オイラは、ボイラ 寒がりボイラ

6月から9月まで迄の4か月間は、失業状態ですが、冬期間はボイラーマンとして出身高校を暖めています。

正社員に登録され、益々がんばる美也

2017年03月08日 16時58分19秒 | 北のポエム・北海道発のエッセー
 浦嶋製作所の工場、倉庫で働くようになり二週間が過ぎた。
大体の仕事の流れと感じはつかめたが、数多い金属部品を覚えるのは大変だ。西田主任は、合い変わらず無愛想で、
「自分で仕事を覚えろ。」と言う感じで、細かい所まで丁寧に教えてくれない。パートの女性にも助けてもらい、
少しづつではあるが、仕事を覚えてきた。4月1日今朝、始業前に正社員として辞令を受け取った。「基本給十八万
五千円を支給する。」と書いてあった。これで念願の社会人になった。うれしい気持ちで一杯だが、不安もある。
これから先ずっと、西田の下で製品の保管管理、出荷作業を続けて行かなければならないのだろうか。金属加工の現場で
働く事はないのだろうか。まだ、始めたばかりの仕事なので不満はないが、地味さがある倉庫での製品の保管管理は、
美也が始めに考えていた鉄工所での金属加工と違い、華やかさが感じられなかった。

残業が、無い日もあるが殆どの日は2~3時間の残業で寮に帰るといつも、自前で食事を済ませ、風呂に入り洗濯すると
夜10時になる。1時間程、テレビを見たら眠気が襲ってきて12時前には、眠りに付く。朝は、6時半起きだ。
たまたま、今日は残業がなかったので、1つ先輩の山口良平に誘われ、二人で近くの定食屋で日替わり定食を食べた。
500円で魚か肉かを選ぶと、味噌汁と野菜炒めが付いてくる。格安なので、水心寮の住人は、常連だ。二人共に肉定食を頼んだ。
「どう、仕事順調?」良平が聞いてきた。「はい、楽しいですよ。」と答えると、「西田さんはあまり喋らない人だから、
大変じゃない?」「ええ、まあ~。」良平は美也より半年早く、浦嶋製作所に勤めている。現在は、機械のオペレーションをして
形成型で金属片を製造している。機械化が進んでいるので、殆ど機械の見張りのような仕事だ。若い良平でも十分に出来る仕事だ。
良平は、美也が倉庫で働いているのを見て、同情をしているようだった。食事をした後に、「後でオレの部屋に遊びにおいでよ。」
と良平が言った。美也は、「色々な情報を教えてもらおう。」と思い、少しわくわくした。


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