噺のわかる人。since 2005

主に映画情報、時々ラルク&HYDE情報をお届けします。

キャプテン・マーベル【ネタバレ】感想

2019年04月01日 | 映画感想文
いつもと違う形で、ネタバレ無しバージョンとネタバレ有りバージョンに分けましたが、それはやはりわかってしまうと面白さが半減するミステリー的ギミック、オチがあることに他なりません。

キャプテン・マーベルがなぜ記憶を失っていたのか、それを取り戻した時、彼女と同調しながら鑑賞していた観客までも価値観を覆されるような仕掛けを入れているからです。

ミステリー小説やドラマをよく見ている方なら、「あ~このパターンね」ってすぐピンとくると思います。印象操作です。冒頭から主人公目線で、まず主人公が正義の味方でっていうことを疑わず物語を進めていくので、当然主人公が戦っている相手は悪者だと疑いませんし、見た目も悪役顔だからです。ガンダムだって、ジオン側の視点で描けばジオン側が正義に見えますし、記憶に新しい「アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー」のサノス視点であの物語を見れば、サノスは宇宙を救うためにストーンを集め、その道中邪魔をしてくるアベンジャーズという敵に苦戦を強いられるという風に観ることができます。正義感は人それぞれであり、彼の言っている理屈は完全に間違ってはいないのですし。たまたまサノスが悪役顔で、たまたま観客がアベンジャーズに感情移入しているだけという話です。

主人公も冒頭で緑の鼻血を流しているので当然クリー星人だと思い込むわけで、それがもしすり替えられた記憶だとしたら? 

あえて具体的には書きませんが、MCUでこういう描き方をしたのは斬新で面白かったです。小ネタとして、90年台初頭が舞台なので、当時流行っていたものだったり、インターネットやCD-ROMが読み込むの遅いとか知ってる人にはウケる時事ネタが面白かったです。

この映画の役割としては、今まで謎だった数々のパズルのピースが埋まります。

キャプテンマーベルはアイアンマンより先にヒーローとして地球を救ったのになぜ今まで姿を消していたのか、という謎への答え。そもそもキャプテンマーベルがなぜ地球を救うのかという理由。アベンジャーズというチームを作ろうとフューリーが必死に動いていた理由。そして、フューリーが片目を失った理由。四次元キューブが地球に存在していた理由。そして、「アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー」のポストクレジットで消える前にフューリーが押したポケベル装置の意味。そしてそのポケベルの装置を押したことでどうなかったか。

ただ、ちょっと気になったのは、後から製作されたからというのもありますけど、アベンジャーズ計画発足からメンバーを集めるまで結構な時間があります。宇宙人の襲来に備えて2012年の「アベンジャーズ」1作目でようやくメンバーが揃うレベルなので。しかも予定調和のごとくメンバーがだいたい揃った瞬間に宇宙人が攻めてくるとご都合主義。アイアンマン以前を描いたことで逆に不自然なところも浮き彫りになるというのはやはり後付けなので目を瞑るしかないのでしょうか。

しかも、キャプテン・マーベルが地球に潜伏してから正体がバレて街でちょっとした騒ぎになっているのに、アイアンマンの頃にはそういうニュースが全く情報として入っていない。しかもフューリーから「キャプテン・マーベル」というヒーローがいたという情報を全く出していないのも不自然となってきます。あのポケベルも、本来なら「アベンジャーズ」1作目がまさに備えていた“来るべき時”ですし、絶対に押すべきタイミングなのに押さず、2作目でも押さず、3作目で事態をほぼ把握していないのにすぐ押すっていうフューリーの心理の謎。あれは、「インフィニティーストーンという存在があって、全て揃えたらスナップ一つで宇宙の半分の人口を消し去ることができる。もしそのような現象が地球でも確認したらポケベル押して」なら、わかりますけど、そうじゃないですからね。

考えれば切りがないですが、そう考えると「キャプテン・マーベル」を出すタイミングはちょっと遅かったのかなと思ったり。企画の段階では2作目で出す案もあったみたいなんですが、誕生秘話も何も描かずいきなり出すと観客が戸惑うから却下したという理由は納得できますが、時系列的にはアベンジャーズ誕生前なので、いつ単独映画を入れても良かったと思います。個人的には「アベンジャーズ」1作目のポストクレジットで、フューリーがポケベルを取り出して「彼らの頑張りのおかげで押さずに済んだ」ってシーンを入れてれば、より引きになりますし、押さなかった理由もちゃんと伝わります。四次元キューブがフューチャーされたのも1作目ですしね。なので、「アベンジャーズ」1作目から2作目の間くらいに今回のを入れてくれてたらもっとスムーズに話が進んだのかなと。

海外のリーク情報で、「アベンジャーズ/エンドゲーム」では過去のシーンを再撮影しているという噂が流れているので、もしかしたらタイムスリップして「アベンジャーズ」1作目まで遡ってそのタイミングでキャプテン・マーベルを呼んで、ストーン集める前のサノスに奇襲を仕掛けるというストーリーだったらネタバレごめなさいですが、本家はもっとその予想の更に上をやってくれると思うので、あくまでファンの妄想として聞き流してください。

もしくは、今後公開予定の「キャプテンマーベル2(仮)」は「アイアンマン」よりも過去である1995年を舞台にストーリーが展開されると公式発表されていますので、いままで明かされていなかった伏線(パズルのピース)がまた随所随所に嵌められていくストーリーになるのでしょう。そこで、不自然に思うところは解消されるかもしれませんね。実は2作目であっさりポケベル押しちゃって、「今度呼ぶ時はよほどの事がない限りやめて」と注意されるとか(笑)


アベンジャーズランキングでいえば、四次元キューブの力を宿した状態に覚醒したキャプテンマーベルは、アベンジャーズの誰よりも強いと思います。単独での飛行(大気圏内、大気圏外)が可能で、フォトンブラストも撃つことができ、スピードも高速。まさにチート能力です。マーベル側も、キャプテンマーベルを投入した理由として、年齢的にそろそろ退場するだろうアイアンマンに代わるリーダーと強さを秘めたキャラが必要だと思ったのでしょう。トニーの天才的な頭脳は、ブラックパンサーの妹がバトンを受け取り、パワーをキャプテン・マーベルという感じでしょうか。

マーベル社長より、「アベンジャーズ/エンドゲーム」公開後、MCUの今後の展開を発表する用意があるという公式発言がありましたので、現在公開決定しているスパイダーマン以外の2020年以降の公開スケジュール発表があると思います。

正直、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティー・ソーの3人が「アベンジャーズ/エンドゲーム」で卒業するのは非常に残念ではありますが、死んで退場といった悲しい卒業はやめてほしいですね。


最後にこんな動画もありますが…
基本、キャストは台本しか知らされてないので想像でしゃべるしかないですよ。
全ては今後の脚本家とプロデューサー次第。


なぜニック・フューリーは今までキャプテン・マーベルを呼ばなかったのか?






最新の画像もっと見る