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映画感想文 Vol.37 「サマータイムマシンブルース」

2006年02月25日 | 映画感想文
サマータイムマシンブルース (2005)
★★★★★★★★★★



久々に出ました。満点です!
原作が舞台だけに、会話、動きのテンポがすごくよくて、キャラが際立ってる。それに加えて、『踊る大捜査線』シリーズを手がけてきた本広監督の編集テクで、映像的にも無駄がない! このコラボレーションは完璧だと思いましたね。

ストーリーは、真夏にクーラーのリモコンが壊れたSF研究会の部室。そんなところへ偶然現れた本物のタイムマシンに乗って、昨日にタイムスリップ。壊れる前のリモコンを取ってきた研究会の面々。だがそれは過去を変える行為であり、そのせいで全てが消滅する恐れがある、万年助教授のダメ男に注意されて、主人公らは、そこで元に戻すための大冒険がスタートする。大冒険と言っても、昨日と今日を行ったり来たりっていう 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とは違う面白さを出している。

最初、意味が飲み込めないシーンが続いて、これはどういう事やろ? って思っていると、ストーリーが進むに連れて、全てが繋がる! 「あ、なるほど」と何度もいえるほど上手い繋ぎ方をしているので、観る側としては本当に心地いい。手品を見せられる感覚に近いですね。

まぁネタバレになるので多くは語りませんけど、全体的に、ストーリーはループしているので、何度見ても楽しめるような作り方をしているのも面白いですね。

しかもSF研究会と名乗りながら、全然SFを知らない主人公ら。だから、このストーリーもSFじゃないんですよね。一言で言えば、ひと夏の青春グラフィティです。仲間、恋、思い出、ドタバタ劇。楽しいって思える要素を全て詰め込んでいる。

ただ、あえてダメを出すとすれば、いくつかの伏線は先読みできた、という点と、ヒロインが全然動かないのが気になりましたね。ヒロインはタイムマシンに乗らないので、ストーリーに大きく関わらないんですよ。だから、最後にアレなんでしょうけど。

あとは、最後に大オチがほしかったなぁと。まぁ全然本編のままでもいいんですけど、あそこに観客を裏切るような大オチがあれば、もう僕の中では大傑作になっていたでしょうね。でも、これだけでも僕は満点に値すると思います。

夏に観たかった。いや、寒い今だからこそ、今観るべきかもしれない。
日本映画が最近頑張ってるという証の一つにこれが挙げられると思います。

名作は金じゃないです。上手い撮り方と面白い脚本ですよ。




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