NASAのローマミッションの望遠鏡が完成し、ゴダード宇宙基地に届けられる

ローマンの光学望遠鏡アセンブリの写真
NASAのローマミッションの望遠鏡が完成し、ゴダード宇宙基地に届けられる
2024年11月14日
上の写真は、NASA のナンシー グレース ローマン宇宙望遠鏡の光学望遠鏡アセンブリを示しています。このアセンブリは最近、メリーランド州グリーンベルトにある NASA ゴダード宇宙飛行センター最大のクリーン ルームに搬送されました。
NASA/クリス・ガン
NASA のナンシー グレース ローマン宇宙望遠鏡は、宇宙の謎を解き明かすための大きな一歩を踏み出した。このミッションは、最終的な主要部品である光学望遠鏡アセンブリを受け取り、これには 2.4 メートル の主鏡、9 枚の追加の鏡、および支持構造と電子機器が含まれる。アセンブリは 11月 7日に、この望遠鏡が建設されているメリーランド州グリーンベルトの NASA ゴダード宇宙飛行センター最大のクリーン ルームに届けられた。

この望遠鏡は宇宙の光を集光してローマンの観測機器に送り、時空に散らばる無数の物体を映し出す。このミッションの広視野観測機器（3億画素の赤外線カメラ）を使用して、天文学者は太陽系の外縁から観測可能な宇宙の端まで宇宙を観測する。科学者はローマンのコロナグラフ観測機器を使用して、主星を暗くしてその周りの惑星や塵の円盤をこれまでよりもはるかに詳細に撮影する新技術をテストする。

「私たちは、宇宙空間での低温下でも優れた光学性能を発揮する、調整の行き届いた最高級の望遠鏡を持っています」とNASAゴダード宇宙基地のローマンの光学望遠鏡アセンブリの光学リーダー、ベンテ・イーグホルム氏は語った。「私は今、望遠鏡と機器が組み合わされてローマンの天文台が作られる次の段階を楽しみにしています。」


ローマ光学望遠鏡アセンブリの写真
この写真では、光学エンジニアのベンテ・イーグホルムが、NASA のナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡の主鏡の表面を検査しています。この 2.4 メートル の鏡は、光学望遠鏡アセンブリの主要コンポーネントであり、このアセンブリにはさらに 9つの追加の鏡とサポート構造および電子機器が含まれています。
NASA/クリス・ガン
ニューヨーク州ロチェスターの L3Harris Technologies 社が設計および構築したこのアセンブリには、国家偵察局から NASA に提供された主要な光学系 (主鏡を含む) が組み込まれています。その後、L3Harris 社のチームは鏡の形状を変更し、継承されたハードウェアを基に構築して、Roman の広範かつ高感度の赤外線観測の仕様を満たすようにしました。

「この望遠鏡はローマンが行うすべての科学研究の基盤となるため、その設計と性能はミッションの調査能力を左右する最大の要素の一つです」とNASAゴダード宇宙飛行センターの主任光学望遠鏡アセンブリシステムエンジニア、ジョシュ・アベル氏は述べた。

ゴダード宇宙飛行センターのチームは、L3ハリスと緊密に協力して、これらの厳しい要件が満たされ、望遠鏡アセンブリがローマ天文台の他の部分にスムーズに統合されることを確認しました。

アセンブリの設計と性能は、ミッションの成果の質を大きく左右するため、製造とテストのプロセスは極めて厳格に行われました。各光学部品は、今年初めに組み立てられ、一緒に評価される前に個別にテストされました。テストにより、望遠鏡が宇宙で動作温度に達したときに、望遠鏡のミラーの配置が予想どおりに変化することを確認することができました。

その後、望遠鏡は打ち上げに伴う激しい揺れと強烈な音波をシミュレートするテストを受けた。エンジニアたちはまた、宇宙空間でいくつかの鏡を調整するアクチュエーターと呼ばれる小さな部品が予測通りに動くことも確認した。そしてチームは、通常の気圧から真空に変化する時にアセンブリから放出されるガスを測定した。これは、宇宙飛行士が宇宙に火薬や金属の臭いがすると報告するのと同じ現象である。注意深く制御しないと、これらのガスが望遠鏡や機器を汚染する可能性がある。


ローマンの光学望遠鏡アセンブリの写真
NASA ゴダード宇宙飛行センターに到着すると、同局のナンシー グレース ローマン宇宙望遠鏡の光学望遠鏡アセンブリは輸送用固定具から取り出され、ゴダード最大のクリーン ルームで他のミッション ハードウェアとともに設置されました。これから、光学望遠鏡アセンブリはローマンの計器キャリアに取り付けられます。この構造により、望遠鏡とローマンの 2 つの計器が光学的に一直線に保たれます。アセンブリの電子ボックス (つまり望遠鏡の頭脳) は、ローマンの他の電子部品とともに宇宙船内に搭載されます。
NASA/クリス・ガン
最後に、望遠鏡は宇宙の温度と圧力環境に耐えられるかを確認するため、1 か月に及ぶ熱真空テストを受けました。チームは、低温動作条件で望遠鏡を綿密に監視し、望遠鏡の温度が 1 度未満の誤差で一定に保たれるようにしました。温度を一定に保つことで、望遠鏡の焦点が安定し、ローマンの高解像度画像が常に鮮明になります。望遠鏡には約 100 個のヒーターが取り付けられており、すべての部品の温度を非常に安定した状態に保ちます。

「温度をこれほど厳密に安定に保つシステムを設計し構築するのは非常に難しいが、この望遠鏡は並外れた性能を発揮した」とNASAゴダード宇宙基地のローマンの光学望遠鏡アセンブリの熱リーダー、クリスティン・コッティンガム氏は語った。

アセンブリがゴダードに到着したので、ローマンの機器キャリアに取り付けられる。このキャリアは、望遠鏡とローマンの 2つの機器を光学的に位置合わせする構造物である。アセンブリの電子ボックス (基本的には望遠鏡の頭脳) は、ローマンの他の電子機器とともに宇宙船内に搭載される。

このマイルストーンにより、Roman は 2027年 5月の打ち上げに向けて順調に進んでいます。

「この輝かしい成果を達成したチームに祝福を！」とNASAゴダード宇宙基地の望遠鏡責任者、J・スコット・スミス氏は述べた。「望遠鏡の完成は、このチームにとって一つの時代と素晴らしい旅の終わりを告げるものです。しかし、これはローマンの建造のほんの一章にすぎません。チームの努力は技術を進歩させ、星の探査を夢見る人々の想像力をかき立てました。」

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ナンシー グレース ローマン宇宙望遠鏡は、メリーランド州グリーンベルトにある NASA ゴダード宇宙飛行センターで管理されており、南カリフォルニアの NASA ジェット推進研究所と Caltech/IPAC、ボルチモアの宇宙望遠鏡科学研究所、およびさまざまな研究機関の科学者からなる科学チームが参加しています。主な産業パートナーは、コロラド州ボルダーの BAE Systems Inc.、ニューヨーク州ロチェスターの L3Harris Technologies、カリフォルニア州サウザンドオークスの Teledyne Scientific & Imaging です。

下は主鏡アセンブリの位置です