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鉄腕アトムは、当初「10万馬力」のパワーを持っていた。
主題歌にも「♪ 10万馬力だ 鉄腕アトム~」という歌詞があったぐらい。
では、10万馬力って、実際にはどれほどのパワーだったのだろう。
子供の時、「10万馬力」というパワーが一体どれぐらいのものなのかイマイチわからなくて、ピンとこなかった覚えがある。
というか、「馬力」という単位そのものが、私にはピンとこなかった。
そう思い、ちょっと調べてみた。
すると・・
以下の記事をネットで見つけた。
元々は、1馬力というのは「荷を引く馬」が継続的に荷を引っ張る際の仕事率を基準にしているらしい。
さらに・・
仕事率単位としての「馬力」は、各国共通の計量方法ではなく、例えばイギリスにはイギリスの、フランスにはフランスの、そして日本にも日本の定義があるようだ。
そのへんが、馬力の捉え方が分かりづらく感じられていたのかもしれない。
今では定義としては「1馬力とは、75kgwの力で、1秒間に1m仕事をする際の仕事率」ということらしい。
だが、どうもこれだと分かりづらい。
そこでさらに調べると
「1馬力=735Wの電力に相当。」
・人間=1馬力(継続的に発揮できる仕事率は0.1 - 0.2馬力程度)
・競走馬=15 - 20馬力(継続的に発揮できる仕事率は2 - 3馬力程度)
・四輪自動車=40 - 300馬力
・大型トラック、大型バス=250 - 600馬力
・プロペラ機=200 - 2万馬力
・ジェット機=1万 - 7万馬力]
・ロケットの主エンジン 約300万馬力
・その横についている固体ロケット 400万馬力、
・8両編成の新幹線のモーター1万馬力
・ジャンボジェット機12万馬力
・戦艦大和 15万馬力
・大型(例えばF15)戦闘機 50万馬力 」
だそうである。こうした実際の比較だと、少しはイメージしやすい。
これでいくと、アトムはジャンボジェットに近いパワーと仕事率だったことになる。
だが、大型戦艦や戦闘機にはかなわない・・・そんな感じだ。
何十年も前の戦艦大和に、あのアトムがかなわないというのは、さすが戦艦大和という気がする。
ちなみに、ご存知のようにアトムは、「史上最大のロボット」編で、100万馬力のプルートに一度負け、その後プルートに対抗するために100万馬力にパワーアップされている(ただ、その後しばらくして(?)また10万馬力に戻されたようでもある)。
仮に100万馬力だと、戦艦大和には楽勝、戦闘機にも楽勝してしまうパワーと仕事率。
だが、宇宙ロケットにはとうていかなわない。
もし、どうしても大和に勝たせたいなら、宇宙戦艦ヤマトに登場願わないと、無理なのだろう(笑)。
そういえばアトムの「史上最大のロボット」編では、最後に最強の敵として200万馬力のボラーというロボットが出てきたが、そのボラーをもってしても、宇宙ロケットのパワーにはかなわないということになる。
そうすると、宇宙ロケットがいかに驚愕のパワーを持っているか・・ということを実感してしまう。
ロケットに実際に上記のようなパワーがあるということは、現実世界でも300~400万馬力というパワーはすでに、人間によって実現されているということだ。
ただ、アトムのスゴイのは、あんな小さな体でジャンボジェット機並みのパワーを持っているということだ。
これだけは、現実世界でもまだ実現できていない。
実現させるには、今の科学水準だとかなりの大きさが必要になるのだろう。
100万馬力なら、大型ロケットほどではなくても、中型ロケットに近い大きさになるのではないか(実際100万馬力のプルートは、ロボットとしては大型ロボットだった)。
また、10万馬力でも中型戦闘機並みの大きさが必要になりそうな気はする。
アトムは、作品の中でも子供型ロボットだったので、かなり小柄な体だった。それでいて10万馬力バージョンでジャンボジェット機並みのパワーを持っていた。
ちなみに、100万馬力 が745 699 872 ワットなのだとしたら、最新型の大型原発の発電量の半分を、100万馬力バージョンのアトムは体内発電していたことになるらしい・・。
どちらにせよ、とてつもない。
アトムのエネルギーは原子力エネルギーだったことを考えると、まさにアトムは「動く原発」だったことになる。
しかも、動くだけじゃなく、空を自由に飛ぶわ、時には敵ロボットと格闘するわ、海にはもぐるわ・・。
特に、敵との格闘なんて、・・格闘によって壊れたり破壊されたりするリスクを考えれば、とんでもない話では・・ある。
だが・・当時の読者は、アトムのスーパーパワーの源である原子力発電は、明るい未来をもたらせてくれると信じていたのだ。
その負の要素など想定もしないまま。
時間の外にようこそ。
そういえば、アメリカでは鉄腕アトムはアストロボーイで通ってますよね。
日本でもアトムがアニメでリメークされた時に、主題歌の歌詞にアストロボーイという名前が出てきたことがありましたっけ。
なので、日本でもアトムの別名みたいな感じで、それなりに知られてるような気はします。
ただ、アトムのスタッフがそう望んでいたとは知りませんでした。
情報、ありがとうございました。