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山岳映画『岳-ガク-』を楽しみました

2011年06月02日 | ぶらぶら散歩

原作の漫画はあちこちの山小屋で読んだことがあります。

一人で山岳救助ボランティアをするスーパー登山家の話です。
ありえない活躍に嘘だろうと見ていましたが、1000円で北アルプスの四季が楽しめればと映画館に行きました。

映画『岳』は山岳救助の厳しさと現実をかなり見せていました。
『劔岳 点の記』では歴史再現にこだわって観賞する制約がありましたが、
この映画は山を愛して懲りずに出かけようという純な視点で見れました。

遭難者に対する接し方や思いやりが印象に残ります。
自力で動けなくなった人は自暴自棄で非難を意識して固くなりますが、安心していいよ、と
生存者だけでなく死者に対しても頑張ったことを褒めて労います。
賛同した言葉は「また山においでよ」、「人生も自然も苦しいのが半分、楽しいのが半分、
楽しいのが半分以上になるように笑顔で頑張ること」です。

「フォール」という遺体の回収法はショックでした。
昔は山中で荼毘に付している場面に何度か遭遇しました。
岩壁等では二重遭難を防ぐため落とした先での回収が最後の手段になるのですね。

県警救助隊と山岳ボランティアと民間ヘリが連携して救助活動を行う姿は、
それぞれのプロ意識と信頼がすばらしく、頼もしく感じました。
今回の震災でも自衛隊、消防、警察、地方公務員などの責任感と働きに感激させられました。

情けないのは国難の最中でも国民を助ける使命感を忘れて、党利党略、私利私欲で
不信任等と動き回る国会議員達です。
垢まみれの彼らには一生無理なことですね。
天罰が下ることを祈るのは俗人の私だけでしょうか。

登場した救助ヘリは民間会社でしたから有料になりますが、
無料じゃなきゃ乗らないと拒否したヘリ要請者がいたそうです。
実際には無料ヘリは存在せず遭難者が所属する県庁に請求が行くそうですが。

雄大な北アルプスの映像だけでも楽しめて元が取れました。
また本当に単純無垢で明るい主人公でした。
おおらかで、ひたむきで、まっすぐで、変な色気もなく純粋にカッコいいですね。
ラストで遭難救助された青年が「すいません。また来ちゃいました」と謝ると
三歩が「また山に来てくれた」と純粋に感動します。
私なら他人に迷惑かける奴は山に来るなと言いたくなりますが・・・

雪渓や尾根道を軽やかに走るように歩く姿もカッコ良過ぎで、
勘違いして真似する人が出てこない様に祈りましょう。

映画には車椅子の若い女性が一人で観に来ていました。
私達の10倍以上楽しい時間を過ごしていたように思えます。

様々な山歩きの実態描写・・・収入、行動食、お風呂、荷物の重量感、凍傷など・・・
に拘ると楽しめませんが、こういうシンプルな明るい山岳映画が
シリーズ化されてどんどん増えると楽しくなりますね。


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