカリナを買っても、あまり長続きしなかったのは、上記の「勘違い」以外にも、その「吹くと口が痒くなった」という状況も、影響はしていると思う。
自作曲にオカリナを導入した時は、その独特の音色で、オカリナが出てくると自作曲の雰囲気が変わったのは、よく覚えている。
やはり、オカリナそのものには、私は魅力を感じているのは確かなのだ。今も。
そして、オカリナが似合う曲調や、アレンジにも。
そういえば・・
オカリナは、割とフォーク系の曲調には合いそうな気もするが、最近のロックでオカリナを導入して効果的だった曲は・・あるのだろうか。
あるのなら、聴いてみたい。
そうらしいです、あれはメロトロンでフルートの音を真似たサウンドだったようです。
それを知った時、自分はいかに様々な楽器の音色を知らないかということを思い知らされた気がして、落ち込みました。
ただ、今でも思うのですが、オカリナがあって、メロトロンがない場合は、オカリナで代用できそうな気もしてます。
まあ、フルートがあればもっと良いのでしょうね。
オカリナは割とリーズナブルな値段でも買えそうですし、メロトロンの代用でいかがでしょうか。
せっかく何十年も練習してきたのですから。
もったいない気がします。
少なくてもメロトロンよりは安く買えるのではないかと。
天国への階段のイントロは、ツェッペリンの曲でもとりわけ印象的ですよね。
まさにバンドの看板曲だと思います。
あのイントロは、私の周りでも練習してる人は多かったです。
今後ともよろしくお願いします。