5月も31日である。今朝は小雨が降っているが、昨日迄は好天、暑い日が続いた。雪も大分解け、地肌が見える白山をバックに麦も色づき、麦秋という言葉がぴったりの光景であった。

雪解けが進む白山

白山を背景に麦
その上を飛ぶツバメも颯爽と見え、親ツバメに見守られて、巣立ちした子ツバメ達も安心して休んでいた。

麦の上を飛ぶツバメ

コツバメを見守る親ツバメ

電線で休憩する子ツバメ
散歩道では柿やエゴの落花が盛んであり、我が屋の庭では、暑さに耐えながらバラが花盛りである。見るものすべてが夏に向かっている。

柿の落花

エゴの落花


庭のバラ
獅子吼に懸る雲は入道雲のよう、それを見ていてウスバシロチョウを思い出した。

獅子吼に懸る勢いのいい雲
ウスバシロチョウは、獅子吼の斜面、木滑のシャクの生える場所に多く産する。今年は何かと忙しく、ウスバシロチョウを見る機会を逃しそうになっていたのに気付き、一昨日、急遽木滑に見に行った。川沿いの梢では、「一筆啓上仕り候」と鳴くのが上手になったホオジロが得意そうに囀っていた。

囀りが上手くなったホオジロ
一方、シャクの花はほとんど終わり種子が大きくなり始めていた。

残り少ないシャクの花

種が膨らみ始めたシャク
すんでのところでウスバシロチョウを見る機会を逸するところであったが、何とか見ることができた。ただ、ウスバシロチョウは繁殖期を過ぎており、一生懸命、地面で産卵場所を探しているのかと思われる光景にも出くわした。

地面に静止するウスバシロチョウ
やっとの思いで生の最後に挑戦している状況で、鱗粉が落ち翅の透明度が増し、翅の破れも目立ち、自分の一生の役目を終わったという行動のように感じた。



シダや木の葉の上で休む
傷んだり、鱗粉が落ちて透明感が増した翅のウスバシロチョウ


翅の傷みも少なく、比較的元気なウスバシロチョウ
地面や枯れ枝に産みつけられた卵は、夏を越し来春までの長い幼虫、蛹(チョウには珍しく繭を作ってその中で蛹になる)を過ごす。
植物にとっても、鳥達にとっても夏への変化が押し寄せている。ますます盛んになるものもあれば、夏迄には生を終えるものもいる。生、自然は巡るものだと実感する。