『ヨハネスブルグへの旅』という児童書を読みました。
著者はビヴァリー・ナイドゥーさん。
『真実の裏側』は、2001年に英国で最も権威のある児童文学賞のカーネギー賞を受賞したそうです。
アパルトヘイト(人種隔離政策)という人種差別が南アフリカ共和国で行われていたことは、社会科の授業で知識として知っていました。
この本を読んで、『進撃の巨人』のマーレ人とそのマーレ人に抑圧され居住区に住まわされているエルディア人を連想しました……パスがないと外に出られないのです。
エルディア人は人として扱われないのです…
この物語は、幼いきょうだいが300キロも離れたヨハネスブルグで住み込みで働いている母親に、妹(まだ赤ちゃん)の容体が悪いことを知らせに行く旅の物語です。
アパルトヘイト下で、大変貧しい生活を送る人たちの働く環境の劣悪さ、その中でも人としての優しさを感じられて心が温かくなります。しかし、白人たちの『常識』が恐ろしいです。
訳者のもりうちすみこさんのあとがきが素晴らしく、子どもたちにわかりやすいように歴史的な背景も解説をされていて、理解が深まりました。
南アフリカからイギリスに亡命した著者は、この児童向けの小説を発表しましたが、当時アパルトヘイト体制下にあった政府はこの本の出版を禁じたそうです。
この本を読んだ11歳の少女は、南アフリカでの出版禁止に怒り、著者に手紙を送ったそうです。
『私たち子どもだって、この世界でおこっているほんとうのことを学びたい。どうしてそれを制限するのでしょう?私たちが早く知れば知るほど、私たちは知性的な強い人間になる。それがこの世界を平和にする方法なのに』
教科書だけでは学べない、学びや気づきが多くあるステキな本でした☺️
『炎の鎖をつないで』
『真実の裏側』
こちらも読んでみたいです!
児童書なので、もちろん息子は読んでくれました。
『白人ひどい』と感想を言ってました。
『読んでよかった』とも。
ムスメっ子は最初、『差別の本なんてイヤだ!読まない』と言ってましたが、ゲーム🎮時間延長交渉により、読んでくれました😅
『白人ひどい』という息子に対して、『黒人のほうが強い武器(発達した技術)を持ってたら立場は逆だよ』と…
とりあえず読んでくれて、よしとします😊